フィリピンには給食制度がない

健康増進を目的に日本をはじめ海外の多くの国では義務教育期間中は給食が提供され、日本では幼稚園、小学校、最近では高校の一部でも給食が支給されています。

しかし途上国フィリピンには給食制度はなく、生徒は弁当を持参し学校に通います。

なぜフィリピンには給食がないのか、
小学校の子どもたちはどのように昼食を摂っているのか、
弁当の中身は。

フィリピン セブの子どもたちの教育を支援するグローリアセブがレポート。

給食費を徴収できないフィリピンの事情

フィリピンの公立小学校は街中にある本校と、山村など郊外の分校に分かれ、本校には5,000人もの生徒が通っています。
本校に通いたくても定員でやむなく分校へ行く子どもも多数。

東京の公立小学校の平均生徒数が約550人ですので、フィリピンではなんと10倍もの生徒を受け入れている。

日本では給食費として年間約4万円を生徒の家庭から徴収しますが、貧困家庭の子どもが多く通っているフィリピンでは給食費の徴収は差別を生むため生徒から給食代を取ることはできません。

国が給食を提供できれば問題解決ですが、貧困国フィリピンの政府にそのような予算がある訳もなく、義務教育の小学校や高校では給食は支給されません。

生徒の弁当は干し魚ひとつ

生徒は小学校に弁当を持ってくるか、またはごはんだけを持参し校内の売店でおかずを購入するか、弁当を持参できずおかずを買うお金もなければ水を飲んで我慢するか。
フィリピン人はお米が主食。空腹を満たすためごはんは欠かしません。

母親から小さな干し魚や鳥のから揚げと一緒にごはんの詰まった弁当箱を持たされ昼休みに弁当を食べます。

母親が作る時間がない日は、校内の売店で麺類、パン、ごはんを買いますが、街中の売店よりも2割ほど高額で売られているので貧困の子どもは学校内で食事を買うことは少なく、弁当がなければ水を飲んで空腹を癒しています。

先生が行う生徒への食事支援

家庭が貧困で弁当を持参できず、食べ物を買う余裕もない生徒には、先生が自ら持参した食事を分け与えています。

フィリピンの小学校では先生も弁当を持参し、お昼休みに教室で生徒と一緒に昼食を摂ります。
先生も決して裕福ではありませんが、生徒は我が子同然でまた生徒の家庭環境も理解しているので、少し多めに弁当を持参し子どもたちに配給しています。

日本では考えられないフィリピンの小学校の現状です。

小学校の生徒のお弁当の中身

フィリピンのお弁当
弁当箱をご覧ください。
たくさんのご飯と少しのおかず。
 
これが小学生のお弁当です。
子どもが好きなウインナーも卵焼きもふりかけもありません。
 
栄養バランスを考えた弁当を貧困家庭が持たせることができるわけもなく、空腹を満たすためだけの献立。
 
 
あなたが小学校に通っていた頃を思い出してください。
今日の献立を考え、お昼休みの給食の時間はとても楽しみだったと思います。
 
貧困国フィリピンでは、学校のランチタイムで生徒同士の家庭環境の違いが明白になります。
 

途上国で求められる食育支援

子どもにとって一番大切なのは教育です。
でも教育は健康であることが前提。
 
 
国際ボランティア団体 グローリアセブでは路上で物売りをしているストリートチルドレン、スラムやゴミ山に住む貧困の子どもたちに食事を提供するボランティア活動を続けています。
 
子どもが将来大人になったとき教育を受けていることで視野が広がり自立心、向上心が生まれる。
でも、その前にまずは適切な栄養を取り健康を維持するのが最も大切。
 
 
毎週日曜日にはゴミ山の子どもたち、土曜日はストリートチルドレン、そして平日はスラム街でおかゆや鶏肉、ウインナーなどの食事を提供しています。
 
そして将来的には給食センターを立ち上げ、学校に通う子どもたちへ栄養価の高い弁当を毎日提供したいと考えています。
 

 
 
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