ホームレスの状態で路上で暮らすストリートチルドレン。
子どもは学校に通った経験すらなく、毎日、自分が生きてた行くために知恵を使って食費を稼いでいます。
でも、実は学校へ通いたいと思っている子や、我が子を学校へ通わせたいと考えている母親も。
ストリートチルドレンが学校へ行くためにはどんな支援が必要か
現地ボランティア団体が行っている教育支援の中身
ボランティアができる支援はどんな活動か
フィリピンのストリートチルドレンの就学支援を行っているボランティア団体 グローリアセブが解説します。
教育を受けられないストリートチルドレン
ストリートチルドレンを支援するボランティアを説明する前に、まず、子どもがどんな境遇に置かれているかを理解してください。
路上で物売りや物乞いをしているストリートチルドレンの多くは学校には行っていません。
理由は朝から観光客やフィリピン人に対して物売りを親から強いられているので学校に通う時間がないから。
また、学校に行きたくても手元にあるお金はすべて家族の食費に充てられてしまい、制服や文具などを買うお金がない。
スリトートチルドレンはビルの軒下などで暮らし、朝の10時ぐらいから商売をはじめ夜遅くまで続けます。
歓楽街に出没するストリートチルドレンの場合は夕方から深夜までが活動時間。
観光客や現地の人にお金をせびったりモノを売って、生きていくための収入を得ていますので学校に通う余裕はありません。
また、多くの親が我が子の教育に興味を持っていない。
お金が掛かるし、労働力が失われるから。
ストリートチルドレンになった原因
子どもが学校へ行かずストリートチルドレンになってしまった原因、
家庭が貧困で食べるためのお金を稼がなければならない。
これも原因のひとつですが本当の原因は別です。
ストリートチルドレンの母親もおばあちゃんも親せきも、みんなストリートチルドレンでした。
母親の最終学歴は小学校卒業、または小学校中退。
ですので子どもも親もストリートチルドレン以外に稼ぐ方法を知りません。
小さいころから親の仕事を見て育ち、7歳になるころには学校には行かず親の仕事を手伝うようになってストリートチルドレンとしての道を歩んでいきます。
子どもは学校に通い先生や友達と交流することで、社会のことを知り生きる術を学びます。
しかしストリートチルドレンだった親の教えや、友だちのみんながストリートチルドレンと言う環境では自分もストリートチルドレンの道しかないんです。
これがフィリピンのストリートチルドレンの原因です。
なぜ支援が必要なのか
貧困層の子どもでも小学校へ通っている子どもはいます。
彼らの多くはNGOや教会から物資や金銭、生活面でなんらかのサポートを受けています。
どこからの支援も受けられず生きるために精一杯のストリートチルドレンは、最低限の教育を受けることはおろか人権も脅かされている現実。
社会的弱者の子どもが学校へ通うためには、精神的、金銭的な補助、また知識の提供など外部からのなにかしらのサポートが不可欠です。
もうひとつ、外部の支援が必要な理由は親の意識の問題です。
親が子どもへの労働を強制したら、子どもは学校へは行かなくなりストリートチルドレンに戻ってしまいます。
知識がなく、人権や教育に興味が希薄な親に対しての教育も欠かせません。
今日の稼ぎより、将来のために子どもに教育を受けさせる方が家族は幸せになる。
この考えを親に理解してもらうために地道に話し合いを続けます。
就学を支援する活動
小学校や幼稚園に入学するためには学校へ事前届けが必要です。
届には出生証明書の添付が義務付けられていますが、路上で生まれ育ったストリートチルドレンは役場に出生届が出されていません。
すでに母親がいないケースも。
就学支援は出生証明の取得からはじまります。
親や親族から子どもの生まれた場所を聞き出し、管轄の役場へ出生の申請します。
産まれてからすでに5~6年経っていますが、出生場所と日付、名前を申し出れば役場は証明書を発行してくれます。
次に小学校へ必要な書類を提出し入学許可を得るのですが、公立学校でも入学を断られる場合が。
すでに新入学生の受け入れ許容範囲を越えている、と言うのが理由。
断られたら他校を回り入学の申請をする。
これらの行動は社会知識の乏しいストリートチルドレンの母親や親族にはできません。
孤児院に預けられている子どもならシスターがすべてサポートしますが、ストリートチルドレンは手助けしてくれる人がいない。
グローリアセブのようなボランティア団体、または教会や牧師が支援にあたっています。
教育補助ボランティア
学力が低い子どもの場合、学校の授業についていけず不登校やドロップアウトしてしまう率が高まります。
子どもが学校の授業や生活についていけるよう、週末や下校後の時間を利用して基礎教育の授業を行います。
フリースクールボランティアです。
行う授業は主に英語と道徳。
フィリピンでは小学校高学年になると授業はすべて英語で行われます。
英語が理解できないと授業についていけなくなる。
英語ができれば将来の職業選択の幅も広がります。
また、社会のルールや常識に関する知識が乏しい子どもには道徳やマナーを教えることも大切です。
生活のサポート
子どもの健康と家族の生活状況を調査し、問題点を把握する活動も支援ボランティアのひとつです。
栄養不足や不衛生な居住環境により、路上で生活している子が病気にかかる率は一般の子どもより高い。
病気になっても病院に行くお金がなくそのまま放置され、病状が悪化してしまう。
フィリピンの役場にはヘルスセンターが併設され、無料で診療が受けられるのですが、知識のない母親はヘルスセンターの存在を知りません。
病気やケガをした子をセンターに連れて行く支援も行っています。
また、食事がきちんと摂れているかどうかは家計を知ればわかります。
仕事をしているか
収入はあるか
借金はないか
グローリアセブでは毎月一回、保護者会を開催し家庭環境のヒアリングを行い問題の解決に努めています。
保護者会は親を組織化しお互いの問題をシェアする場にもなっています。
ボランティアに参加してできる支援
ストリートチルドレンのボランティアは短期でも参加できます。
・フリースクールで子どもの学習を補助する
・家庭を訪問し母親と子どもへのインタビューを行う
・文具や古着を寄付する
グローリアセブではボランティアや寄付品の受け入れを行っていますので興味がある方は資料請求、またはお問い合わせください。
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