フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

那奈 明王大学 3年
 
セブ島でのボランティアに参加しようと思ったきっかけは、学校で教わった発展途上国の現状が本当に正しいのか自分の目で確かめて見たかったということと、JICA協力隊を進路として検討するにあたって、応募する前に発展途上国の現状を自分で見ておくべきだと考えたからである。
 
ボランティア初日、山岳地帯と海岸付近のスラムに行った。
スラムに住んでいる人は貧しくて幸せではないと勝手に思い込んでいたが、子供たちの元気な姿をみて、彼ら自身が感じる幸福度と私たちが主観的に思っている幸福度には大きな差があるように感じた。
 
元気そうに見えた子供たちだったが、住んでいる環境はやはり改善すべき点が多くあると感じた。
 
 
こどもたちが安全に遊べるスペースは限られており、足場もとても悪かった。
医療が十分に受けられない場所では、些細な怪我が致命傷になることもあるため、そうならないための環境の整備のための援助は重要であると感じた。
 
 
また、子供たちは体を動かすことが好きな子が多いようだった。
運動能力も高いと感じたため、もっと多くのスポーツを知って欲しいと思ったし、教えてくれる場が増えることでスポーツを職にすることもできるのではないかと感じた。
 
 
家庭訪問の際に、全ての家庭で幸福度について聞いた。
子供と大人では回答が異なると予想していたが、回答に差はなく平均して80%くらいを答える人が多かった。
 
彼らは住む場所や貧しさを幸せの基準としておらず、家族と居られることや生きていられることが幸せの基準となっているのだとわかった。
 
さらに、怖いものは何かと尋ねると、死ぬことと答える人が多かった。
日本では今日が終われば明日が来ることが当たり前だが、彼らにとってはいつ死ぬかわからない状況であり、自分が死ぬことによって残された家族が困ってしまうというようなことまで考えており、改めて毎日必死に生きているということが伝わってきた。
 
日本とはまったく違う価値観だと感じた。
 
それと同時に、私たちちが主観的に見た問題点を改善していくのではなく、彼らが本当に必要だと感じているものはなにかを聞いた上での支援が最も意味のある支援であると感じた。
 
 
3日目のゴミ山がとても衝撃的だった。
 
教科書やニュースで見ていたものよりも何倍も酷かったと感じた。

 
 
2022年8月
 
 

 
 

 
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