フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

雄大 明治大学3年

今回のボランティア活動で、常に考えていたのは「豊かさ」とは何だろうかということでした。

一般的には、お金を持っていなかれば貧しいという考えだと思うけれど、スラムの子供たちは、日本の子供たちより活気があり、笑顔が多く、そんな姿を見ると一概に彼らを貧しい人とすることは出来ないと感じました。

しかし、スラムの子供たちには、明らかに欠けているものがありました。

それは、人生の選択肢の多さだと思います。

私たち日本人は、子供の時から多くの選択肢を持っていました。
学校に行く、スポーツをする、塾に行く、就職をするなどの自分の行動を自分で決定することが出来ます。

でも、スラムの子供は違います。
生まれた時からスラムで育ち、親の仕事の手伝いで一日を過ごします。

学校にも行くことが出来ないなど、行動が既に決定されていて、他の選択肢を持つことが出来ないなど現状を見ることが出来ました。

私は「豊かさ」かどうかはこの「選択肢の多さ」が決めるのだという自分なりの考えを持ちました。

選択肢を多くするために必要なのが、しっかりとした教育だと思います。

生活費を確保するために子供まで親の手伝いをするような現状では、教育を全ての子供に与えることは難しいと思います。
まずは、各家庭が生活費を確保できるように雇用の機会をもたらし、大人に職を与えることが必要だと考えました。

今回のボランティア活動で印象的だった二つのことがあります。

一つ目に、大人と子供のギャップです。
墓地スラムを訪問した際、子供達はみな元気で明るかったのに対し、暗い表情で我が子を見守る大人がいたことが目に止まりました。

それは、どのスラムも同じで、目に明かりが無い大人が多くいました。

子供のうちは将来のことなど考える余裕は無く、大人になるにつれて、将来を考えた時に、現実を味わって行くのだろうと思い、子供の弾ける笑顔もいつかは無くなってしまうのかと思うと、胸が苦しくなりました。

二つ目に、川の上のスラムの家庭訪問の際に、「もし何でも願いが叶うなら、何をしたいか」という願いと訪ねると「家が欲しい」と答えたことです。

ポリスやフライトアテンダントなど将来の夢も語ってくれたけど、行き着く先はやはり家を持って、家族に楽な暮らしをさせてあげたいという願いはどの子供でも同じなのだろうと感じました。

今回の滞在を経て、自分たちがいかに恵まれた人生を送ってきたかを実感することが出来ました。

私は将来社会に出て、フィリピンの国民全員が、笑顔で様々な選択肢を持てるような社会を必ず作りたいです。

2023年2月

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