ほのか 同社大学2年

私はこれまで見聞きしてきた貧困や経済格差の現状を自分の目で確かめたいと思い、リゾート地としての 輝かしい側面と深刻な格差社会である側面の両方を持つフィリピン・セブ島での活動を決めました。

7日間セブシティを巡り、栄えている場所でも一本路地を入ればスラム街が存在する街並みや乱雑に絡んだ電線、今にも崩壊しそうな建物、悪臭、野犬…と自国では想像できなかった些細な発見がありました。

来島前 は、都市部と貧困地区は区分されていると思っていましたが、実際には混在していて、街の様子が転々と移り変わっていくことに驚き、人々の生活水準の違いが現れているように感じました。

スラム街訪問では、たくましく生きる子どもたちの優しさ、強さに毎日心を動かされました。

子どもたちと 話していると、多くの子どもたちが「家族や兄弟、友達と一緒にいれることが幸せ」と言っていて、環境に よって与えられる幸せではなく自分の中で幸せを創出している子どもたちに自分の考えを改めさせられまし た。

特に、「今の生活に満足していますか?」という質問に「困難はあるけど、一生懸命生きていかなければならない。」と答えてくれた1日200 ~ 300ペソの収入で生活する家族の言葉は強く印象に残っています。

きっと必要な物、願望を挙げるときりがないはずなのに、どうしてすぐにyesと答えられるのだろうと この言葉から考える機会になりました。

多くの問題がある中でも深刻だと思ったのがゴミの問題です。

人々はゴミを拾ったり、集めて捨てたりすることに全く無頓着で、道端には当たり前にゴミが落ちているのが気になりました。

これらは、景観破壊や悪臭の原因になり、衛生面も改善しません。

ゴミの投棄が生じる原因には、人々の意識と未熟なゴミ収集システムにあると考えます。

1週間で設定した課題を持ち帰り、自分で掘り下げていきたいと思います。

もう一つの課題として、今回のボランティアを経て、子どもたちとの向き合い方に葛藤したり悩んだりすることもありました。

私の中で貧困の人々は「かわいそうな人、助けてあげないといけない人」と無意識のうちに認識していたのかもしれません。

しかし、今回、実際に現地を訪れ、人々と接する中で、良い意味で対等の目線に立つことができました。

子どもたちとのアクティビティを振り返り、あえて厳しい見方をすると、私は与え、与えられる関係の行動をとってしまっているのではないかと活動中に思うことがありまし た。

なぜなら、私は子どもたちに同情してしまって、教育の立場から見ると「叱る」ということをできなかったからです。

その点で悩み、調べているとグローリアセブのサイトで「他人に依存する国民性」について書かれているのを見ました。

子どもたちとただ楽しむことが今回のボランティア活動の目的なら、私は少し外れたことを考えてしまっているのかもしれませんが、私は今回の活動を「過酷な状況ながらも明るくて生きる子どもたちと遊んで元気を貰った」という綺麗なまとめで終わりたくはありません。

本当の支援は、人々の自立心を自発的に生み出すことだと思います。

正直なところ、私の中でもまだまだ考えがまとまっていませんが、子どもたちが負の連鎖を脱するための教育をするには自分はどう行動するべきかを考えるきっ かけになりました。

今後、この経験を生かして大学でアジア経済の勉強をし、本質的な支援について自分なりに考えていきたい です。

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