フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
さと 高崎経済大学2年
私にとってこの1週間は、人生の中で最も心が動かされた時間だった。
その中で、特に印象に残ったことは3つある。
1つ目は、フィリピンの国民性の素晴らしさである。
どの家庭に訪問しても、重要なことは家族が幸せであることという回答が返ってきた。
また、貧困地域であっても、それを感じさせないくらいパワフルであり屈託のない笑顔で接してくれる。
貧困家庭にインタビューをした時に、「日本人は働きすぎである」と言われた。
十分に暮らせるほどのお金を持っていても、日本にはフィリピン人ほど幸せであるようには見えない。
日本人は生活の質を高めたり、社会貢献のために一生懸命働くが、幸せとは何かを見失っている気がする。
その点において、幸せについて考えさせられた。フィリピン人の国民性を日本に持ち帰り、まず自分自身がその素晴らしさを体現しようと思う。
2つ目は、このボランティアに参加して出会えた友達である。
将来の夢の方向は違えど、この1週間は同じ目標を達成するために集まった人たちであり、自分にとって非常に大きな刺激を与えてくれる存在だった。
彼らの存在によって、自分の将来について考えたり、見つめ合う機会が増えた。
その中で、人と関わることや、常に刺激を求めていることに気が付き、自分のやりたいことが徐々に見えてきた。
この1週間、日本で何ら変わりない日常を過ごしていたら絶対に見つからなかった財産を得ることが出来た。
3つ目は、教育、貧困に対する問題の巨大さである。
まず、貧困地域で学校に通えていない子供たちは学ぶ習慣もルールもない。
その点において、この活動は勉強の重要性や習慣をつけるための意義のあるものだと感じた。
どの子供も将来の夢を持っていて、勉強に対する明確な目標があった。
その彼らに十分な勉強の環境や教育を行えていないことに対して、勿体なさを感じた。
また、ゴミ山の貧困地域では、街からすごく離れているために将来の子供たちの選択もそこにしか残っていないように感じた。
悪臭も酷く、衛生面で体に良くない場所であることは分かるが、その状況から抜け出せない負のサイクルを変えなければならないが、自分1人ではその環境を変えることが出来ないため、無力さを痛感した場面でもあった。
この現状を多くの人に知ってもらう必要があり、日本に帰国したらまずは周囲の人に現地の状況を伝えていきたい。
このように、私は1週間の間濃密な時間を過ごし、様々な経験をした。
改めて、家族や仲間に感謝してこの経験を活かしていきたい。
2023年2月
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