貧しい人が職業を選択できない理由は学歴の問題

貧しい人に職業選択の余地はない

経済が急速に発展しているフィリピンでは、インフラ、IT、教育など、多くの分野で人手不足の状況が続いています。
 

国民の人口は1億人。
 
でも、その中には貧困層を中心に、仕事がなくて困っている人が大勢います。

 
 

この記事では、フィリピンの就労事情を説明しながら、貧しい人たちが貧困から抜け出せない理由を解説します。

 

グローリアセブは、フィリピンの貧困問題に取り組んでいるボランティア団体です。

 
 

結論から先に言いますと、貧困層が職業を選べない理由は、「資格」「能力」「学歴」「蓄え」の、いづれも持っていないからです。
 
 

この記事でわかること

・フィリピンの職業別従事者の割合と所得
・貧困層が仕事を選べない理由
・政府の貧困削減政策

 

フィリピン人の就労状況

はじめに、フィリピンではどんな仕事にどの位の人たちが就いているのかを理解していただくために、フィリピン統計局 Philippine Statistics Authorityの調査結果(2019年)を見てください。

 

職業のカテゴリーは10の大分類に分けられています。
 
グラフは、カテゴリーを全就業者の中でその職に就いている人の順に並べたものです。
 
フィリピンの就労状況
 

1 単純肉体労働者 27.6%
2 サービス職および販売員 18.8%
3 農業、漁業、林業の従事者 12.0%
4 企業、行政組織、団体などにおける管理職、経営者など 11.0%
5 機械の製造や、金属、木工技術などを持った専門技術者  7.7%
6 産業機械のオペレーター 7.3%
7 一般的な事務員 5.8%
8 学術や芸術などの専門家(先生と呼ばれるような人たち) 5.4%
9 技術者および準専門家 4.2%
10軍隊および軍事施設の従業者 0.3%

 
 

ゴミ山で働く人や、港や市場でポーターをしている人など、貧困層の従事者の比率が高い、単純肉体労働者のカテゴリーが1位になっています。
 
 
労働者の階級

・賃金労働者 63.4%
・個人の自営業 27.3%

 

勤め人と言われる人は賃金労働者。

自営業には、路上で物売りをしたり、行商をしている貧困層が含まれます。

 

ちにみに、日本の自営業者率は11.9%です。
国際労働機関 ILO調べ(2011年)

 
 

15才以上の就職率は94.6%と高いのですが、内訳を見るとパートタイムや日雇いが32%も占めています。

 
 
これらの調査結果から大づかみにまとめると、フィリピンでは、なんらかの仕事に就いている人は多いが、就労者の3割前後は、日雇いや臨時雇用、アルバイトの単純労働者と言うことがわかります。
 
フィリピンの医者

平均の月給は2万円~2.5万円

全体の平均月収が2万円~2.5万円と言う中で、ITやデザイン、専門技術者や機械のオペレーター、また、会計士、弁護士 教師と言った専門職の月収は5~10万円。 

 
大多数を占めている単純肉体労働者の賃金は、平均すると1万円前後と推測されます。 

 

能力のあるひと、資格を持っているひとは、企業などから引く手あまた。

先生、情報技術者、医師、弁護士などは、独立しても十分な報酬を稼ぎます。

 
 

また、海外に出て働くことも可能。

海外で働くフィリピン人(OFW)の数は230万人。(2019年現在)

国内の15才以上の労働者が4,370万人ですので、約5%に相当します。

 

男性はITやコンピュータの技術者で、主に欧米。

女性は介護、看護、ベビーシッターなどの仕事で、中東やアジアで働いています。

 

海外で就労することができれば、国内より稼ぎが良く、得た報酬を国内の家族へ仕送りします。
 
その額は、フィリピンのGDPの10%も占めています。
 
フィリピンのゴミ山

貧困層が仕事を選べない理由

需要はあっても、貧しい人たちが時代の波に乗れない理由は4つ。
 
資格、技術、学歴、そして蓄えの、いづれも持っていたいためです。

 
 

貧困層でもできそうな仕事はあります。
 
例えば男性なら、自動車整備や電気技師、修理工など。
女性ならヘルパーや家政婦。

 

勤め人ではありませんが、月に20日ほど働けば、2万円近い報酬を得るとこは可能。
 
 

しかし、定期収入を得るためには免許や資格が必要になります。
 
資格を得るためには、職業訓練校で3週間、技術を学びますが、授業料は約15,000円。

その期間の収入もゼロになります。
 
 

自営業の道もあります。
 
スモールビジネスと言って、少額の資金でお店を開いたり、請負作業をして報酬を得たり。
 
しかし、貧困層は、十分な教育を受けていないため、知恵や知識に乏しく、また自己資金もありませんので、新しい仕事の開発やチャレンジができません。

 

技術も、蓄えも、アイデアもなければ、親がやっていた仕事をそのまま引き継ぐしかない。
 
 

親がゴミ山でスカベンジャーをしていればスカベンジャーに。
回収した廃品をジャンクショップに売って生計を立てていけば、同じ仕事に。
 

単純肉体労働の自営業です。

 
 

ゴミ山のスカベンジャーは月に8000円ほど稼いでいます。
 

まずまずの収入がある、と思った人もいるかもしれませんが、プラゴミ問題などもあり、捨てられるゴミは減少傾向。
 
会社勤めなら、昇給やボーナスがありますが、そんなものはない。
 
それよりも、いつゴミ山がなくなり、仕事が奪われてしまうかわからない状況です。

 
 
それでも、他の職業で稼ぐ術は知りませんし、お金がないからチャレンジもできない。

スカベンジャーの家族は、子どもも孫も、ずっと同じ仕事を続けていきます。

 
 
1年後、2年後、収入が減ることはあっても増えることはありません。
でも、資格も技術も、知識もないから、職業を変えることはできません。
 
フィリピン人

フィリピン政府の取り組み

増え続ける生活困窮者に対して、国は2000年頃から支援政策に力を入れています。
 

政府の貧困援助政策の柱は、貧困者の雇用創出。
経済発展を成し遂げつつ貧困を削減するPro-Poorと言うプログラムです。

 

起業家の支援や農業ビジネスの開発
能力向上プログラムの提供

 

また、経済活動についてのセーフティネットとして、食糧や米の無償支給、電気代の援助など毎日の暮らしの支援策など。

 
 

政府も、貧困撲滅のために力を入れていますが、まだまだ道半ば。

数字的には経済成長しているフィリピンですが、貧困撲滅はこれから何十年とかかるでしょう。

 

でも、前進するとこは大切。
 
 

フィリピンから貧困を少なくするためには、国内だけではなく、海外の政府や、ボランティア団体の草の根的な支援も重要な役割を担います。
 
 

世界で一番、フィリピンを支援しているのは、わたしたちの国、日本と日本人です。
 
 
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