フィリピンで貧困の子どもが小学校で教育を受けられない理由


フィリピンの小学校

フィリピンの小学校の赤点は75点

子ども教育に力を入れているフィリピンですが、貧困家庭の子どもにはまだまだ十分な教育を受ける環境が整っていません。
日本では小学生の落第はまずありませんが、フィリピンの小学校には年齢と学年が合っていない生徒がたくさんいます。

 

例えば12歳なのに小学4年生の生徒など。
フィリピンと日本では年齢と学年は同じですので、本来ならば6年生のはずがなぜ4年生なのか。
それは落第し進級できない生徒が多いからです。

 

平均点が75点以下で赤点。赤点3科目で落第
欠席日数が授業日数の20%以上になると落第

 

クラスのトップ成績の生徒がだいたい93点。
クラス平均が80点。

 

そんな状況で75点が赤点はフィリピンの小学校は厳しいと思いませんか。
科目ごとの赤点が2つまでですと夏期講習を受けることで免除されますが3科目になると自動的に落第、つまり留年します。
これは小学校でも同じ。

 

学力の劣る生徒は進級できず、自分より年下の子どもと一緒にまた同じ学年の授業を一年間受けることになります。

 

また、病気やケガなどの特別な事情の子どもを除き、欠席率が20%を超えると進級できません。

復学を希望したら幼稚園教育からスタート

家庭の貧困事情で幼稚園や小学校に入学できない子どもがたくさんいます。
 

フィリピンの公立小学校は授業料は無料ですが制服、カバン、靴、文房具、そしてPTA会費などで年間約6,000ペソが教育を受けるために必要と言われています。

 

これは貧困家庭にとってはとても大きな金額。
その他通学費やお昼ご飯代を加えると10,000ペソを超えます。
貧困家庭にとっては大きな教育費です。

 

本来なら幼稚園や小学校に上がる年齢になっても我が子を学校に通わすことができず、何年かして多少余裕ができてから教育を受けさせるケースがあります。
もしもその時点で子どもが10歳だったら、本来は小学4年生ですがフィリピンは幼稚園からが義務教育なので、幼稚園教育からスタート。

 

10歳の子どもが5,6歳児の子どもと一緒に勉強しなければなりません。
これではたとえ子どもでもプライドや恥ずかしさもあり学校へは行かなくなります。

 

グローリアセブのフリースクールには現在6~9歳の子どもが通っています。
家庭が貧困で全員小学校には通ったことがありません。
子どもたちは新学期から小学校へ行きたいと願っていますが、小学校の先生と交渉した結果、義務教育を受けていないのなら幼稚園への入園になると言われました。

 

フィリピンの小学校

貧困家庭に勉強机はない

教育を受けられない子どもの多くは貧困家庭。
 

三畳ほどのスペースに家族7人で暮らしているケースも珍しくありません。
そんな貧困の家に勉強机や学習用具があるわけもなく家で勉強するのはまず不可能。

貧困のために週末や放課後は家族のため働かなければなりません。
母親が作った総菜を持って道路で売り歩く。
近隣の家から請け負った洗濯を手伝う。
母親の内職の手伝い。

 

貧困は勉強する時間など許されない環境です。
勉強しなければ小学校の成績は悪くなり赤点が増え落第。
子どもは学校に行く気力を失います。

貧困の子どもへの教育支援とは

フィリピンの教育

貧困家庭に生まれた子でも、放課後母親の物売りを手伝いながら教科書を読んでいる子もいます。
一生懸命勉強して、将来家族の生活を楽にしたいという意思を強く持っている子どもです。

 

グローリアセブでは奨学金制度で路上で物売りをしている子や、家庭の事情で学校に通っていない貧困の子どもを支援していますが、ただ支援すればよいわけではなく大切なのは本人が教育を受け将来自立した大人になりたいと心から思っていること。
小学校に通うためにお膳立てをしても本人に自覚がなければ途中でドロップアウトします。

 

貧困の子どもたちに教育を受けさせる。
これは貧困問題の解決に最も重要ですが、単にモノや金銭での支援ではなく、なぜ教育を受けることが大切なのか、将来自立した人間になるためにいまどうすれば良いかを親と子どもに伝えていくことが最も大切。

 

子どもは生まれてくる場所を選べません。
先進国に生まれてくる子も、発展途上国に生まれる子もいます。
 

グローリアセブでは途上国の貧困家庭に生まれた子が、将来貧困を脱出するために平等に教育が受けられるよう支援を続けています。

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