フィリピンの医療と子どもの健康問題

衛生環境の悪さが及ぼす途上国の死因

フィリピン人の三大死因は心疾患、血管系疾患、そして悪性ウイルス。

 
 
健康や環境問題への取り組みが遅れているフィリピンでは大気汚染や水質汚染など衛生環境の悪さに起因する疾病が多い。
 
国民の平均寿命は68歳、
特に免疫を持たない子どもの死亡率が東南アジアで一番高い国。

 
 
看護師不足や保険制度の問題などフィリピンの医療、病院、そして保険について解説します。

海外での仕事を求める看護師

フィリピンの街を歩くと白衣を着た大学生を多く目にします。
 
フィリピンでは大学生も制服が決まっていて、看護師や医師を目指す学生は白衣を着ています。
 
 

温厚でホスピタリティ溢れるフィリピン人には看護や介護の職業が適しています。
困っている人やお年寄り、体の不自由な方、そして子どもヘの思いやりは世界でもトップクラス。
 
 

しかし賃金や待遇などが良いとは言えず、国家試験に合格しても国内では働かず海外に出てしまうケースが多い。
 
人口千人当たりの看護師は約4人
看護師不足が社会問題になっています。

 

 

海外に出稼ぎに行くフィリピン人の多くの職業が看護や介護、そして保育。
欧米をはじめ世界120か国以上でフィリピン人看護師が活躍しています。

 

年間で1万5千人もの医療従事者が海外に流出していると言われています。

フィリピンの看護師

家族を養うために海外で働くフィリピン人

国内には産業が少なく賃金も安いため外資を稼がざるを得ないフィリピンでは、大学生の多くが海外に出て仕事をすることを目指しています。

 

人の面倒見が良く、英語が話せるフィリピン人は看護や医療の分野に留まらず海外での需要が高く、フィリピンのGDP 国民総生産の10%もが海外からの送金、つまり国民の出稼ぎによる収入なんです。
 
 

英語が話せる
穏やかでホスピタリティ溢れる性格
人件費が安い

 

海外からフィリピン人が引く手あまたな理由です。

総合病院はショッピングモール形式

フィリピンの総合病院の一般外来は病院が個人の医師に場所を貸して医師が個人開業している形式。

 

院内の各部屋にはテナントのように個人の医師が入り診療時間は各医師に任されています。

 

大学で講義をしたり他の病院でも診療を行っている医師は診療時間が午前中だけ、または2時間だけなどマチマチ。
 
 

総合病院には外来患者のための受け付けもありますが、例えば外科なら〇〇〇号室の〇〇先生、と案内されるだけで患者はそこに行き受診の手続きを行います。
 
レントゲンなどの検査室や入院用の部屋などは共用施設を使用します。

 
 
医療費の支払いは診察費用は担当医師へ、検査費用は共用の窓口で、薬代は薬局と別々の窓口で支払います。

 
 
病院の医療費は高額で診察料は1回数千円。
入院ともなれば数万円に及びます。

 

貧困にはとんでもなく高額な医療費で、具合が悪くても病院に行くことはできません。

フィリピンの病院

フィリピンの医療保健制度の問題

フィリピンにはPhilHealthと言う公的医療保険制度とSSSと呼ばれる公的年金制度があります。

 

法律では国民皆保険なのですが生活に困窮する貧困層は無保険の状態で年金加入者は国民の約3割。

 

医療保険のPhilHealthは入院患者が対象で通院の場合は適用されません。
 
 

60歳以下で月1,000ペソ以上の収入がある国民に義務付けられている年金制度は疾病や障害もカバーされます。
しかし、収入が不定期な貧困層は加入義務はありません。

 
 
医療保険も年金制度も結局はある程度の生活水準に達している国民のための制度で、保険料が払えない困窮している貧困層はその恩恵を受けることはできていません。

 

 

貧困家庭の子どもや乳幼児は栄養失調や感染症、ケガをする場合が多く、役場ではヘルスセンターが併設されボランティアワーカーが無料で診断や医療アドバイスを行っています。
 
しかし2床ほどのベッドとひとりの医師、無料で処方される薬は限られる。

 

 

スラム地区の子どもの死因の一番は下痢です。

途上国の医療と健康問題を知るボランティア

大学の保健学科で学び、将来看護や医療の仕事を目指している学生が途上国のボランティアに参加するケースが目立っています。

 

途上国の医療や看護の現状やルール、そして国民に求められている看護など途上国の現実を知ることで将来に役立てるのが目的。

 

許認可の問題で日本の大学生が海外の病院や看護施設で働くことはできませんが、ボランティアに参加して途上国の社会のしくみや貧困の現実を知るだけでも将来に十分に役立つ情報を得ることができます。
 
 

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