フィリピンの教育問題 学校に行かない貧困の子どもたち


img_0451

フィリピンが抱える教育問題

フィリピンの子どもはとても勉強熱心で、学校で学んだり教育を受けるのが義務ではなく積極的に行っています。
先生の教えはもちろん、教育実習やボランティアで来た学生OJTの話にも耳を傾けメモを取ります。
物覚えもとても良く、一度教わった内容は忘れません。

 

日本から来るボランティアさんは日本語や日本の歌を教える機会があるのですが、ボランティアさんが帰国してからも、「ありがとう」「こんにちは」はもちろん、1~10まで言えたり日本語で自己紹介ができる子もいます。

 

 

貧困と言われる子がなぜ教育に貪欲なのか。
そして教育を受けたくても受けられない子どもが多いフィリピンの教育問題をレポートします。

 

フィリピンの小学生

将来の夢を実現するために学校に行く子ども

あなたが小学生のころ、将来の夢やなりたい職業をすぐに言えだでしょうか?
フィリピンの子どもは夢や職業をすぐ答えます。
先生、キャビンアテンダント、警察官、船乗りなど。
中でも先生は一番の人気で、その理由を聞くと「子どもに読み書きや道徳教育を教えたい」と言う答えが返ってきます。

 

教育者になるのであればしっかり教育を受けなければなりません。
学校での教育だけではなく、学ぶ機会があれば真剣なまなざしで話を聞きメモを取ります。

子どもはなぜ仕事に就きたいのか

もうひとつ質問します。

なぜあなたは将来職業に就きたいのか、仕事をしたいのですか?

 

ほとんどの日本人は、きっと明確に答えることができないでしょう。

フィリピンの子どもが教育を受け、仕事に就きたいと思う理由は家族を貧困から救うためです。

 

実はなりたい職業で人気の先生も、先生になったら継続的な収入を得られ家族を貧困から救えると考えているからなんです。
特に貧困の子どもは生活圏が狭く、多くの職業や仕事を知りませんので、身近な先生を目標にします。

 

フィリピンの子供

貧困の子どもは学校に行けないフィリピンの教育問題

これほど学校で教育を受けてたいと思っている子どもたちですが、実際は学校に行けない子どももたくさんいます。
フィリピンの公立学校は授業料は無料ですが、文具や制服、PTA会費など支払いが必要となります。
また学校給食がありませんので子どもはお弁当を持参する必要があります。

 

これらの出費が続き、結局学校を卒業できずドロップアウトしてしまう子が、小学校の場合30%にも上ります。
また、貧困で小学校に入学させることもできない家庭もあります。

 

 

もうひとつの理由が就職です。
フィリピンには国民の人口に見合った就職先や仕事がなく、学校を卒業してもスーパーやファストフード店で期間限定の雇用に応募するしかありません。

 

大企業や有名企業で正社員として採用されるためには、大学をトップクラスで卒業し、かつ大学院や専門学校で2年間、教育を受ける必要があります。
一握りの学生だけが正社員として採用される資格を得るんです。

 

フィリピンの家族

教育費は年間5万円

貧困層では母親や父親は小学校も卒業していない場合があります。
自分は義務教育すら受けていないから、せめて子どもには学校で教育をと願う母親は多いです。

 
一方で大学を卒業しても正社員として安定した収入が得られないのであれば、学校など行かせず家の仕事を手伝わせる貧困家庭もあります。労働児童です。

 

将来の収入よりも今日の収入を優先させる貧困層は、学校に通わせず労働児童としての働きを求めます。
学校に通わせることの大切さを貧困の人たちは理解できません。

 

 

フィリピンの公立学校に通うためには授業料は無料でも文具代、通学費、お弁当代などのお金が掛かります。

 

フィリピンの政府はその額を年間15,000円と試算していますが、通学費や食費は含まれておらず、それらを含めると年間で50,000円近い教育費が必要になります。

12年間の義務教育期間では60万円。

 

これは1日数百円で暮らす貧困家庭にとってはとんでもない金額です。

 

さらに学校を卒業しても就職が約束されるわけではなく、定職に就けるのは優秀な成績を収めた子どものみ。

 

この問題がフィリピンの教育と就学の妨げになっています。

 

学校に行けない子どものフリースクール

 

教育問題の解決は奨学金と将来の夢

あなたがフィリピンの貧困家庭の母親だったらどう考えますか?
安定収入を得る可能性が少なくても、学費を払い学校に行かせるか。
または教育を受けても仕事があるかどうかわからないのなら、学校に行かせることは時間とお金の無駄と考えるか。

 

学校教育を受け多くを学ぶことで将来の夢をかなえる方法がわかります。
学校で友だちとコミュニケーションすることで知識が深まり感性も磨かれます。

 

フィリピンでは学校に行けない子どものためにノンフォーマル教育と呼ばれる地域社会や教会、NGOなど、公的な教育機関以外の団体が子どもたちに教育を提供しています。

 

国際ボランティア団体 グローリアセブでは貧困のため学校に通えない子どもや労働児童を対象に教育を受けるための奨学金制度を作っています。

 

フィリピンの学校教育問題を根本から解決するためには貧困層への奨学金の充実と学校卒業後に夢を持てる社会をつくることだと考えます。

 

合わせて読みたい関連記事: