ななみ 法政大学3年

インターンシップを振り返ってみるとフィリピンの人の温かさに助けられた日々だったなと思う。
生徒たちは、今年度で 4 人目の日本からのインターン生だと言っていたが、私のことを気にかけて、話しかけてくれた。

この小学校に来て良かったと思える経験を私に与えてくれたのは、生徒や担任のカバティーナ、さらに宿泊先の住居人たちのおかげだと思っている。


私はこれまでにたくさんの子どもと様々な場で関わってきた。
特に良い経験になったのはカンボジアの特別支援学校で1か月間ボランティアしたことだ。
そこで、日本の教育現場との違いを感じて、より多くの国の現場を見て、自分が日本の学校に還元できること、生徒たちに伝えたいことを見つけるために小学校インターンという形でセブ島に来た。
クラスの雰囲気や授業内容・方法などについて日本やカンボジアとセブ島との違いを見つけていきたいと思っていた。


実際には学年末ということでほとんど授業は終わっており、主に卒業式やthanks givingの予行練習に参加させてもらった。
卒業する生徒が約630人いるということで、⾧時間の練習が続いた。
初めは、先生たちに指導されながら動いていた生徒たちが、次第に自分たちでタイミングを計って動きだしている様子を見て、とても小さなことだけれど、生徒たちの成⾧を感じることができた。


また、私が将来特別支援学校の教員になりたいということを担任のカバティーナに相談したところ、1日だけspecial classに入らせてもらえることになった。
教員は少なく、同じようにフィリピン人のOJTの大学生が数人いた。
ここでは日本との大きな違いを発見することができた。
生徒たちの一日の授業時間が大きく違うのだ。

日本は、だいたい9時~15時まで授業があるが、ここは1 時間30分ごとに生徒が入れ替わる。
基本的にこのローテーションを1日に 4回ほど行うそうだ。
もちろん、生徒たちが体調によって学校に来づらい日だったり、授業を受けたくない気持ちの日だったりすることも多いと思うが、この時間数で彼らは生活に必要なスキルを身に付けることができるのだろうかと思った。


これには、教員の質や数も大きく影響している。
なぜなら、教員と生徒は1on1で授業を行っていたからである。
日本でも特別支援学校の教員が減少している。

それにより、特別支援の免許を所持していない教員が特別支援学校に着任することもある。
それはつまり、生徒の指導の質に関係することである。
学校は、生徒が教育を受けるための場であるが、同時に先生たちが生徒に教育を受けさせる場でもある。
教員がいなければ生徒たちは教育を受けることができない。
今回の滞在を経て、十分な教員の確保、彼らに対する教育の大切さにも気付いた。


このようなインターンシップ経験を経て、私はなぜ将来子どもに関わっていきたいのだろうという根本的な考えを見つめ直すことができた。
これまでは、なんとなく子どもが好き、子どもと会話をするのが楽しいとだけ思っていた。
しかし、具体的に今は子どもの成⾧を見守ることが楽しい、嬉しい気持ちにさせてくれると言うことができる。
できなかったことができるようになった姿、またそれに気づいて自身を誇ることができる姿を見ていたい、支えたいと思うことができた2週間であった。

2025.04.12

 

海外の教育スタイルを学ぶ、フィリピン小学校インターンシップ