知弥 近畿大学3年

グローリアセブのボランティアに参加した理由は、元々ボランティア活動への関心があったことと、時間のある今でしか出来ない経験であると考えたからです。この活動についてはインターネットで海外のボランティア活動について調べた際に知りました。

私がこの活動に興味を持った以前にセブ島について知っていたことは、リゾート地であると言うことだけでした。

ただ、フィリピン(セブ島)について調べていくと、リゾート地と呼ばれるような所はほんの一部だけで、他はまさに発展途上国と言うべきような、インフラも整っておらず、貧困層が多くいるようなところなのだと知っていきました。

そうした事実を知っていくと、ますます興味が強くなっていき、不安と共に、新しいことを身をもって知っていけると言う期待感が大きくなっていきました。

初日にセブ・マクタン空港についた時は、とても貧しい国であるとは思えないような、綺麗で近代的な外観に驚きました。

しかし、タクシーで宿泊先に向かっていると、段々と未開発な様子に変わっていき、その変化に驚きました。街全体を見てみると、掘建小屋のような建物や古く背の低い建物と、新しい高層ビルなどが本当に違い距離に存在していて、そこに違和感のようなものを感じました。

次に、実際に活動を始めてみて感じたことは、貧しい暮らしをしているからといって不幸ではないということです。

1日1日を生きていくことが大変な状況でも、夢を持ち、思いやりを持ち、将来の事を考えて生きている様子は、とても幸せそうで見ていてかっこいいと感じました。

インタビューでは、親は子供の将来のことを考えて学校に通わせたいと思いながら、それと同時にしっかりと自分の夢を持っており、子供は小さい時からしっかりと夢や目標を持ち、それを実現するために一生懸命になっていて、その様子に尊敬の念を抱きました。

もちろん、スラムに住んでいる全ての家庭が同じように考えられているわけではなく、今回インタビューをした家庭がスカラーの家族だったためにこのような考えを持てているのだと思います。

だからこそ、スカラーシップの制度をより多くの家庭に広げることがより多くの人が将来について考え、先を見て生きていけるきっかけになると思いました。

そして、子供たちとアクティビティをして感じたことは、子供がしっかりと子供らしさを持っていると言うことです。

私はこのことにとても安心しました。

活動前は、1日を生きるのが大変な状況の中で子供たちが純粋に物事を楽しむ心を持てているのかが不安でした。

しかし実際は、アクティビティを全力で楽しみ、私たちが汗だくになってしまうほどエネルギッシュな様子を見て、安心して嬉しくなりました。

悪いことを考える子は1人もおらず、スマホを貸しても写真を撮って満足すれば返してくれたり、私が疲れた様子を見せると気遣って椅子を持ってきてくれたりして、本当に優しい子ばかりだと感じました。

ただ、やはり主に衛生的なことは懸念点としてあって、どこのスラムでも衛生的な問題は感じました。

中でも驚いたことが、ゴミをそこら辺に捨てることが彼らにとっては当たり前で、むしろそうしなくてはいけないと思っていることです。

ゴミが出るとみんな当たり前にゴミをそこら辺に捨てていて、それを拾おうとすると駄目だと止められたこともありました。

この意識をどうにかして変えない限り、衛生的な問題は無くならないと思いました。

ただ、当たり前に持っている考えを変えると言うことはとても難しいことで、一朝一夕で出来るようなことではないので、非常に難しい問題であるとも思いました。

今回のボランティア活動は、間違いなく私の人生の中でも大きなものになったと思います。

日本にいてはただの画面の向こうのことが、実際に見て感じるだけでこうも違う見え方になるのかと痛感しました。

私たちがこれからするべきことは、日本に帰ってからこの1週間で見てきたもの、感じたことを周りの人やに伝えていくことだと思います。

そうすることが、セブ島やその他の世界中のスラムや貧困について考えるきっかけになれば嬉しいです。

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