りこ 龍谷大学2年

私は最初、フィリピンに住むスラムの人たちは電気もガスも水道も届かない環境の中で、ただ生きることだけを目標に生活していると思っていました。

ですが、実際に各スラムに訪問してその固定的なイメージとは真逆でした。

彼らは私たちが日々当たり前だと思っていることに幸せを感じ、夢や希望を持って生きているのだと知り、勝手なイメージを持って申し訳なく思いました。

 

フィリピンのスラムを見て驚いたことは、大きな通りから路地に入るとすぐスラム街だったり、市内の中心にあることが多いのだなということです。

1日目に訪問した墓地ではオープンな場所で生活しているためプライベートがなく、生活も大変だろうなと思いました。

それに比べて山岳では、外から見ただけでもちゃんと家があることが分かり、スラムの形にも色々あるのだと知りました。

また、スラムの子の中にはスマホや時計などを持っている子もいて驚きました。

 

2日目の家庭訪向では、私は公衆衛生と栄養というキーワードを持って訪問しました。

日本でスラムについて調べた時に、飢餓や栄養失調という言葉をよく耳にしたのでやはりそのイメージが強かったのですが、実際に聞いてみるとお腹いっぱいに食べれていたり、食べ物が足りなくて困ったことはあまりないと言われ、驚きました。

しかしどんな栄養が足りていないですか?という問いに対しては、“野菜”と答えていました。

確かに、スーパーや市場でも野菜のコーナーが特に少なく、フィリピン文化としても野菜の摂取が少ないのかなと思いました。

ただ、野菜から得られる栄養も多いため、先週国の支援のあり方として考えるものがありました。

 

また、衛生面ではどのスラムでも決して良い環境ではないと思いました。

子どもたちは爪にゴミが溜まって真っ黒だったり、虫歯の子が多かったり、頭じらみだったりで、もう大変だ!と思いました。

医療制度が整っているのかも気になっていたけど、それ以前に個人個人が日々不衛生な状態であり、手洗いうがいや歯みがきなど、衛生面の指導を子どものうちから教育することも必要だと思いました。

 

SDGsに関連した質問に対して、フィリピン人がSDGsを知らなかったことにとても驚きました。

先進国では大手企業から小学校まで、幅広くSDGsの取り組みを行っていますが、それは先進国だけの話であって彼らには届いておらず.偽善者なのでは?とすら思いました。

現にフィリピン人の彼らはゴミを地面に捨て、そのゴミを集めて生計を立てている人もいる、そんな社会のサイクルは今後変わることはあるのかと思いました。

ただ、山や海といった場所をゴミで埋めつくすわけにもいかないので、私が今後就活をするときはSDGsがただのアピールになっていないか、どんな取り組みをしてどう還元しているのか、しっかり見極めようと思いました。

 

今回のボランティア活動を通して何度も思ったことは、環境(貧困)と心の豊かさ(幸福度)は比例しないということです。

それ以上に彼らは、私たち以上に日々の生活を大切にし、感謝し、幸せと夢を追い続けている感じがしました。

また、彼らの勉強に対する意欲はこちらが見習わなければと思うぐらいすごくて、日本に戻っても日々の生活を大切にし、学ぶ姿勢を改めようと思いました。

また栄養学生として今後彼らにどんなサポートができて、自分自身に何ができるかを考え続けたいと思います。

2025.03.19

 

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