世界の貧困問題の状況と原因、そして解決策のヒントをわかりやすく解説します。
国際協力やSDGsについて学んでいる学生や、貧困問題に興味のある人に向けた記事になります。

グローリアセブはフィリピンの貧困問題に取り組んでいるボランティア団体です。

1.世界の貧困地域
2.貧困の定義
3.貧困のニュースを正しく理解しよう
4.途上国が貧困から抜け出せない原因
5.貧しいとどうなるか
6.持続可能な開発目標(SDGs)では貧困はなくならない
7.貧困問題はお金で解決できない
8.わたしたちにできること

この順番で説明します。

世界の貧困地域

・絶対的貧困者数 7億3600万人 (世界人口の10人に1人)
・貧困に苦しんでいる国 146か国 (全世界の国の74%)

世界の貧困マップ

一日1.9ドル以下で生活する人口の割合
(暖色ほど貧困率が高い 単位%)

 icon-chevron-right 地域別貧困率
・アフリカ(サハラ砂漠より南の地域) 41.1%
・中東・北アフリカ 5.01%
・ラテンアメリカ・カリブ海地域 4.13%
・東アジア・大洋州地域  2.32%
・ヨーロッパ・中央アジア地域  1.47%
・その他先進国 0.68%
・南アジア地域 データなし

アフリカが突出して絶対的貧困率が高いことがわかります。
(いずれも2015年調査 世界開発指数)

貧困の定義

貧困と言っても人によって想像する基準が違うと思います。

はじめに世界的に定められている貧困の基準を説明しておきます。

世界銀行が定めた貧困の定義は1日1.9ドル以下で生活している人を指します。

日本円に換算すると約200円。
家賃も食費も被服費も交通費もすべて含んで1日200円の生活。
みなさんは想像できますか?

これは絶対的貧困と呼ばれ、衣食住と言ったベーシックな生活を営むことも困難な層です。
世界では10人に1人が絶対的貧困層です。

世界銀行とは貧困撲滅を目標に資金と技術を援助する国際機関です。

もうひとつの定義に相対的貧困があります。
こちらは所得について周りと比較した場合の定義です。

例えばその国の国民一人当たりの平均所得が一年で100万円だとしましょう。
この場合50万円以下の所得の人が相対的貧困と定義づけられます。

平均所得の半分以下、と言うことです。

世界の貧困

貧困のニュースを正しく理解しよう

テレビやネットに出てくる貧困のニュース

・日本は6人に1人が貧困。貧困化が進んでいる
・世界的には貧困は減少している

これらは貧困問題を強調するために、絶対的貧困と相対的貧困の数字の都合の良い部分を組み合わせてつくられた報道です。

日本で貧困が増えたと言うのは相対的貧困の話。
日本には絶対的貧困の調査データはないと思います。

貧困が増えたと言うのは低所得者と高所得者の格差が広がったと言う意味。

全国民が貧困化している訳ではありません。

子どもの貧困問題は、低所得者が増えたために起きている事象です。

貧困が減少しているのは途上国の絶対的貧困者の数です。

絶対的貧困は途上国に多く、相対的貧困は日本を含めた先進国に多いのが特徴。

ニュースの印象操作に惑わされず、情報を正しく理解してください。

世界の途上国が貧困から抜け出せない原因

ここからは貧困国の原因と、その結果として貧困になった国民が被る問題を説明します。
世界の貧困問題はその国が抱える社会問題に起因しています。

貧困率が高い国に共通して言える社会問題を3つ挙げます。

 icon-chevron-right政治家、権力者の腐敗
途上国では権力者や公職者の汚職が日常的に行われています。
賄賂を得る一部の政治家や権力者だけが良い思いをし、一般市民は貧困になる構図。

警官だってお金のために動くので、まったく信用できません。

 icon-chevron-right絶えない紛争、宗教問題
テロや内戦が頻繁に起こる国では経済は発展せず商売は成り立ちません。
仕事や家を失い食糧の確保もままならない状況がいつまでも続くのです。

貧しい国には神や仏にすがる熱心な信者がたくさんいます。
しかし、宗教の違いによる紛争も度々起こります。

icon-chevron-rightそもそも貧困問題を解決しようと思っていない
今が良ければそれでいい。
明日のことは明日考える。
これが途上国の人たちの考えのベースにあります。

貧困は問題だけど、今日明日に解決できる問題ではないので政府は取り組もうとしない。
国民もあきらめている。

貧困問題の解決には国が人、モノ、お金を使い強力に、そして継続的に取り組む必要があります。

しかし、貧困国では政治は腐敗し、紛争は起こり、政府が自国を統率できていない。

結果として国民も向上心を持てずあきらめてしまう。

これが世界の貧困国の状況です。

貧しい家

貧しいとどうなるか

貧困になると生活はどうなってしまうのでしょう。

 icon-chevron-right 仕事がなくなる
国の経済が悪化すれば仕事は少なくなります。
最初にはじき出されるのは技能や知識を持っていない貧困層。

仕事がなければ生活はさらに困窮します。

お金は一部の金持ちや資本家に集中し労働者はさらに貧困に。

世界のたった26人の富豪が持っている資産が、世界人口の半分の人たちが持っている資産と同額なのです。

 icon-chevron-right 教育が受けられなくなる
無償化教育を推進している国でも文具や制服、通学費、給食代は必要です。
貧困になればこの費用が払えず教育を受けることを諦めなければなりません。

教育を受けなければ勉強だけでなく、社会のモラルやルールも習得でない。
どんな仕事があって、仕事に就くためにはなにをすれば良いかわからない。

将来への夢や希望も持てなくなります。

 icon-chevron-right 環境が悪化し健康を害する
安全な水や食料が確保できないと健康を害します。
お腹を満たすだけの食事では栄養失調に。

病気になってもお金がないから保健医療のサービスを受けられない。
健康を害すれば仕事もできません。

貧困国の子どもの死因で多いのが、落ちているものや腐ったものを食べたことが原因での下痢です。

仕事がない、教育を受けられない、健康を害する。
さらに貧困になります。

先進国にも貧困層は存在しますが、それは個人的な理由が原因で貧困になったケースが多い。

途上国の貧困問題は国に原因があり、国民の貧困率が高まっているのです。

持続可能な開発目標では貧困はなくならない

世界から貧困を撲滅するために、世界銀行や国連が貧困解決策の策定を行っています。

持続可能な開発目標(SDGs)と言う世界規模の貧困支援策を聞いたことがありますか?
持続可能な開発目標とは、国連が定めた貧困解決策。

「環境を守りながら大人も子どもも満足する地域開発をしましょう」と言う内容です。

具体的には
・2030年までに世界から極度の貧困をなくす、
・誰もが安全で栄養のある食糧を得られるようにする
・健康的な生活を確保し福祉を充実させる

など17の目標が定められ、国連加盟国はこれらを法で定め予算を付けて行動しなければなりません。

日本政府も持続可能な開発目標推進本部を設置し、
・あらゆる人々の活躍
・市場の創出と活性化
・再生可能エネルギーの利用
・安心社会の実現
・開発目標達成のための体制と手段

と言った政策を打ち出しています。

でも、先進国と発展途上国では事情が全然違います。
そもそも貧困の度合いが違う。

持続可能な開発目標は途上国にとっては単なるお題目で、貧困や飢餓の撲滅はできません。
いえ、真摯に取り組もうなどとは考えていない可能性もあります。

実際、国連が掲げたこの目標は進捗度が悪く、2030年までの達成は困難な状況です。

ゴミ山の少女

貧困問題はお金で解決できない

途上国に莫大なお金を渡せば貧困は撲滅されるのか。
あるデータによると貧困問題の解決には25兆円のお金が必要とも。

日本政府も開発途上国への援助 ODA(政府開発援助)予算を5,566億円計上しています。(2019年度)

途上国では日本のODA支援は有名で、親日家が多い理由のひとつになっています。
フィリピンでも、主要な道路、橋、トンネルは日本のODA予算で建設されています。

しかし、これが貧困問題の解決に繋がっているかと言えば大いに疑問。
そこには利権が絡み、国際援助のお金で富を得る人がいます。

貧困層はそもそも道路や橋を日常的に使っていないので国際支援の恩恵に預かれない。

海外からの物資やお金で潤う利権者はいても、貧困層までは行き渡りません。

わたしたちにできること

この記事をご覧になっている方の中には、世界の貧困問題を知り、自分に何かできることはないかと探している人も多いと思います。

政府でも、多額のお金でも解決できない世界の貧困問題。
でも、個人でもできる活動はあります。

・世界の貧困について理解を深める
・知ったことを広める

日本人は世界の貧困問題について、まだ理解していません。

戦争や飢餓で苦しむ子どもの写真をテレビや電車内の広告で見て、可哀想、とは思う。

でも、その子どもたちの生活環境や、なぜそうなったのかまでを知ろうとする人はごくわずか。

わたしたちに内紛や汚職を止めさせることはできません。
でも、貧困について研究しそれを発信し多くの日本人に興味を持ってもらうことはできます。

・途上国のボランティアに参加してみる
・SNSで情報を拡散する
・仲間とサークルをつくったりイベントを開催してみる

手段はたくさんあります。

世界から極度の貧困をなくすのには、この先50年100年かかるかもしれません。

でも、日本人をはじめ全世界の人が貧困への理解と問題意識を共有することで、解決までの時間は大幅に短縮されるはずです。

気軽に質問や問い合わせができます!

子どもたちの写真や活動の様子を、セブ島から発信してます! (ロゴをクリック)