貧困の子どもが小学校を卒業できない理由は教育制度と家庭環境

フィリピンの教育

小学生でも落第

教育に力を入れているフィリピンですが、貧困家庭の子どもへのサポートは手薄な状況です。
 
貧困の子どもはどうしても学力が劣ります。
学校の授業についていけない。
テストの点数が低い。
 
その結果、学校に行くのが嫌になったり落第したり。
通いたくても学用品が買えず授業に参加できない子も。
 
 
 
日本では義務教育の小学校、中学校で落第する生徒はまずいません。
登校拒否の生徒でも、試験を受けなくても進級する。
 
だから年齢と学年は一致しています。
 
 
 
フィリピンの小学校には年齢と学年が合っていない生徒がたくさんいます。
 
例えば12歳なのに小学4年生の生徒など。
 
 
フィリピンと日本では年齢と学年は同じですので、本来ならば6年生のはずがなぜ4年生なのか。
それは落第し進級できない生徒が多いからです。
 
 
 
年間の平均点が75点未満で赤点。赤点3科目で落第
欠席日数が授業日数の20%以上になると落第
 
 
クラスのトップ成績の生徒がだいたい93点。
クラス平均が80点。
 
 

そんな状況で75点が赤点はフィリピンの小学校は厳しいと思いませんか。
 
 
科目ごとの赤点が2つまでですと夏期講習を受けることで免除。
しかし3科目になると自動的に落第、つまり留年します。
これは小学校でも同じ。
 
 
学力の劣る生徒は進級できず、自分より年下の子どもと一緒にまた同じ学年の授業を一年間受けることに。
 
 

また、病気やケガなどの特別な事情の子どもを除き、欠席率が20%を超えると進級できません。

復学は幼稚園から

家庭の貧困事情で幼稚園や小学校に入学できない子どもがたくさんいます。
 

フィリピンの公立小学校は授業料は無料。
しかし制服、カバン、靴、文房具、そしてPTA会費などで年間約15,000円が教育を受けるために必要と言われています。
 
 
これは貧困家庭にとってはとても大きな金額。
その他通学費やお昼ご飯代を加えると2万円を超えます。

 
 

幼稚園や小学校に上がる年齢になっても我が子を学校に通わすことができず、何年かして多少余裕ができてから教育を受けさせるケースも。
 
 

もしもその時点で子どもが10歳だったら、本来は小学4年生ですがフィリピンは幼稚園からが義務教育なので、幼稚園教育からスタート。
 

10歳の子どもが5,6歳児の子どもと一緒に勉強しなければなりません。
これではたとえ子どもでもプライドや恥ずかしさもあり学校へは行かなくなります。
 
 
 
グローリアセブのフリースクールには現在6~9歳の子どもが通っています。
 

彼らは家庭が貧困で全員小学校には通った経験がありません。
 
 
子どもたちは新学期から小学校へ行きたいと願っていますが、小学校の先生と交渉した結果、義務教育を受けていないのなら幼稚園への入園になると言われました。

貧困家庭に勉強机はない

教育を受けられない子どもの多くは貧困家庭。
 

三畳ほどのスペースに家族7人で暮らしているケースも珍しくありません。
そんな貧困の家に勉強机や学習用具があるわけもなく家で勉強するのはまず不可能。

 
 

貧困のために週末や放課後は家族のため働かなければなりません。
 
母親が作った総菜を持って道路で売り歩く。
近隣の家から請け負った洗濯を手伝う。
母親の内職の手伝い。

 
 

貧困は勉強する時間など許されない環境です。
 
勉強しなければ小学校の成績は悪くなり赤点が増え落第。
子どもは学校に行く気力を失います。

頑張っても成績が上がりにくい評価システム

フィリピンの学校は相対評価。
例えばクラスの上位5%の生徒がA評価、次の25%がB評価などと決められています。
 
日本は他の生徒の成績を考慮しない絶対評価。
 
 
生徒一人一人の能力や努力を考慮する評価システムなら、落ちこぼれてしまう生徒は少なくなるかもしれません。
 
しかし、相対評価だとクラスや学年の中のポジションで決まってしまうので、点数の低い生徒が評価されることはない。
 
 
自分としては頑張った、
前回よりは少し良かった
でも、です。
 
 
成績の悪い子は、一学期も二学期も三学期も悪い。
 
 
 
もちろん先生も生徒を切るために評価している訳ではありません。
全員が卒業してもらいたいと願っている。
 
 
しかし、家庭環境や能力の異なる生徒を数千人も抱えるフィリピンの小学校では、絶対評価が難しいのです。

貧困の子どもへの教育支援とは

貧困家庭に生まれた子でも、放課後母親の物売りを手伝いながら教科書を読んでいる子もいます。
一生懸命勉強して、将来家族の生活を楽にしたいという意思を強く持っている子どもです。
 
 

グローリアセブでは奨学金制度で路上で物売りをしている子や、家庭の事情で学校に通っていない貧困の子どもを支援しています。
しかし、大切なのは本人が教育を受け将来自立した大人になりたいと心から思っていること。
 

小学校に通うためにお膳立てをしても本人に自覚がなければ途中でドロップアウトします。
 
 

貧困の子どもたちに教育を受けさせる。
これは貧困問題の解決に最も重要ですが、単にモノや金銭での支援ではなく、なぜ教育を受けることが大切なのか、将来自立した人間になるためにいまどうすれば良いかを親と子どもに伝えていくことが最も大切。
 
 
そしてはじめから多くを求めないことも重要。
 
学校にも通っていなかった子どもたちです。
まずは勉強する習慣ができれば十分。
 
習慣が身に付けば学ぶことが楽しくなります。
 
 
 
国際ボランティア団体 グローリアセブでは途上国の貧困家庭に生まれた子が、将来貧困を脱出するために平等に教育が受けられるよう支援を続けています。
 
 
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