みなみ 神戸市外国語大学2年
グローリアセブのボランティア活動を通して、貧困状態にある人に対する印象が大きく変わった。
以前は貧困に苦しむ人々は少なくとも生活に困難を抱える現状に疑問と不満を感じながら、笑う暇もなく毎日を必死に生きているような暗くて、かわいそうだというイメージがあった。
しかし、実際にスラムや貧困地区を訪れてみると、住宅の環境や衛生環境が酷くてもみんな笑顔で楽しそうに暮らす、幸せな光景が広がっていた。
私たちのことを見つけると、老若男女問わずみんなにこやかに声をかけてくれ、手を振ってくれた。
私が逆の立場だったら、自分より裕福な人々が何もくれないのに、ただ自分の住む家のあたりをジロジロと見て回っていて、不快だというように感じると思うが、彼らにはそのような考えは少しもなさそうであった。
しかし、それらは単に彼らが心が広いとかそういうことではなく、彼らが現状にあまり不満を抱いてないためだということに今回気づかされた。
彼らは貧困地区で生まれ、そこで育っており、その周辺の同じような境遇の人々としか主に交流しない。
そのため私達から見た劣悪な環境は、彼らにとっては当たり前のものであり、外の世界を知る機会が乏しいため、その生活に疑問を抱かない。
そしてその状況の中から、些細な幸せを見つけて暮らしていた。
私はこのことを知って、言葉にできないような悲しさを感じた。
私たちがボランティアをして彼らと交流することは、彼らにとって外の世界を知る、視野を広げる一歩に繋がり、貴重な役割を果たしている。
ただ私は中途半端に外の世界を教えることは、知らないことで感じていた幸せが損なわれ、彼らによりつらい思いをさせてしまうのではないかという考えが浮かんだ。
しかし、外の世界を知らないままでは現状は何も変わらず、貧困の連鎖が続いてしまうだけであり、問題は何も解決しない。
よって、貧困層の子供たちと交流し、自分の置かれた状況を客観視できるように視野を広げると共に、その状況を打開するための「学力」を身に着けられるように支援することが問題の根本的な解決に必要だと改めて感じた。
ボランティア活動を終えて、貧困の子供たちにこれからの私ができることは、このボランティアでの経験を伝えることだと思う。
ボランティアとして実際に見た光景や子供たちの様子、言葉、そして自分が感じたことを伝えることで支援の輪が広がり、問題の根本解決につながると考える。
また古着や文房具の寄付等など、今回の活動を通して改めて必要性を感じた。
物資的支援にも積極的に取組んでいこうと思う。
ボランティア活動を通じて自分の無力さを痛感したが、そんな無力な自分にもできることを探し、子供たちにとっての幸せは何かということをこれからも考え続けていきたい。
このボランティアを通して、数えきれないほどたくさんのことを学び、たくさんのものを得ることができました。
本当に良い経験になりました。参加してよかったです。
2025.03.12
ボランティア参加者 募集中!
▹子どもたちと交流する「春休み・夏休みソーシャルボランティア」を見てみる