貧困の子どもの児童労働

フィリピンの子ども
路上で物売りや物乞いをするストリートチルドレン。

ゴミ山に暮らしゴミの中から缶やペットボトルを拾いジャンクショップで換金するスカベンジャー。

フィリピンでは多くの子どもたちが労働でお金を稼いでいます。

貧困の子どもはいくら稼いでいるのか。
そもそも生きていくためにいくら必要なのか。

児童労働に従事する貧困の子どもの仕事と収入について。
(記事内の金額は1ペソ=約2.5円で換算)

ストリートチルドレンの収入は1日400円

格差社会のフィリピンではお金を稼ぐ人と貧困層では月収に大きな格差があり、低所得者ですと1万円、学校の先生クラスでは5万円と収入が5倍も違います。

これは定職に就けている人の給料で実際には日雇いの貧困も多く、日雇いになると仕事があった日で1日1,000円程度の収入。

それも週に1日のみと言うのも珍しくありません。

働いているのは大人に限らず、家計を助けるため路上に暮らし収入を得ているストリートチルドレン、ゴミ山や家庭のゴミ箱を漁り歩き売れるものを拾うスカペンジャーの子どもも大勢います。

 

旅行会社の主催する市内ツアーで絶対に立ち寄るセブの一番の観光地、サントニーニョ教会とマゼランクロス。

サントニーニョ教会はフィリピン最古の格式ある教会、マゼランクロスはカトリック布教のため世界一周を試みたマゼランがセブの女王に洗礼式をした場所。

 

ストリートチルドレンはサントニーニョ教会周辺の路上で寝泊まりし、観光客相手に土産物を売って収入を得ています。

ストリートチルドレンが売っているキーホルダーはひとつ50円。

売り物のキーホルダーは25円で業者から仕入れているのでストリートチルドレンの収入は1個25円。

朝から晩まで観光客や地元のフィリピン人に売り薦め、1日15個から25個を売ります。
売上は800円から多い日で1,000円になることも。

売上から原価を差し引いた収入でごはんを食べています。

生活のために必死で物売りをするストリートチルドレンの姿に観光客は怖がってしまい、実はキーホルダーを購入する大半は地元のフィリピン人だと言う現実。

フィリピンの人たちは寄付の意味も込めてストリートチルドレンから購入します。

実は同じ商品がショッピングモールでは180円で売られています。

ゴミ山のスカベンジャーの収入は週2,500円

ゴミ山に暮らしゴミ収集車で運ばれるゴミの山から売れるものを拾いジャンクショップに運び収入を得ているスカベンジャー。

ゴミ収集日に町中の家庭を訪問しゴミ箱からペットボトルや空き缶を拾う貧困の子どもたち。

ゴミはお金になります。

プラスチックは1キロ8~10円
ペットボトルは1キロ25円
空き缶は1キロ30円

紙や段ボールなどの古紙でも1キロ10円前後でジャンクショップが買い取ってくれます。

異臭が立ち込め危険物も混じるゴミ山で、ゴミの種類別にサックと呼ばれる袋に詰め込み買い取り先のジャンクショップに運び込みます。

収入は一か月で1万円ほど。

貧困の生活費はいくら掛かるのか

ストリートチルドレンの収入も、ゴミ山のスカベンジャーの収入も一か月約1万円。
全く違う仕事ですが実は収入はほぼ同じなんです。

ではなぜ物売りをする子とゴミ拾いをする子に分かれるのか。

それは生まれてきた家庭の事情で決まります。
ストリートチルドレンの家族もスカベンジャーの親も代々その仕事で収入を得てきましたので他の仕事をする術を知りません。

貧困の子どもの運命は生まれてきた家庭によって決まります。

 

貧困家庭は1日いくらで生活しているのか。

父親と母親、そして子ども3人の家庭のケースで生活費は1,000円。

生活費の中で一番多くを占めるのがお米代で450円。
おかず代、水代、電気代と続きます。

フィリピンの主食は日本と同じくお米で、おかずは少量でもごはんはおなか一杯食べます。

ここで不思議と思った方もいると思います。

月3万円の生活費が掛かるのに収入が1万円しかなくどうやって生活しているのか?

児童労働の子どもは社会の被害者

ひとつは食費を削り支出を抑える。
またはお金を借りる。

貧困でも裕福でも人間が生きていく上で最も大切なのは食事です。

食べ物を買うお金がなければお店からツケで買います。

今度収入が入ったら払うからと。

カトリックの国フィリピンは助け合いの精神が強く、次に払うと言われたらお店も断れません。

実はツケで買ってちゃんと返す人はごくわずかで、実際はあげるに等しく貧困地区のお店は食品の仕入れ代に行き詰まりやむなく店じまいをするお店も多いんです。

生活費に行き詰まると高利貸しからお金を借りる。

フィリピンで有名なファイブシックスと呼ばれる高利貸しは、約一か月で20%の金利を取りますが生きていくために手を出す貧困の人たちも多いです。

貧困でもまっとうに働き収入を得てコツコツ貯める人たちもいますがそれはごく少数で、お金がなければツケで買ったりお金を借りたりして短絡的な生活をする貧困層が多数を占めています。

でもこの貧困の現実は彼らが怠け者だから起きているのではなくフィリピンの貧困社会の問題。

ストリートチルドレンもゴミ山のスカベンジャーも社会の被害者なんです。

セブのスカベンヂャーやストリートチルドレンと交流するボランティアに参加すれば、フィリピンの貧困の子どもの暮らしぶりが良くわかります。

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