ゆら 同志社女子大学1年

グローリアセブのボランティアに参加して一番驚いたことはフィリピンの子たちはどんな時でも明るいことです。

フィリピンに来るまでは、スラムの子たちはご飯も満足に食べることが出来ず、痩せていて、学校にも行けずに路上で物売りをしているというイメージでした。

でも、実際にスラムを目にしてみると、学校に行っている子もいるし、やせ細っている子はあまりいなかったし、物売りも少なく、みんな楽しそうに遊んで笑って過ごしていて、自分の持っていた固定観念が大きく覆されました。

食べ物も、クッキーなどが床に落ちていたのですがそれに見向きもせず、食料にはあまり困っては居ないのかな?という印象でした。

スラムの子がかわいそう、という印象はメディアの影響もあると考えていて、例えばテレビなどでは、スラムの子が笑って過ごしている様子はあまり報道されず、スラムの子が栄養失調で亡くなったことや路上で物売りをしている様子などがよく見られ、そのせいでスラムの子は自分たちとは違って苦しい生活を強いられているというイメージが付いてしまうのかなと感じました。

メディアの情報を鵜呑みにせずに自分の目で確かめることが大切だな、と改めて思い知らされた1週間でした。

実際のフィリピンのスラムの人たちはすれ違えば挨拶をしてくれて、にこにこ笑っていて、絶望などは一切見せずに未来に前向きで、子どもたちは日本の子よりも活発でフレンドリーで、かわいそうだなんて一切思わせないほどに今を楽しんでいて、私も一瞬一瞬を大切に明るく過ごしていきたいと心から思いました。

 

私は、日本で小学生と一緒に遊ぶボランティアをしているのですが、グローリアセブのボランティアに参加しようと思った時に、

・日本の子どもとフィリピンの子どもはどう違うのか、それとも変わらないのか。

・日本で私がしてきた子どもとの接し方、盛り上げ方は日本以外の国でも通じるのか。

を確かめてみたいという思いがありました。

1週間フィリピンの子どもと接してみて分かったことは、日本の子どももフィリピンの子どもも根本的には変わらないということです。

コミュニケーションやボディタッチの多さで仲の良さは上がるし、目の前の楽しいことに全力で、楽しいことを見つけると独り占めしたくもなり、時にはケンカもするし泣きもするけど、また笑顔になる。

その点はどの国でも変わらないのだなと感じました。

ただ、フィリピンの子は日本の子よりも泣いている子が明らかに少ないことに驚きました。

泣いていても少しすると泣き止んでいたりして、こけても泣かない、叩かれても余程本気じゃない限りは笑っている。

これは、泣いてもどうにもならない環境に日々置かれていることも関係しているのかなと思いました。

日本なら泣けばどうにかなると思っている子は多いし、どうしても泣いている子を見ると放っておけず構ってしまうけど、フィリピンでは泣いたところで問題は解決しないし、それなら楽しくいようと思っている人が多い気がします。

どうしてフィリピンの人は歌って踊るのかと質問してみた時も、「フィリピンには問題が多いから、歌って踊って忘れるんだ」とほとんどの人が同じ回答をしていて、悲しんでいても仕方がないと考えている人が多いのかなと感じました。

それは日本でも同じことが言えると思うので、私も悲しいことを引きずらずに楽しみたいと思いました。

ひとつ、フィリピンの人たちと関わる上で困ったことが言語の壁です。

英語があればなんとかなるとフィリピンに来るまでは思っていたのですが、想像よりもビサヤ語を話している人が多くて、スラムなどでは子どもたちが言っていることを理解できないときが多くありました。

日本で私が子どもたちと関わる上で最も大切にしていることが、「自分が1番楽しむこと」なのですが、フィリピンでは言葉が分からずどうしていいか迷ってしまい、積極的に自分から活動に参加できなかったし、子どもたちの会話にしっかりとレスポンスが出来なかったことが悔しかったです。

ただ、言葉が通じなくても身振り手振りでどうにかコミュニケーションは取れたし、子ども達が積極的に話しかけてくれた事が救いで、言葉が無くても心は通じ合えることを実感しました。

 

私はこの活動を通して、

・フィリピンの人たちはどんな時でも明るく元気に目の前の一瞬を全力で楽しんでいること

・スラムに住んでいるからといって一概にかわいそうだとは言えないこと

・フィリピンの子どもたちと日本の子どもたちに大きく違いはないこと。

・言葉が伝わらなくてもコミュニケーションは取れること、言葉が伝わるともっとお互いを知ることができること

などを学びました。

ただ、私がフィリピンで過ごしたのはたった1週間でまだ外野から見ている感じは否めず、スラムやゴミ山を見ると自分とは違うとどうしても思ってしまうし、どこかで無意識に一線を引いてしまっている自分が怖くもなり、もっと深く関わればまた違う感想が生まれてくるのだろうなとも感じました。

 

フィリピンの子どもたち、スラムの人たちに何が出来るのか自分にはまだ想像ができないけれど、今回の活動で見たこと、経験したこと、得た衝撃などを忘れずに、自分が将来深く関わるであろう日本での教育現場にも活かして行きたいと思います。

2025.09.03

 

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