帆ノ果 神奈川県立保健福祉大学1年
まず初めに自信を持って言えることはこの経験が自分にとって大きな財産になったということである。
きっとグローリアセブのソーシャルボランティアしに参加していなかったら、適温の部屋で好きなお菓子を食べながらだらだら過ごしていたことだろう。
春休みも終わりを迎えるこの1週間をフィリピンで生活する選択をした私は正しかったと思う。
不安や緊張を抱えながら1人でセブにやってきた私を何度も助けてくれたボランティア仲間や、温かく受け入れてくれた現地の人たちにはとても感謝している。
私が特に印象に残ったのは大きく2つである。
1つ目はスラムの場所によって、子どもたちの性格が少しずつ違ったということである。
私たちが訪れたのは墓地や山村、川やゴミ山などだった。
どこへ行っても子どもたちは笑顔で出迎えてくれ無邪気な姿を見せてくれたが、場所によっては喧嘩が目立ったり、人懐っこい子がいる一方で、離れた場所から警戒するように見ている子がいたりした。
もちろん1人ひとりの個性があり自分から私たちの方へ寄ってくる子以外の子たちを否定する気持ちは全くない。
ただ子どもたちの様子を観察していると、生活環境と子どもの成長には密接な関わりがあるのではないかと感じた。
衛生面や支援状況に加え、大人と関わる頻度や生活習慣、生活空間の広さなど様々な要素が影響していたように思う。
子どもは生まれる場所を選べない。
しかし環境を変えることは不可能ではない。私たちに見せてくれた光輝く笑顔と素直な心を守るために考えるべきことは山積みであると感じた。
もう1つ印象に残ったことは言葉についてである。
青空教室でペアになったバークリスは一生懸命ビサや語を教えてくれた。
私も必死になって言葉を覚え少しではあるがようやく話せるようになったとき私はとても嬉しかった。
そして何よりバークリスが誇らしげな顔をして嬉しそうにしていたのを見れたことが嬉しかった。
活動終盤、警察官になるのが夢だという彼はポリスは日本語で何と言うかを質問してきた。
“警察官”だと伝えると何度も繰り返し発したあとにニコニコしながら他の人のもとへ言いに行っていた様子を見て、新しい言葉を覚える嬉しさとはこういうことだと改めて感じた。
もちろん、鬼ごっこなどのように言葉なしでも仲を深めることができないことはなかった。
しかし、 お互いが共通の言語を獲得することでコミュニケーションのレベルは格段に上がる。
そのことに気付き、言葉は生活を豊かにするだけでなく心をも豊かにするツールになり得るのだと感じたとき、教育の必要性を強く感じた。
以上2つのことを中心に書いたがこの1週間で得たもの全てを伝えるにはこの紙では足りない。
それくらい刺激のある濃い1週間を過ごすことができた。
今後、進路選択をするうえでもヒントになりそうな予感がしている。
この経験を大切にするとともに 有効活用できたら良いと思う。
また、今回出会った人たちと同じ地の上に足をつけをしている私はどのように生活するべきか改めて考えるきっかけにもなりとても有意義な時間であった。
2024年3月
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