フィリピンの大学生の就職と収入格差


フィリピンの大学生

大学を卒業しても就職先はファストフード店の現実

日本の国民の平均年齢より20歳も若いフィリピンでは、同じ大学の同学年の学生が500人いることも珍しくないほど若者が多い国。

 

でも産業の少ないフィリピンでは就職先が限られるため大学を卒業してもファストフードの店員になれれば良い方で、それも多くは正社員ではなく5か月間の契約社員としての採用。

契約が終了すれば別の就職先を探さなければなりません。

 

人が多ければ格差が生まれる。
就職先や収入は卒業した大学のランクと成績でほぼ決まります。

大学の格差

教育大国フィリピンは大学のランクが重んじられます。

 

フィリピンの大学ランキングは国立のフィリピン大学を筆頭に、私立のデ・ラ・サール大学、サントトーマス大学、サンカルロス大学、そしてアテネオ大学がベスト5で、サンカルロス以外は首都マニラに集中。

 

7,000もの島から成るフィリピンですが、これだけでもマニラの大学を卒業しなければ良い就職はないという現実がわかります。

 

大学ランキング上位の学校に入学し優秀な成績を収め卒業するか、卒業後も大学院や専門学校で専門知識を身に着けた学生のみが、いわゆる一流企業、誰もが知っている会社に就職し将来の幹部候補生となります。

 

一般の大学を普通の成績で卒業した学生は、本人が希望する企業に正社員として雇ってもらうのは困難で、収入など条件の良くない企業や、また契約社員として就職していきます。

 

国立大卒なら収入は2倍

国立フィリピン大学を卒業した学生の初任給の平均は2万ペソ(約5万円)、管理職になったら7万ペソ(約16万円))の収入を得ています。

 

この収入は一般的なフィリピン人の月収の2倍以上の高給です。

 

普通の大学を普通の成績で卒業した学生の場合は、フィリピンの1日の最低保証賃金400ペソ(約1,000円)ですので月収換算で2万5千円ほど。

昇進や昇給もあまり見込めません。

学費と収入で考える損得

国の奨学金で国立大学に入学できれば学費はほとんど掛かりませんが、私立の大学は学費が高く、年間で15万円~30万円。
4年間ですと60万円~120万円。

 

卒業後の給料は月2万5千円ですから、大学へ支払った学費を稼ぐだけでも就職後、2年~4年掛かります。

大学では学費以外にも文具代、制服、プロジェクト費などさまざまな経費が掛かっていますので実際はそれ以上。

まして大学を卒業しても就職できるかどうかもわかりません。

 

一流大学なら奨学金で学費免除、卒業後は多額の初任給を得ることも可能。
この格差は計り知れません。

一流大学の学生は裕福な家庭の子ども

フィリピンでは学力と富がほぼ比例しています。

裕福な家庭の子は幼稚園から私立に通い、小学校、高校では高度な教育を受け大学は国公立、または私立の一流校。

 

貧困家庭の子は公立の学校です。

私立と公立では授業レベルや学校施設、先生の質に差があり、例えば私立の学校では幼稚園から英語で授業が行われていることも珍しくありません。

 

裕福な子は高度な教育を受けトップランクの大学を卒業し、高い収入を得る。

満足な教育を受けられない貧困家庭の子どもは、大学を卒業しても十分な収入を得ることができない。

 

裕福と貧困の格差は広がるばかりです。

 

それでも大学に通う目的は

自分の収入で家族や両親に楽をさせたい、
フィリピンの子どもで、自分ために大学や高校に通っている学生は皆無だと思います。

 

統計でみる大学別の就職先や収入はあくまでフィリピンの平均。
平均値などにとらわれることなく、家族の生活を少しでも楽にさせたいと学業に励み、就職先を探し、得た収入の大半を親兄弟のために使っています。

 

 

フィリピンの大学生がなぜ就職難なのか、その理由をまとめると

 

・1億の国民の人口に比べて国内産業が少ない

・フィリピンには雇用者側に有利な期間雇用の制度がある

・裕福層でなければ就職に有利な一流校へ通えない
社会人になってからこれだけの格差が生まれるフィリピン。
学生もそれを知っていますので、本当に一生懸命勉強しています。

 

(記事内の円表記は1ペソ=2.5円で計算)

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