セブの環境問題とゴミのリサイクル
セブのゴミの量は1日600トン。人間の体重に例えると約1万人分の重さのゴミが捨てられています。
ゴミ焼却場のないセブでは回収されたゴミは政府が管理するゴミ捨て場か、または民間のゴミ廃棄場へ運ばれそのまま放置され、生ごみの悪臭、腐った食べ物、昆虫や動物など環境に大きな問題を与えています。
2017年、横浜市の技術協力を得てゴミのリサイクル事業が動き出しました。
フィリピンのゴミの分別はふたつだけ
日本のゴミ分別は生ごみなどの燃やすゴミ、プラスチックや金属の燃やさないゴミ、そして古紙、ビン、缶など詳細な種類に分別されゴミを出す日が決められています。
フィリピンではプラスチックなどリサイクル可能なゴミと生ごみなどリサイクル不可のゴミの二種類の分別だけ。
分別されたゴミは週一回、同じ日に回収されゴミ集積場へ運ばれて行きますが、実際は分別の習慣が行き届いていなく燃えるゴミもリサイクルできるゴミも同じゴミ袋に詰められています。
スカベンジャーにとってゴミは宝の山
焼却場が整っていないフィリピンではダイオキシンなど環境問題の観点からプラスチックを償却することができません。
家庭から回収された分別されていないゴミはすべてゴミ集積場へと運ばれそこで放置されます。
これがゴミ山です。
セブには5か所のゴミ山があります。
毎日ゴミが運ばれてくる集積場はゴミ拾いを生業とするスカベンチャーにとっては宝の山。
プラスチック、金属、ペットボトル、生ごみ以外は何でもお金に換えられます。
スカベンジャーにとってはゴミは分別されていない方がありがたいのです。
但し、不衛生なゴミ山は環境問題とスカベンジャーの健康に悪影響をもたらすため、立ち入り禁止や閉鎖されるゴミ山も増えてきました。
政府が管理するゴミ山では分別されていないゴミを一度集積場へ運び、スカベンジャーがゴミ拾いをした後、改めてその場からゴミを回収し別の集積場へ運んでいるケースもあります。
廃プラスチックのリサイクル事業への期待
日本の環境省と横浜市のバックアップでセブ市郊外に建設された廃プラスチックリサイクル工場。
この工場でリサイクルされたプラスチックは燃料に生まれ変わり、環境問題の解決に大きく貢献します。
セブの各地から集められた廃プラスチックを再生可能なプラスチックとそうでないものに分別。
再生可能なプラスチックはそのまま加工業者に引き取られ、その他の廃プラスチックはリサイクルマシンで細かく裁断されていきます。
裁断されたプラスチックは燃料などの資源としてリサイクルされます。
ゴミの分別が環境問題を解決する第一歩
フィリピンの環境問題を解決するためにはゴミのリサイクルと併せフィリピン人がゴミ分別の習慣を身に着ける必要が不可欠。
道端にゴミを平気で捨てるフィリピン人にとってゴミを分別して捨てる習慣づけは今日明日ではできません。
でも、セブのゴミの1/4がリサイクル可能なプラスチックと言う現実。
セブの環境問題解決のため、リサイクル工場の建設と併せ環境問題への国民の意識付けが急務となっています。
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