フィリピンのスラム

経済が成長するほど困窮する貧困層

アジアのお荷物とまで言われた1990年代のフィリピン。
しかし今では目覚ましい経済発展を遂げています。

失業率は5.5%まで低下。
その理由は雇用の拡大と海外からの送金。

農業や漁業に頼っていた昔と比べ、現在は販売業やIT関連のサービス業が成長し雇用の受け皿が格段に広がっています。

また、中東やアメリカで介護やハウスキーパー、プログラマー職として活躍し、フィリピンに住む家族に仕送りをする若者が増えたことも理由。

しかし、国民全体が裕福になっているのではなく、お金持ちだけがもっと裕福に。
貧困層は苦境の生活を送っています。

貧困は貧困のままと言う現実。
フィリピンは国民の1%が国の富の半分以上を保有している異常な格差社会です。
国の経済発展が貧困層に恩恵をもたらさない理由とは。

物価は高騰、賃金は変わらず

ここ5年でフィリピンの物価は二倍近く高騰しています。

5年前は100円で買えた商品が200円に。
インフレ率はなんと4.6%
フィリピンの経済成長を表している数字ですが、収入も二倍になっている訳ではなく、特に貧困層の賃金は変わらず。

国が定める正規労働者の1日の最低賃金は1,200円以上になりましたが、正規雇用もままならない貧困層は仕事に就き毎日安定した収入を得ることが目標。
低賃金の日雇い契約でも文句は言えません。

貧困層にとっては賃金よりも毎日仕事があることが重要。
サービス業や海外での仕事など夢のまた夢。

物価の高騰分、貧困層にとって名目の収入は目減りしています。

雇用側に有利な採用条件

フィリピンは資本家や経営者側に圧倒的に有利な雇用システムになっています。

例えば短期契約での雇用が一般的で、新卒でもまず契約は半年。
優秀な若者は契約が更新されそれ以外は打ち切られます。

経営者側にとっては優秀な人材だけを確保できるシステム。
正社員として雇用されるのは優秀な成績で大学を卒業した一部の人材のみ。

パートタイムや契約社員が多く、週40時間以内の労働時間で働く正社員ではないパートタイムが全労働者の20%近くを占めています。

明日の生活がどうなるかもわからない人たちです。

一か月25,000円の生活

フィリピンの統計局の2015年の調査では5人家族で毎月最低25,000円が必要。
その内訳は
食費12,000円
家賃3,000円
光熱費5,000円
衣服800円
その他4,200円
(1ペソ=2.5円で算出)

1日1,200円、一か月20日働けばこの生活費を稼げますが、それは正社員として雇用されている人の場合。

国民の5人に1人は最低限の生活費も得ることができていません。

貧困層の収入は一か月1万円ほど。
足りない分は生活を切り詰めたり、お金を借りて食いつないでいます。

5人に1人が貧困の現実

フィリピンの貧困層は2,200万人。
1億人の国民の約20%が貧困です。

彼らが定職に就けない一番の理由は教育を受けていないから。
スラム街に住む成人の多くは最終学歴が小卒か小学校も中退している現実。

教育を受けていれば社会で生きていく術を知り雇用者側と対等に近い立場を主張しますが、小学校にしか通っていなければ収入を得る道が限られてしまいます。

フィリピンが真の経済成長を遂げ豊かになるためには、国民が平等に義務教育を受ける権利を持つこと。
お金がなくても国が教育の権利を保証する。

裕福層だけが豊かになり貧困は貧困のままと言う現実。
フィリピンが途上国から脱出するためには教育の充実こそが重要です。

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