マニラのパヤタスをはじめフィリピンには多くのゴミ山と、スカベンジャーと呼ばれるゴミを生活の糧にしている人たちが暮らしています。
ゴミ山はダンプサイトと呼ばれ、マニラやセブなどフィリピンの各地に存在しています。
フィリピンにはなぜゴミ山が多いのか
フィリピンはダイオキシンが発生するプラスチックを簡単に燃やすことができません。
各家庭から分別されず捨てられたゴミは焼却されないまま集積場へと運ばれる。
集積場に集められたゴミはすぐに山のように積みあがっていきます。
なぜゴミ山に人が暮らしているのか。
それは行政が管理している集積場が少なく、個人の持っている土地を廃棄物業者に貸しゴミを自由に捨てさせている現状があるから。
フィリピンの行政が管理している施設であればゴミの廃棄や立ち入りについてある程度規制できますが、元々住人が住んでいた場所を、その土地のオーナーがゴミ集積場にしてしまえば、翌日から住人はゴミと暮らしていくことに。
他に行く当てのない住人は、ゴミ集積場となった場所で生きていく術を考えます。
なぜスカベンジャーがいるのか
スカベンジャーとはゴミを拾って生計を立てている人。
元々住んでいた土地がゴミ山になってしまった人たちと、ゴミ山に移り住んできた人がいます。
劣悪な環境でも住んでいる理由は、そこに仕事があるから。
毎日トラックで運ばれるゴミの中からお金になるものを拾いジャンクショップに持ち込んで売る。
例えばプラスチックは1キロ10円、ペットボトルは1キロ30円、紙でも1キロ10円くらいになります。
これはフィリピンの貧困層の人にとってはとても大きな収入。
肉体労働など日雇い仕事では安定的な収入は見込めませんが、ゴミ山のスカベンジャーはゴミを拾えば一定の収入が見込める。
しかしその収入と引き換えにスカベンジャーは、ゴミ山に住むと言う大きなリスクを負っています。
フィリピンのゴミ山に住む危険
ゴミ山では生ごみと日光が化学反応を起こし絶え間なく煙が上がっています。スモーキーマウンテンと呼ばれる由来です。
そのため火災が多くベニア板で作られたスカベンジャーの住む簡素な家は一瞬にして火の海に。
火災が発生しても道が整備されていないゴミ山には消防車が入れません。
消火栓もありませんのでので、燃え尽きるのを待つだけの状態に。
2000年フィリピンで有名なゴミ山、パヤタスは崩落し何百名ものスカベンジャーが犠牲者を出しました。
いまでもパヤタスでは火災が絶えません。
セブのゴミ山、イナヤワンはその危険性から立ち入りが制限されました。
フィリピン政府は2020年までにゴミ山などのスラムをなくすことを掲げていますがその手段はスラムの住人の強制移住です。
しかし強制移住をさせられても仕事はありませんので、結局ゴミ山へ戻ってきて不法居住をすることは容易に想像ができます。
フィリピンからスラムをなくす作業は10年20年ではできないと思いますが、スカベンジャーの子どもが危険や健康の被害に遭わないための対策は早急に求められていています。
発展途上国の環境を自分の目で確かめる
日本にいるとわかりませんが、発展途上国では日本人が想像できないような環境で暮らしている人たちが大勢います。
これらの情報はテレビの報道番組やインターネットでも触れることができますが、報道と実際に大きな差があるのも事実。
観光地のイメージが強いフィリピンのセブ島にもゴミ山やスラム街はたくさんあります。
発展途上国の貧困問題や環境問題に興味のある方は、ぜひ現地に足を運び自分の目で確かめてみてください。
セブのゴミ山の子どもたちへ食事と教育を支援しているボランティア団体 グローリアセブでは、春休みや夏休みを利用して参加できるボランティアプログラム セブ島ソーシャルボランティアを募集しています。
ソーシャルボランティアに参加すれば、驚きと同時に自分の先入観と現実との差に気づくハズ。
百聞は一見に如かず、です。
子どもたちの写真や活動の様子を、セブ島から発信してます! (ロゴをクリック)