フィリピンの治安と、具体的なスリの手口。
そして、もしも被害に遭ってしまった時の対処方法について、3年間で2回、スマホを盗まれた経験のある僕が、くわしく説明します。
海外では当たり前の安全対策
あなたはお財布とスマホを片手に持って近くのコンビニへ行きますか?
ズボンの後ろポケットにスマホを入れて歩いていますか?
日本は世界一治安と秩序が保たれている国で、セブに限らず日本よりも治安の良い海外はありません。
海外では日本にいるときと同じ感覚では過ごさないでくださいね。
・お財布とスマホをむやみに出さない
・知らない人から声を掛けられても深入りしない
・荷物をからだから離さない
この3つの行動を守るだけで危険に対するリスクはかなり軽減します。
路上やお店など公衆の面前でスマホを取り出し写真を見たりLINEをチェックしていればあなたのその行動を誰かが見ていてスキがあれば盗もうと考える人がいるかもしれません。
スマホ、特に高額なiphoneは狙われやすいので公衆の前では極力出さないでください。
お買い物をするときにもお財布を出すのはしかたありませんが、財布の中身が見えないように広げてください。
フィリピン人はとても社交的な性格で初対面でもHiと気さくに声をかけてきます。
99%の人は好意的な挨拶ですが、中には相手を騙すため挨拶のあと色々と話を続ける人がいますので、話しかけられても深入りはしないでください。
何かを薦めてくるのが手口で、断ることに慣れていない日本人は相手の罠にはまってしまう可能性もあります。
セブの大半の人たちは日本人に好意を持った挨拶ですが念のために。
カフェやレストランに入ったとき、テーブルの上にスマホを置いたり、空いている椅子に荷物を置くのは日本では日常的な習慣ですが、海外では厳禁。
荷物は必ず膝の上に置いたり肩から掛けたりして身から離さないでください。
スマホも手から離さないこと。
自分の視界に入っている荷物やスマホがなぜ盗まれるのか?
その手口は後ほど説明します。
渡航前や到着日はセブの治安と安全対策について強く意識していると思いますが、3~4日経つと気が緩んでくるもの。
セブで充実した時間を過ごすためにスマホ、荷物、そして知らない人からの誘いは常に意識しておいてください。
気を付けて欲しい場所はレストランの店内
セブはマニラと比較してフィリピン国内では治安の良い場所です。
大きな事件や国際的な犯罪も起きていません。
でも、治安の良いセブでもスリと置き引きなどの軽犯罪には注意が必要。
モノを盗まれる場所として一番注意が必要な場所は飲食店です。
特に友達やグループでお茶や食事をしていると話に夢中になり荷物のことはつい忘れがちに。
意識しないまま荷物を空いている椅子や足元に置いていたり。
スリは店内で隙のある客を探し、声を掛けてきたリ、足元にわざとモノを落として注意を引き、別の人間がバッグなどを盗んで店外へ消えていきます。
オシャレで治安も良さそうな場所に見えても飲食店では荷物を膝の上や肩から掛けておくなど自分の身から離さないようにしてください。
ショッピングモールでは詐欺にも注意
セブのすべてのショッピングモールやスーパーマーケットの入り口では治安維持のためガードマンによる来店客の荷物検査が行われています。
でも、危険物を持っていなければ誰もが入館できる公共施設は注意が必要です。
ショッピングモールに出没するスリは、見た目犯罪者とは見えない格好をしています。
整った身なり、紳士淑女的な風貌。子どもを抱えて家族を装っている集団もいます。
エスカレーターや通路を歩いているとき、やけに身を寄せてくる人がいたら要注意。
別の人間が逆側からあなたの荷物の中を狙っています。
声をかけてくる人にも注意してください。
「日本人ですか。私も日本へ行ったことがあるんです」
「ちょっと手伝ってもらえませんか」
日本人はこれらの問いかけについつい反応し話を合わせようとしますので、相手の罠にはまりやすいです。
その後ものを盗まれたりお金を騙し取られたり。
見ず知らずの人から声を掛けられても挨拶程度にとどめそれ以上は接近しないでください。
2015年にはトランプ詐欺が流行りました。
言葉巧みに家に招かれゲームやトランプで楽しんでいると、いつの間にかそれがギャンブルになっていて大金を脅し取られる詐欺。
有名な手口として注意が促されましたので現在はほとんど聞かなくなりました。
子どものスリに警戒
セブには路上で暮らしているストリートチルドレンがたくさんいます。
彼らは物乞いや物売りで暮らしていますが、中にはスリをする子も。
はじめは手を差し出してきて物乞いの様子ですが、いつの間にか5~6人の子に囲まれポケットやバッグに手を入れモノを奪い取っていきます。
10歳前後の子どもなので本気になって防御できず、いつのまにかスマホや財布を盗まれてしまいます。
犯罪を犯すストリートチルドレンは繁華街のほか語学学校の近くにも多くいます。
もちろん路上で暮らしている子どもたちがすべて犯罪者というわけではありません。
それはほんの一部の子どもたちで、罪を犯すストリートチルドレンは悪い大人に操られている社会の被害者なのですが、10歳前後でもシャブ、ドラッグをやっていますので注意してください。
(写真と記事は関係ありません)
一人でジプニーには乗らない
ジプニーとはフィリピンの路線バスのこと。
停留所はなくどこからでも乗降できるフィリピン人の足とも言える乗り物です。
運賃が約15円と安く、長期滞在の語学留学生も利用する人が多いのですが安全面を考えたらジプニーの利用はお薦めしません。
ジプニーの車内は治安が悪いからです。
車の揺れに乗じて身を寄せて来てものを盗み、盗んだ後はすぐに下車するスリ。
車が止まった時に外から手を入れて来て荷物をを盗む強盗。
こんな時、他の乗客は関わりたくないのか見て見ぬふりです。
グローリアセブのボランティアでは活動先まで毎日往復専用車で送迎しますのでジプニーに乗ることはありませんが、中長期滞在の留学生でジプニー利用の人は安全に注意してください。
セブで治安の悪い場所
被害に遭わないためには自分自身でしっかり安全対策をすることが重要だと書いてきましたが治安の悪い場所もセブには存在します。
特に留学生が注意すべき治安の悪い場所は
・繁華街
・ショッピングモール
・語学学校の近く
セブの治安の悪い場所としてはダウンタウンのコロンストリートと歓楽街のマンゴアベニューが有名。
それらはすでに治安の良くない場所として名が知られていますので、ここでは治安の悪いところとしてあまり意識されていないエリアも挙げておきます。
まずは語学学校と寮の近く。
犯罪者はお金持ちの外国人をターゲットにします。
留学生がいつも大金を所持しているとは言えませんが、フィリピン人から見れば明らかに自分よりもお金を持っていると考えます。
また、留学生や観光客は短期滞在のため逮捕されても裁判にならないと言う読みもあります。
寮の近くの茂みに潜むスリ。
留学生を甘い言葉で誘いバイクに乗せて法外な金額を請求する詐欺。
これらは2016年に実際にあった実例です。
留学生が一番気を付けなければいけない場所が学校寮の近辺なんです。
セブの歓楽街で有名な場所はマンゴアベニューは、旅行ガイドブックではセブのアップタウントとダウンタウンの境にあるフエンテオスメニア、別名オスメニアサークルと紹介されている場所から伸びている通りです。
東京の街で例えれば歌舞伎町。
バーやカラオケ店が密集するマンゴアベニューはセブで治安が最も悪い場所と言われていますので夜は行かない方がベター。
それでも繁華街で遊びたい留学生は必ず何人かのグループで行くか信頼できる地元のフィリピン人に同行してもらってください。
SMやアヤラなどセブには観光客が訪れる大きなショッピングモールがありますが、観光客が集まる場所には犯罪者も集まります。
ショッピングモールにはスリや置き引きもいますので、安全対策のためお買い物はグループで、お互いの荷物を確認し合うように。
セブのスラムが安全な理由
貧困層が住むスラム街。とても危険で治安の悪いイメージを持つと思いますが実はスラムは安全なんです。
なぜスラムが安全なのか?
犯罪者はお金持ちの集まるモールや観光地、語学学校周辺に集まり、貧困層が暮らすスラムには外部から悪い人間は入って来ません。
また、スラムにも住民のコミュニティがあり、もしも住人の誰かが悪いことをしたらそこに住んでいられなくなるので自分の居住エリアで悪しことはしません。
スラムと聞くと怖い場所と考える日本人が多いですが、実はスラムは繁華街よりも治安の良い安全な地域と言えます。
実は多いスマホの置き忘れ
セブの治安と安全対策の実際を紹介しましたがグローリアセブのボランティア参加者はこれらの犯罪に遭った人はいません。
でも、残念ながらスマホを置き忘れてしまう人が何人かいます。
タクシーの車内で写真を見ていて、目的地に到着し運転手からお会計を言われた時、とっさにスマホを横に置き支払いを済ませ降車してしまった。
トイレに置き忘れてきた。
このふたつです。
これらは治安とは関係なく自身の不注意で、盗まれたと錯覚する人もいますが単に置き忘れ。これが一番多いんです。
タクシーやトイレで置き忘れた場合、長期滞在者でしたら探すこともできますが、短期滞在の場合は滞在中に戻ってくることは難しいので置き忘れには十分注意してください。
被害に遭ったら警察へ届けよう
運悪くスリなどの被害に遭ったり、持ち物を紛失したら管轄の警察(交番)へ行きポリスレポートをもらってください。
セブ市内には警察署が10数か所あり24時間警察官が勤務しています。
もしも被害に遭ったら近くのフィリピン人に管轄する警察の場所を聞き、被害を報告してください。
警察官との会話に自信がない人は観光客なら旅行ガイドに、留学生なら語学学校のスタッフに頼んでください。
ポリスレポートがなぜ必要なのかと言うと海外保険に加入している場合、警察の証明書、ポリスレポートの提出を保険会社に求められるからです。
紛失または盗まれた日時、場所、紛失したものの名前と被害額を聞かれます。
金額は大雑把でかまいません。
口頭で質問を受け記載は警官または事務員がします。
その後警察からポリスレポート発行の請求書が渡されますので、それをサントニーニョ教会の裏手にあるセブ市役所の窓口で納め、領収書を持って再び警察に行くとレポートを受け取ることができます。
ポリスレポートの手数料は数百円です。
但し、この作業に1~2日費やすので帰国日が迫っている人はレポートを受け取ることができません。
その場合、保険会社に事情を説明して保険が下りるかどうか確認してください。
ちなみに保険対象となるのはモノに限られ現金は保険対象外です。
必ず警察に届けた方が良い理由
帰国日の前日にパスポートや財布の入ったカバンを盗まれてしまったある日本人の例を紹介します。
日本人のグループ数名で夜パブで飲んでいたところ、知らない間に足元に置いておいたバッグを盗まれていました。
お会計の時にすられたことを知りました。
すぐ警察に行き被害報告して宿泊先ホテルに戻ったのですが、しばらくして警察からバッグが見つかったと連絡が来ました。
パブのゴミ箱に捨てられていたバッグを清掃員が見つけ警察に届けてくれたんです。
残念ながら現金は取られていたのですが、大切なパスポートとクレジットカードは手元に戻って来ました。
もし警察に行っていなければ折角荷物が見つかっても手元に戻ってくることはなかったかもしれません。
被害に遭ったら必ず警察に報告してください。
このように紛失物が戻ってくるケースもあります。
ぼったくりタクシーが多いのは本当か?
治安と安全の話から少し逸れますが、最後にタクシーについて触れておきます。
タクシーにぼったくられたと言う話を聞きますが、それはぼったくりではありません。
ぼったくりとは急に多額の請求をされ半ば強引に支払いを要求されることですが、みなさんがぼったくりと言っているのは乗車時に運単手からメーターは使わずいくら、とか、メーター料金プラスいくらと言われる行為です。
乗車して目的地を告げたとき、それが遠い場所だとそのようなことを行ってくる運転手がいますが、その金額に納得できなければそのまま下車して別のタクシーを利用してください。
セブ市内からビーチリゾートのあるマクタン島へ行く場合などに、メーターを使わずに金額を言われる場合があります。
目的地でお客さんを降ろした後、帰りは空車の状態でセブ市内まで戻ってこなくてはならないため往復料金を見込んだ金額を言ってくるのです。
例えばセブ市内からマクタンのビーチリゾートまではメーターだと250~300ペソぐらいですが、運転手は500~1,000ペソと言ってきます。
最初はダメ元で高めに言ってきますので交渉することも可能。
ちなみにセブ市内のタクシーは全車メーターが付いてます。
また、下車するときに急に高い料金を言ってくることはほぼありません。
最低限の注意をすれば危険リスクは軽減
セブの治安状況と安全対策の心得を書きましたが、1~2週間程度の短期滞在者は
・飲食店や繁華街で自分の荷物とスマホを身から離さない
・見知らぬ人の誘いに乗らない
・スマホを置き忘れない
この3つをいつも頭に入れて行動していれば必要以上に治安を心配しなくて大丈夫です。
グローリアセブでは現地でのオリエンテーションでセブでの生活と治安に関する注意点を詳しく説明しています。
またボランティア活動中も日本人スタッフが同行しサポートしていますので、いままで犯罪に遭った方はいません。
セブへの旅行や留学、そしてボランティアを考えているみなさん
安全に気を付けて楽しい思い出をつくってください。
ほとんどのフィリピン人は、みなさんを暖かい笑顔で迎えてくれるはずです。
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