フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

菜凪 仙台白百合女子大学
 
フィリピンのボランティアに参加しようと思った理由は、第一に大学の授業で世界の子どもの貧困(フィリピン)についてのDVDを観たからです。
 
 

元々、子どもの貧困についてはテレビCMだったり、街中の募金の呼びかけだったりで認知はしていました。
最近日本でも日本の子どもの貧困を支援するボランティア団体に参加し活動し始めました。
 
 

しかし、日本の子どもの貧困と海外の子どもの貧困は、同じ“貧困”でも内容が全く異なっており、海外の方は、学校に通えなかったり、十分な栄養を摂取できなかったり、幼い子供が働いて家庭を支えていたり、自分が当たり前だと思っていたことが全く当たり前ではなくて、調べれば調べるほど自分は本当に恵まれた環境で生まれて育てられてきたのだなと感じました。
 

そこで自分も何かお手伝いをして助けることができないかと考え参加しました。
 
 
 

第二に小学生の頃に国際交流をする機会があったり、高校生の頃には友好派遣団の一員としてベラルーシへ行かせていただき、子どもたちと沢山ふれ合う機会があったりして海外に興味を持ち、大学でもグローバル系の学科に入り勉強しています。
 
 

ただ話を聴いたり、映像を観たりするのも面白いけれど、やっぱり実際自分の目で世界中を観て観たいという思いが強く、ただ観光するのも良いけれど、何か学ぶことや今後の生活などでも生かせるようなことをしたく、ボランティアとしてフィリピンへ来ることを決めました。
 
 
 

フィリピンに来る前は子どもを接することが大好きなので現地の子どもたちとふれ合うことが一番の楽しみでした。
しかし、初日の山岳地域の訪問、スラムエリアの視察から自分が想像していた、または自分の知識を上回る現状に少し戸惑いを感じました。
 
 

ゴミがそこら中に落ちており、臭いもするし、海沿いのスラムに関してはゴミを捨てた海につながる大きな海で子どもたちが水遊びをしていました。
 

日本では考えられていないことがここではいつも通りの日常として考えられていました。
 
 

ゴミがそのまま放置されることで虫も沢山寄ってくるし、ガラスの破片が落ちていたらただでさえ靴を履いていない足をケガしてしまうし、ゴミが混ざった水を飲んでしまったら体調を崩してしまう(もしかすると命に関わるかもしれない)のに大人も子どもも何も問題がないかのように生活しているのは、彼らは昔からこのような環境のなかで暮らし、その環境が彼らの当たり前とされているからなのだと感じました。
 
 
 

毎日、様々な地域の子どもたちと交流してきましたが、場所によって子どもたちの性格だったり、遊びだったり、異なっていることも多く、色々な子どもとふれ合えて、どんなことをしたら喜んでもらえるか、笑ってもらえるかを考えるのがとても楽しかったです。
 
 

どの場所へ行っても子どもたちは皆幸せそうで、初めて会って間もないのにくっついてきてくれたり、手を繋いでくれたり、一生懸命名前を覚えようとしてくれて本当に貧困なのか不思議なくらい元気でした。
 

支援しに来たはずの自分が逆に沢山のパワーをもらいました。本当に、毎日子どもたちとお別れするのが辛かったです。
 
 
 

スラムの家庭訪問では自分が疑問に思っていたことを実際に彼らの口から直接聞くことができとても良い経験になりました。
 

どの家の子どもも、しっかりとした将来の夢を持っていてかっこ良かったです。
「どんな時に幸せだと感じるか?」という質問では、どの家庭も「家族がいれば毎日が幸せ」と答えていました。
 

家族思いで優しく、ほんの些細なことで幸せと感じられるフィリピンの人たちは本当に素敵だと思います。
フィリピン人が幸せを感じることを当たり前だと思っていた自分を恥ずかしく思いました。
 

他にも家のことだけでなく、フィリピンや地域についても沢山お話ししていただきとても感謝しています。
 
 
 

日本にいる家族や友人にセブでボランティアをすることを話した時、
「楽しんで来てね」
「スラムとか大丈夫なの?」
と多く声をかけられました。
 
 

私もボランティアに来る前はそうでしたが、セブ島といえば綺麗な海、スラムといえば危険な地域、というイメージを持っている人がほとんどだと思います。
 

帰国したら真っ先にセブ島の現状だったり、毎日みんなが幸せに暮らしているということを伝えたいです。
 
 
 

今回このボランティアに参加したことによってフィリピンについて学ぶこともできたと同時に、日本がいかに恵まれているのか改めて実感できました。
 

約1週間の人との出会いや生活、感じたことを忘れず、また日本での生活をスタートしようと思います。
 
 

また、自分の英語の乏しさも改めて実感したのでもっと勉強を頑張ろうというモチベーションにもつながりました。
 

思ったことを全て口にしたりうまく文章にするのはできませんが、セブのボランティアに参加して良かったと心の底から思います。
 
 

自分の考えや知識を深めてから、また参加したいです。

 
 
 

2018年8月30日~9月5日