セブの子ども

仕事が忙しくて学校に行けない

フィリピンでは小学校就学年齢の6%、中学高校では11%もの子どもが学校に通っていません。
その理由のなんと30%が仕事をしなければならないから。

仕事よりも学業優先と誰もが考えますが、そこにはフィリピン独特の文化と子どもでも働かなければならない事情が。

貧困家庭の親は自営業

日本で仕事のために学校へ行けない子はまず皆無ですね。
もし、子どもが仕事をしたくても会社勤めの親の仕事を手伝うことは不可能。
そもそも親が許しません。

義務教育の期間は学校で勉強するのが当たり前。

しかしフィリピンの場合、特に貧困家庭の親は自営業。
父親は大工や荷物運びの日雇い。
母親は内職や行商、洗濯や掃除の請負など。

母親の仕事は子どもでも手伝えます。

10才から15才ぐらいの子どもが母親が料理したおかずを販売していたり、内職を手伝ったり洗濯をしている姿を貧困地域で多く見かけます。

フィリピンの母親

スラム街の子どもの仕事

貧困家庭では、母親が鶏のから揚げや春巻き、焼きそばを自宅の台所で調理し、露店で販売するスモールビジネスが流行っています。

料理は母親。
店先で売るのは子ども。

食べ物の露店販売は1日1,000円ほどの稼ぎになる。

販売だけではなく内職も。
セブの伝統料理、ブソ(英語ではハンギングライス)と言うフィリピン版のおにぎり。
ココナッツの葉を織り中にもち米を入れて蒸すセブでは一般的な食べ物です。

母親が請け負ったこの葉を織る内職を子どもたちは手伝います。
日本人の大人でもひとつ織るのに5分は要するこの仕事を子どもたちは1分で。

一日500個から1,000個を仕上げ数百円の収入を稼ぎます。

直接的な稼ぎではなくても、親が働きに出ている家庭ではその間小さな弟や妹にご飯を食べさせたり寝かしつける面倒を見る。
これも仕事の一つです。

セブの子ども

家族のために生きる

フィリピンの子どもは親想い、家族想い。
それは日本人の比ではありません。

親に感謝し自分の人生を親と家族に捧げて生きていると言っても過言でないほど。

働いて家族を少しでも楽にさせたい。
勉強もしたいし遊びも好きだけど家族あっての自分だから家族のために役立ちたい。

だから親から仕事をさせられているなんて考えはなく、家族の一員としてプライドを持って仕事をしています。

多くの日本人はその状況を知れば、可哀想、学校に行かなきゃと思うでしょう。
いま働かなくても、勉強して学校を卒業したら仕事に就いてそれからでもと。

実は親も同じことを考えています。
スラム街の母親に願望を聞けば、我が子に義務教育を受けさせ立派に卒業させたいと答えます。

それは自分が実現できなかった夢だから。
貧困家庭の親のほとんどは小学校にしか通っていません。

でも子どもの稼ぎなくして家計が成り立たない現実も。

子どもでも働くフィリピン社会のこれが実情です。

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