フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
瑞樹 大学2年
私がグローリアセブのボランティアに参加して学んだことは三点です。
一点目は、スラムに対するイメージが偏見であったということです。
貧困やスラムと聞いて一番初めに持っていたイメージは不幸でした。
どの支援サイトの写真を見ても、みんな苦しそうな顔をして働いていたり、ご飯を食べるにも無表情で土まみれで食べているなどの暗い写真しかみたことがなかったからです。
私たちが身につけている物を盗まれるんじゃないかとか、しつこく金銭の要求をしてくるんじゃないかなどの危ないところという勝手な偏見もありました。
しかし、そんな偏見やイメージは、1日目の山岳地帯の貧困地区であっという間に覆されました。
バスがつくなり子供たちがすぐさま元気に駆け寄ってきてくれて、貧困地区の子供たちはこんなにも元気なんだと感じました。
すごくフレンドリーで、「名前は何?」「写真撮ろう!」などと声をかけてくれて、踊ったり折り紙で遊んだりしている様は日本で見る子供たちと何ら変わりない様子ですごく楽しんでいたのが衝撃的でした。
日本なら、知らない10人もの外国人が家の前をぞろぞろと急に歩いて写真を撮っていたら不審がると思いますが、スラムの人々は手を振ってくれたり日本語で挨拶をしてくれたりと本当に社交的な人が多いのだなと感じました。
二点目は自分達にできる支援は募金だけではないということです。
スラムの人々はいい人ばかりでしたが、やはり生活環境を見ると過酷な環境で過ごしているということがよく分かりました。
ガラスの破片が落ちていたり、雨で洪水してしまったり、ゴミのせいで悪臭がしていたりなど日本では考えられないような環境でした。
そんな衛生状態も悪い環境の中でも私たちが足を運ぶと子供たちがすごく喜んでくれたことに、今回のボランティアが役に立っているんだなと実感しました。
環境を変えることは難しく、すぐにできるわけではないですが、古着や使わない文房具を寄付するという小さなことでも、自分にできることをしようと思いました。
三点目は、幸せの価値観についてです。
スラムの人々が、貧困ながらも自分よりも幸せを感じているように思えたのは、幸せの水準が日本人は高すぎることにあるのだなと考えました。
学校に通って勉強ができること、バイトをしたいと思えば職種を選んでお金を稼げること、このような機会を設けてもらえて海外に行くことができることなど全てのことにさらに感謝しなければならないなと改めて実感しました。
どの地域のスラムの子供たちも、最後のお別れの時には大きくなったら日本に行くから!と言ってくれました。
この言葉が何よりも印象深く、自分の幸せに対する価値観を見直す大きなきっかけになったと思います。
日本に帰ってからもセブで得た経験を忘れずに自分にできることを、日頃の当たり前だと思っていることに常に感謝していきたいです。
2022年9月
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