病院に行くこともできないフィリピンの貧困

フィリピンには町医者から大きな総合病院までたくさんの病院やクリニックがあります。
診察や治療の方法は多少異なりますが、総合病院の施設は日本と大差なくフィリピン在住の日本人や長期滞在の留学生も利用しています。

フィリピンの医師の中には日本で医療を学んだ医者も多く、医療レベルは決して低くない。
でも、診療を受けられるのはある程度のお金を持っている人たちに限られ、貧困に苦しんでいる人たちはよほどの大病でない限り病院には行きません。

診察後、レントゲンや血液検査を薦められ医師から入院を言い渡されても、そんな治療費は支払うことがはきず結局は診察止まり。

貧困層は発熱やガゼの症状ならドラッグストアで薬を買い家で寝ています。

フィリピンの保険料は収入の3%

フィリピンは国民皆保険制度ですが、実際貧困の人たちで保険に加入している人はごくわずか。
保険料は収入の3%ですが、そもそも貧困層は定職を持っておらず、雇い主も保険に加入していないため、病院に行けば全額自費。

診察料はそれほど高くはありませんが、検査費、処方される薬代は貧困には払うことのできないほどの高額。
検査費や薬代を払えない貧困層は病院に行くこと事態が無意味なんです。

実は役場にある行政のヘルスセンターでは無料で診察を受けることができるのですが、検査施設や常備している薬が限られ、無料の診療所は応急処置をする程度の施設です。

薬はドラッグストアで1錠から購入可能

頭痛薬でも風邪薬でもフィリピンでは1錠から買うことができます。
日本なら12錠入りとか24錠で売られている薬ですが、貧困が多いフィリピンでは誰もが薬を買いやすくするため1錠単位で販売されています。

ドラッグストアで頭痛薬ください、と言えば店員から何錠?
と聞かれます。

1錠は数十円。

薬は継続的に服用して効果が出ますが、一度に数日分を買えない貧困層は数錠を購入します。

乳幼児の死亡率は1.2%

お金がなく子どもを病院に連れていくことのできない貧困家庭は最低限の薬を与え、あとは子どもの治癒力に頼るしかありません。

母親も子どもを病院に連れていきたい気持ちは人一倍持ってますが、高額な治療費が払えず泣く泣く子どもの治癒を家で祈ります。

フィリピンでは生後1か月以内に死亡してしまう赤ちゃんが1.2%もいるんです。
1,000人の赤ちゃんの内、12人が一か月以内に死亡してしまうと言う悲しい現実。

出産は病院ではなく不衛生なスラムや路上。
そして医師の診察を受けられない子どもが多いのがその理由。

子どもの死因は下痢

健康に生まれた子もいれば生まれつき病気をや障害を抱えた子もいます。

健康に生まれても不衛生な環境で育てば、免疫の弱い子どもはすぐに病気に掛かってしまいます。

スラムの子どもたちの死因で多いのが傷んだ食品を口にして起こる下痢と栄養不足による健康障害。
病気に対する知識がなく、病院に連れていくお金もない母親は途方に暮れるばかりです。

セブのボランティア団体 グローリアセブではスラムとゴミ山に住む子どもたちに、肉と野菜が入った栄養栄養価の高い食事を提供し、子どもの健康増進に寄与しています。

子どもにとって栄養を摂ることは何よりも大切。
十分な食事を摂っていれば病気に掛かる率も低くなります。

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