みつき 宇都宮大学4年

セブでのボランティア活動に参加し、大学の講義や日本での日常生活では決して触れることのない現実を目にすることができた。

そこでの経験は、実際にその場を見たからこそ得られたものが多く存在した。

 

とりわけ印象に残ったのは、人々の生活と「ゴミ」との関わりである。

日本ではゴミを捨てることはマナー違反であり改善すべきものとされるが、現地ではそれが生活の一部であり、そこから収入や日常が成り立っている面がある。

ゴミ山を訪れた際、子どもたちが目の前でゴミをポイ捨てし、その積み重ねで山が大きくなっていく様子を見た。

規制を設ければ環境は整うかもしれないが、それが必ずしも現地の人々にとって望ましい未来につながるわけではないと感じた。

生活を良くするために変化は必要だが、その変化は本当に幸せに結びつくものでなければならないと考える。

 

同時に、生活の苦しさや大変さが、必ずしも「楽しさのなさ」や「笑顔のなさ」と直結しないことも実感した。

厳しい環境の中でも、多くの笑顔に出会ったからである。

困難があるからといって一概に不幸だと決めつけるのは外からの見方にすぎず、幸せの形は一つではないことを思い知らされた。

だからこそ、支援は単に先進国の基準を押し付けるのではなく、人々が自分たちなりの価値観を守りながらより良い未来を築けるよう寄り添うものであるべきだと感じた。

 

今回私たちが見たのはセブの現実の一部に過ぎない。危険なため訪れることができなかった地域もあり、知らない現実はまだ多く存在する。

その限界を忘れず、自分の体験を一面的に捉えずに今後につなげていきたい。

 

セブでのボランティアは、単なる異文化体験ではなく、幸せや支援の多様性について考え直す大きなきっかけとなった。

人々の暮らしの中にあった笑顔を思い出しながら、一つの価値観にとらわれない広い視野を持ち続けたい。

2025.08.20

 

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