フィリピンからゴミ山をなくす政府方針
2020年までにフィリピンからスラムをなくすと言う政府の方針に基づき、国内のゴミ山は順次閉鎖され宅地や商業地開発が進められています。
しかし、問題はスラムをなくすことが貧困をなくすことにはつながらない点。
ゴミ山に住み生計を立てていたスカベンジャーは生活苦に追い込まれています。
政府が管理するゴミ山と私有地の違い
ゴミ山と呼ばれるごみの集積場は政府が管理している場所と個人が経営するふたつに大別されます。
セブには政府管理の集積場が2か所、プライベートと呼ばれる個人または企業が経営する集積場は複数個所存在しています。
政府が管理している集積場には事務所が設置され職員が常駐。
ゴミを運ぶ収集車は役場のトラックに限られています。
スカベンジャーは非公認ですが行政からは居住を黙認され、住民と政府職員とのミーティングも定期的に実施されています。
スカベンジャーの居住費は無料。
一方、個人や企業が経営するゴミ山も存在します。
収益のために経営している集積場はゴミ収集業者から一回1,500円などの料金を徴収しゴミ捨てを許可しています。
住人からも一定の費用を徴収します。
ゴミ山を管理する管理人が居住し業者や住人との折衝を行いますが、問題は安全や環境についての責任がないこと。
ひとたび火事になったり、ゴミ山が崩落して子どもが事故に遭った場合でも、管理人や経営者は責任は負いません。
2020年までにゴミ山を閉鎖
フィリピンからゴミ山をなくす活動は次第に強化され、まずは行政が管理するゴミ山への立ち入り禁止、スカベンジャーの移住が進められています。
跡地は公共施設や緑地開発など、セブのイメージアップと環境保全を目的とした開発が進められる予定。
私有地のゴミ集積場も2020年までに順次閉鎖され、その後は経営者の意向によってタワーマンションやショッピングモールが建設される予定です。
ゴミ山が市街地から姿を消すことは環境的には良いのですが、問題は見た目だけを改善しようとする場当たり的な政府政策のため、ゴミ拾いで生計を立てていたスカベンジャーの暮らしが困窮し、犯罪増加や他の地区の環境悪化につながりかねない点です。
スカベンジャーはゴミ拾いでしか生きていく術を知りません。
家賃を払って家を借りれるわけもなく、別のゴミ山を転々としながらゴミ拾いをはじめます。
捨てられたゴミはどこへ行く
セブでは1日600トンものゴミが出されています。
フィリピンにはゴミのリサイクル技術がないため、捨てられたゴミは集積場へ運ばれそのままの状態で放置される。
市街地の集積場が閉鎖されればゴミは人気のない山に運ばれ捨てられるか、平野部に捨てられゴミの上から土を被せ見えないように放置されるかのどちらか。
いずれも一時的、場当たり的な対応で環境保全にはつながりません。
ゴミ問題の先延ばし。
途上国フィリピンでは政府の対策もこのような有様ですので、日本をはじめ海外のゴミ処理技術が早急に求められています。
また、身近にできることは
ゴミのポイ捨てを止める
家庭ごみの分別を徹底する
これだけでも環境問題の解決に大きく寄与します。
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