セブの子ども
フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

彩望 岡山大学2年

 

私は最初、ただボランティアをしてみたくて、日本の外の世界をもっと知りたい、見てみたいという思いで参加しました。

 

“ボランティア”のイメージは困っている人に手をさしのべて笑顔を広めるというものでしたが、今回初めて“ボランティア”に参加して、ボランティアの奥深さを知りました。
 
 

私が一回ボランティアをしたからといって貧困で苦しんでいる人たちを貧困から救えるわけでもなく、毎回の食事が約束されるわけでもなく、特に何か手助けができたという確証は得られませんでした。

むしろ自分の無能さに悲しくなったくらいでした。

 

 

 

スラム街の子供たちは本当にフレンドリーで目がすごく綺麗でいつも心からの笑顔で迎えてくれて、こちらが笑顔とパワーを沢山もらったという感じでした。

 
 
食事も満足になく、住む所も着る服も十分でないのにどうしてそんなに純粋に笑っていられるのだろう、異国から来た見ず知らずの人間に笑いかけることができるのだろうと本当に不思議に思いました。

 
 
でもボランティアでスラム街に行っているうちに、分かったことがありました。
 

あの子たちにとってはサイズの合わない服、雨もりする家、くつのない生活、観光客にする物売り、ハエにたかられる生活は当たり前のものであって、そこに関しては日々辛いとは思っていないのだろうということです。

 

あの環境で生まれ育ったあの子たちにとって、大切なのは物ではなく人のぬくもり、家族、だということがよく分かりました。
 
 

一度外の世界を知ってしまったらどうなるのだろうと少し怖くもなりました。知らない方が幸せなのかもしれないけれど、一生をあの限られた世界で終わらせてしまうのは本当に寂しすぎると思ってしまいました。

 

 

将来の夢がキャビンアテンダントと言う子と出会った時は本当に嬉しく思いました。
 
「もっと世界を見てみたい。」とその子は話していて、私と同じ夢をもつ子がここにもいるんだと分かった時は嬉しく思うと同時に、この子の夢が叶う確率はほぼ0%に近いのかもしれないと思うと本当に胸が苦しくなりました。
 
生まれた場所が違うだけで、どうしてここまで違うのか、と悲しくもなりました。

 
 
 

貧困の連鎖はどこかで切らなければならないと強く感じました。

夢をもつ子供たちのために何かしてあげられないか、本気でそう考えたのは今回が初めてでした。

 

 

この子たちが同じ世界で生きている証を少しでも広く伝えるために私たちは今回あの子たちと出会ったのだろうと思いました。
 
あの子たちがフィリピンを出ることはそう簡単ではないから、あの私たちに見せてくれた笑顔とまっすぐな目を私たちの手で日本の皆に伝えていく必要があると、あの写真におさめた天使のような子供たちを世界中に届ける必要があると思いました。

 
 
 

日本にいるだけじゃ絶対に見ることのできない世界、もっと多くの人に知ってもらいたいと思ったし、日本に帰っても忘れてはいけないと思いました。

 

私たちがどれだけ恵まれた生活を送っているか、どれだけ無駄を出しているか一人一人が意識するだけで、何人のスラム街の人の生活が今より楽になるのだろうと思いました。

 

 

今回フェイスブックをやっている子もいて、その子たちは外の世界を知っていると思うと少し切なくなりました。

その子たちは自分の置かれた状況をどう思っているのか、聞けなかったことが一つ後悔でした。

 
 
英語を話せると世界中の人たちとコミュニケーションがとれるし、自分の思いを世界に発信することができるから、英語教育は本当に大切だと思いました。

 

また私自身、様々な国とコミュニケーションをとるのが好きなのでまた一つモチベーションが上がりました。

 
 
 

私の将来の夢は看護師と世界を自分の目で見て回ることです。
今回のセブ島ボランティア経験がどういう形で影響してくるかは分かりませんが、このソーシャルボランティアに参加して本当に良かったです。

 

2017年9月7日~9月14日