フィリピン セブの貧困

東南アジアの途上国

東南アジアのボランティア先で人気があるのはカンボジア、フィリピン、タイ、ベトナム、インド。
そして、この中で最も貧困な国がフィリピンです。

世界銀行が定めた貧困の定義は1日1ドル以下で生活をしている人。
フィリピンの場合、国民の2割以上がこの貧困層で、これはカンボジアなど他の東南アジアの国と比べても一番高い数字です。

フィリピンはなぜ貧困なのか

東南アジアの中でも目覚ましい発展を続けているフィリピン。
でも、1億を超える国民が働けるほどの産業が育っておらず仕事に就けない人が大勢います。

セブの例ですと今までの観光産業に加えて、コールセンター、語学学校、ITなど新しい産業も育っていますが、一部の優秀な人しか働くことができないため、貧困層はモノ売りや肉体労働など日雇い仕事で食いつないでいるのが現状。

またフィリピンでは、契約社員に似た期間限定での雇用が一般的で、一度仕事に就いても数か月先には失業と言う状況が多くあります。
労働者よりも雇用主が圧倒的に有利な社会。
若い人が多く競争社会のために貧困の人まで仕事が回ってきません。

フィリピンでは普通に大学を出た程度では、ファストフードのカウンターかスーパーマーケットのレジが精一杯とも言われています。

他人に依存する国民性

フィリピンはアジアで唯一のカトリックの国です。
ほとんどの国民が毎週教会に通い祈りを捧げています。

カトリックの教えは助け合いと分かち合い。
とても立派な精神なのですが、反面、自分が何もしなくても誰かがなんとかしてくれる、と言う甘えの精神を生んでしまうことも。
今日食べるものがなくても誰かが恵んでくれる、
お金がなければ誰かから借りれば良い。

食べ物やお金をねだられた人も助け合いの精神から何とかしてあげます。
 

カトリックは素晴らしい宗教のひとつですが、自立心や労働意欲を削ぎ貧困を助成してしまう側面も。

不十分な貧困対策

フィリピンから貧困をなくすためには政府の力が欠かせません。
貧困撲滅のための対策も行っていますが、スラムをなくすなどの表面的な貧困対策が多く、雇用拡大など根本的な貧困対策までは手が回っていない状況です。

また、フィリピンでは賄賂や裏金の存在も大きく、政府が予算をつけても貧困の人たちまでそのお金が届かないこともあります。

なぜマニラとセブにスラムが存在するのか

フィリピンには7,000を超える島がありますが、スラムはマニラやセブなどの都市部に集中し、地方は自然に恵まれたのどかな環境で穏やかに暮らしている人が多いです。

貧困の人たちは仕事を求めて都市にやって来るのですが住むところがないために路上や空き地で不法居住をはじめ、それがスラムなどの貧困街へ発展していく。
 

例えば地方の島の住人は最初にセブにやってきて仕事を探しますが、セブでは思うような仕事がなくセブからマニラへと渡り歩いていきます。
 

マニラでは平均賃金がフィリピンの地方の倍ぐらいあるのでみんなマニラを目指すのですが仕事に就けるのはごく一部の人たち。
ほとんどの人はスラムで貧困生活を送るようになります。

 

これがマニラやセブに貧困やスラムエリアが多い理由です。

フィリピン セブの貧困

食べ物の行商で日銭を稼ぐ貧困の人たち

スラムに住む貧困の人で定職を持っているのは稀で、ほとんどは日雇いやモノ売りでその日暮らしをしています。

女性ですと惣菜などの食べ物をつくり路上で販売したり行商をする人が多く、縫物、洗濯、清掃、家事手伝いの仕事も。
男性の場合は港湾労働や大工などの力仕事を行います。

いづれも仕事や売り上げのあった日だけしか収入を得ることができません。
また、貧困家庭では子どもも労働力と扱われ、親の仕事を手伝ったりくず拾いなどでお金を稼ぎます。

東南アジアでフィリピンがなぜ一番貧困なのか、その理由をまとめると

・1億人の国民をカバーするだけの産業が育っていない

・お金がなくてもどうにかなると考える国民性

・不十分な政府の貧困対策

グローリアセブのボランティアに参加すれば、このようなフィリピンの貧困社会の現状を直接見ることができます。

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