セブのボランティア

自分の価値観を変えたフィリピン セブの一か月

まなみ 関西学院大学

 
 
グローリアセブのボランティアに参加したきっかけは、たまたまインターネットで見つけたことにあります。
 
元々春休みに出来るインターンを探していてその中でも特に海外インターンには興味がありました。
 
来年の就活を迎えるにあたって職種なども全く決まっていなかったので、自分のしたいことを調べるためにも興味のもったことをやってみようということで、セブのことは何も知らずに応募しました。

 
 
来る前にバイト先の先輩にセブでボランティアに行くことを言うと、セブにボランティアする所はあるのかと聞かれました。
 
その時は特に何も思わなかったのですが来てみて現状を知った今、この言葉が残っています。
 
以前の私も含め、多くの日本人はフィリピンやセブのことを知らなさすぎると感じました。

セブのボランティア

安心した暮らしが確保できない貧困層の生活環境

スラムのイメージとして、まずは暗い、怖いなど持っていましたし、危なくて近寄ってはいけない場所だとも思っていました。
 
フィリピンに来たことはなかったけど、フィリピン=危ない場所というイメージもついていました。
 
 
しかし、実際私たちが訪れたスラム街の雰囲気はどこも明るく、元気で、皆で集まったりしていることが多く、仲良しだなという印象でした。

 

 

訪問させてもらった家はどこも、木材メインで建てられているような感じで、一畳ほどしかない小さな部屋を家族皆で使い、寝るスペースがどこにあるのかと思うほどでした。
 
部屋にはスピーカー以外の家具や家電もほとんどなく、服は山積みになっているか袋に入れたものを壁に吊り下げていました。
 
 
家庭訪問の際に一番の問題を聞いた時、お金の問題もありましたが火事や洪水などの居住に関する答えが多く、安心して暮らしていけない状況であることを知りました。

フィリピン女性の働きぶりに驚いた

仕事に関しては、収入源は主に母親であるということと収入が不安定という印象が強かったです。
 
ミヤの家の場合、お母さんは週6でハウスキーパーとして住み込みで働いているのに、朝は5時半に帰ってきてミヤのお弁当を作っていると聞いた時、本当にびっくりしたし、フィリピンの女性のタフさを感じました。
 

子供を産み、子育てや仕事までの全てをしていて、女性の比重が多すぎて自分なら無理かなと思う面がたくさんありました。

 
 
収入の面では売れた分だけが収入になる出来高制が多く、収入が全く安定していないということです。
 
週や月にどれくらい稼げるのか分からないと1日にいくら使えるのか、どうやって暮らしていくのかなど全く分からない状態にある家もありました。

 
 

ロレガを訪れた時に訪問させてもらった家では旦那さんがすでに亡くなっていて、お母さんが料理を作って売って生計を立てている家でした。
 
一番の問題として安定したお金が稼げないということでした。

 
 
また、お母さんの願いとして歳の一番下の子供を学校に行かせてあげたいとおっしゃっていました。
 
その時のお母さんの顔が悲しそうに見え、学校に行きたくても行けないという状況を初めて生で見てこういった家族が何人もいると思うと胸がしめつけられました。

セブのボランティア

ゴミの中でも明るい子どもたちからもらった元気

そんな中でのフィリピン人の娯楽は音楽やギャンブルにあると思いました。

どこに行っても音楽がガンガン流れていたりカラオケをしたり、ダンスをしたり、ビンゴやビリヤード、カードゲームをしていて楽しそうに過ごしている印象もありました。
 
特に男性は昼間から何もすることがなくてほとんどがフラフラとしている印象でした。
 
 
私が生活環境の中で一番気になったのはゴミでした。

最初に訪れた水辺のスラムでは、水辺にたくさんのゴミが溢れていて子どもたちが食べた後のゴミをその辺に捨てているのを見た時にはびっくりしました。
 
それが、スラムエリアでのゴミの回収がないと知った時、増え続けるしかないゴミをどうにかならないのかと考えていました。

 
 
初めてゴミ山を訪れた際には想像以上のゴミの山や臭いに本当にびっくりしましたし、こんな所に人が住めるのかと思いました。
 
そんなゴミの中でも元気で明るくて笑顔の子どもたちを見て、私はただ元気を貰うことしか出来なかったです。
 
最後に訪れた時には、来週までに本当に強制退去するのかな思うほど普段と変わらない子どもたちを見て私が寂しさで泣きそうでした。
 
セブのボランティア

純粋なフィリピンの子どもに感激

フィリピンの子どもたちの印象はたくさんあります。
 
明るくて元気
思いやりがあって優しい

純粋

人懐っこい

家族思い
 
 

初めて子どもに会った時から印象はとりあえず元気、そして明るくて笑顔という印象でした。こっちから話かけなくても話かけてくれるし、外国人である私たちに全く警戒せず、手を繋いでくれて一緒に遊んでくれました。

 
 
思いやりについては色んな所で見ることが出来ました。
例えば一緒に遊ぶ時も必ず遊び方を教えてくれたり、自分のお菓子を分けてくれたり、私が教えて作った折り紙をくれたり、追いかけっこの時は私の体調や水分補給まで気にしてくれる子がいて感激することばかりでした。

 
小さい子は一生懸命ビサヤ語で話しかけてくれて私に何かを伝えようとしてくれました。
 
 
子どもたちの日々の優しさが私にとってすごく嬉しかったし、自分より小さい子に優しくされた経験は日本でほとんどなかったので感動しました。

 
 
純粋さは私たちがアクティビティを行う際に特に感じられました。
 
紙芝居や手遊びのようなアクティビティの時に全員が聞いてくれたし、好奇心旺盛で私たちがする色々なことに興味を示してくれました。

 
 
日本の場合、小学生高学年ぐらいの年頃になると思春期で皆と何かをする事がかっこ悪いとか恥ずかしいとかで、きちんとやらない子が多いように感じます。

実際、私が小学校の時もそのようなことが起こっていました。
 
でもフィリピンの子どもたちは受け入れてくれて、おもしろかったよと感想をくれる子達もいて、考えたアクティビティもやりがいがありました。

 

これはフィリピンの子どもたちが純粋であり、素直な子どもたちが多いからなのかなと思いました。
 
 
山の学校の教室に貼られていた紙に「Honesty is the best policy」と書かれていて、素敵だなと思いました。

家族思いの子どもたちから学んだ幸せ

人懐っこいところは国民性が関係あるのかもしれませんが、フィリピンの子たちは誰にでも懐くと感じました。
 
会ってすぐに手を繋いでくれ、すぐに名前を聞いて一緒に遊ぼうと誘ってくれたり、まるで前からの友達のように接してくれました。

 

毎週、毎週人が入れ替わっているけど、そんなことは関係なく、どの週も変わりはなかったように感じます。

先週遊んだ人の名前を憶えていて、「どこにいるの?」と聞いてくれる子もすごく多かったです。
 
たった1日、2時間ぐいしか遊んでいないのに名前を憶たり、毎週楽しみにしてくれていて人の温かさを感じることが出来ました。

 
 
家族愛についてもたくさんのシチュエーションがありました。

まず、どの子達も弟妹の面倒は上の子達がみていました。
 
中にはまだ幼稚園か小学校低学年くらいの子が赤ちゃんを抱っこしていて、文句も言わずつご飯を分けていました。
 
また、ゴミ山を訪れた際には家族のためにご飯を持ち帰る子が多くいました。

 
 
お腹いっぱいになっていないだろうと思われる中で、自分の欲求も満たされていないのに人を思いやれる心がフィリピンの子どもたちには会って、自分よりひと回り以上幼い子どもたちから学ぶことがたくさんありました。

 

ミヤの家の家庭訪問をした際の質問で、「いつが一番幸せか」という質問に「家族皆といられる時」とミヤが迷わず答えた時には、家族愛をすごく感じました。

 

 

子どもたちの夢に関しては、特に「先生」が人気であり、最も身近で憧れの職業であると感じました。

そしてどの子にも夢があり、希望に満ち溢れていました。
 
警察官や店員、エンジニア関係。
トラベラーになって日本の桜を見てみたいと言ってくれた子や日本でCAになりたいと言ってくれた子、
高校生の子と話をした時には日本に行ってみたいと言ってくれました。
 
どの子もその夢に向かって勉強を頑張っていて、学校に行けることを喜んでいるようでした。

 
 
将来何をしたいのかまだ明確に決まっていなかった私にとって羨ましくも感じましたし、自分は選べる選択肢がたくさんあるという環境に有り難さと幸せを感じることが出来ました。

セブのボランティア

とにかく女性が頑張っていた

女性社会
キリスト教
格差社会
 
一か月を過ごしている中で気づいたことです。

 
 
女性社会は、貧困層の生活環境でもあったように女性が主に働いていて、男性は何もしていないか遊んでいるという感じでした。
 
特にスラムでは女性は料理を作って売っていたり、洗濯をしている中で男性はバスケやギャンブル、ただぼーっとしている人も多く見られました。

 

街中でも同じようなことがありました。

例えばスーパーでレジに立っているのはほとんど女性であり、男性は荷物持ちとして呼ばれていたり、掃除などの雑用的な業務をしているように感じました。
 
ショッピングモールでも女性店員が多く、男性店員は荷物を袋に入れる作業や裏方の作業ばかりをしていてレジやカスタマーサービスなどの店の顔となる場所にはほとんどいない印象でした。
 
スラム街でも日々の暮らしでも女性社会であることを感じられたように思います。

 

 
ふたつめはキリスト教、主にカトリックであるということです。
 
アクティビティやご飯を食べる前のお祈りやロレガで踊った曲は、神への歌が多く、子どもたちは皆、歌を知っていたし、ネックレスをつけている子もたくさんいて、小さいのに宗教のことをきちんと分かっているのだなと感じました。

 
 
特に印象的だったエピソードはロレガで会った7歳くらいの男の子にクリスチャンかカトリックなのか聞かれて、「違う」と答えたら、「なぜ?」と返ってきました。
 
その時、私はきちんと自分の宗教について答えることが出来ませんでした。
 
こんな小さい子でも自分の信仰している宗教について理解しているのかとびっくりしました。

 

私が小学生の時は日本人だからなのか、自分は何を信仰しているかなんて考えたこともありませんでしたし、今でも特に気にしたこともなかったです。
 
こんなに小さい子どもでも理解しているからなのか、キリスト、カトリックの助け合い、分かち合いの精神はあらゆる所で強く感じることが出来ました。

 

 

フィリピンの人たちを見ていて、お金がなくて貧困だけど皆心は豊かで、裕福さや便利なことよりも思いやり、助け合いや分かち合いは、人間が生きる上で最も大切なことなのではないかと感じました。
 
これはキリスト教だけではなく、フィリピンの国民性が混ざってこそだと思います。
 

小学校に誰でも入ることが出来るだとか、子どもの誘拐がほとんどないだとか、日本では考えられないほど平和なのも、フィリピンの人々の人柄だとかキリスト教のおかげなのかなと思いました。

 
 
しかし一方でカトリックの助け合い、分かち合いの悪い面もあることも知りました。

仕事をしないで路上で暮らしていたりだとか、ただ恵んでもらうことだけを考えることを続けているといつまでたっても貧困はなくなりません。
 
かといってどうしたらいいのかも今の私には分かりません。

メリットがあるとデメリットがあるように、良いところだけっていうのは難しいように感じますが、これから先改善されていくことを願います。

 セブのボランティア

スラムと観光地とのギャップで見た格差社会

3点目は格差社会についてです。

私が格差社会を感じることが多かったのはのボランティアがオフ日でした。
 
一週目のでリゾートホテルを訪れた際は、スラム街からは想像できないような快適さと綺麗さにびっくりしました。
 
日本人、韓国人、中国人などのアジア系の観光客や欧米の方もいました。私が思い描いていたセブの海がそこにはあり、スラムとのギャップに驚きました。

 

ショッピングモールで映画のチケットを買うために並んでいた時、後ろに15歳くらいの女の子が4人が並んでいました。
その中の一人の女の子がお母さんから(たぶん遊ぶために)500ペソを貰っていました。

 
その光景を見た時、こういう家族もいるんだと知ることが出来たし、こういう子たちはスラムの人達をどういう風に思っているのかと疑問に思いました。

 

 

これらに対してサントニーニョ教会を観光しに行った時、周辺を歩いていた時路上の段ボールの上で1歳にもなっていなさそうな赤ちゃんが寝ていました。
 
お母さんらしき人も見当たらず、ただ赤ちゃん1人だけがいました。
 
 
その現場を見た時、こんな小さい子をひとりにしても何も起きないセブもすごいなと思ったのと、日本では決して見ることの出来ない光景にただただ驚きしかなかったです。

 

もし私が今回ボランティアとしてではなく観光としてセブを訪れていたならフィリピンの格差社会を感じることはなかったと思います。
 
 
セブはリゾート地という日本人の先入観のままだったと思うし、ましてや貧困があるなんて考えもしなかったと思います。
 
私は観光でなくボランティアとしてセブを選んで来て、本当のセブの現状や自分の間違った価値観、先入観を見直すことが出来て本当に良かったと思っています。

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貧困とフィリピン人の温かさを知ってもらいたい

今回5週間、今思えば本当にあっという間に終わってしまいました。

でも、今まで私が生きてきた中で一番充実していた5週間でした。

 
 
たくさんのフィリピンの人々と触れあうことで自分の価値観や先入観を大きく変えることが出来ました。
 
フィリピンの人の温かさで自分も毎日心が温かく、満たされていました。
 
 
今まで生きてきた世界は当たり前なことの繰り返しで、「自分は幸せだな」って思って生きたことあまりなかったです。
 
でもよくよく考えてみれば、全てが恵まれていて幸せなのだと気づくことが出来ました。

 

たくさんのボランティアの方々との出会いは、色んな方がいて本当に面白かったし色んな方の意見や経験、生い立ちを聞いて自分の世界がもっと広がりました。
 
皆さんがありがとうとかお疲れ様と声を掛けて下さることも多く、皆さんの支えがあるから自分もインターンとして参加させてもらえることを痛感しました。

 
 
最後の斉藤さんのお話で、「人は生まれる場所を選ぶことができない」という言葉を聞いた時に私は、自分が先進国の日本で生まれ育ったことに意味があることのように感じました。
 
日本に生まれ、こうやってボランティア、インターンとしてセブに来ることが出来たのも私にとって意味があることなのだと思いました。

 
 
自分は何ができるのかと考えた時にひとつは自分が情報発信することです。

セブや貧困の現状を知り、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思いました。

規模は小さいかもしれませんが、今の私に出来ることはこれぐらいしかないのかもしれません。

 

もうひとつはフィリピンで5週間過ごす中で、この子達のために日本で勉強したいと思いました。
今の私にはどうしたらゴミ山のゴミはなくなるのか、人々が安心して暮らせるにはどうしたらいいのか全く分かりません。
 
貧困についての問題は大きすぎるように感じます。

 
 
しかし貧困の人が少しでもいい暮らしが出来るように何か自分に出来ることは必ず何かあるはずだと思っています。
 
それを具体的にするためにも私には知識と勉強、もっとたくさんの経験が必要だと感じたし、何でも出来るような気がします。
 
 

 
 
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