ゴミ山の家

家はなくても生きていける

毎日の食べるものにも苦労しているフィリピンの貧困層。
人間が生活していく上で必要な食事、衣服、そして居住の3つを指して衣食住と呼びますが、限られた収入しか見込めない貧困家庭の場合、そのほとんどを食事代に費やし住居や衣服は疎かになります。

家は住めれば多くを望まない、家がなければ最悪路上生活でも生きていく。

日本から来る学生ボランティアが驚くフィリピン セブ島の貧困家庭の住まいの実態について。

雨風を凌げれば十分

フィリピンの貧困家庭の家はほとんどが木材。
拾ってきたベニヤ板をつぎはぎ壁を作り、屋根はトタン板。

玄関や窓にドアやガラスはなくオープン、誰もが出入りできる造り。
プライベートなどありません。

雨風が凌げて寝ることができれば最低限それで良し。

特徴的なのはどの家も地面から数十センチ床を上げて造っていること。
雨期には大雨や洪水が多く下水溝が整備されていないフィリピンでは高床にしないと家中が水浸しに。

木材で造られた貧困家庭の家にも入り口に必ず階段があります。
河川の洪水で水が押し寄せてきたとき荷物を非難させる場所として二階を使います。

トイレもお風呂もない家の間取り

居住スペースの大半は寝室。
台所はもしもの火事に備えて玄関の近くか屋外。

台所と言ってっも炭で火を起こして煮炊きする程度。
まるでキャンプ生活の様相です。

トイレは室外の共同トイレを周辺住民と共用するのが一般的。
但し有料の場合が多く一回の利用料は10円ほど。

例えば家族7人で1日一人3回トイレを利用すれば210円も掛ってしまいます。
一か月で6,000円。

なんと家賃よりもトイレ代の方が高額と言う事実
そのため男性や子供は路上や川で用足ししてしまう人の割合が高いです。

トイレもない家にバスルームが有るハズもありません。
フィリピン人は裕福層でもバスタブに浸かる習慣はなくシャワー利用。
但し常夏のフィリピンではお湯ではなく水シャワー。

貧困層のパスタイムは行水です。
大きな桶に水を張り体に石鹸を付けて手桶で流す。

女性はTシャツを着て、男性はパンツを履いたまま体を洗うのが一般的。

スラム街の家

家賃と光熱費

親戚などからの借家と自分で家を建てて暮らす場合があります。
借家の一か月の家賃は2,000円~6,000円程度。

安い家はベニヤ板で覆われただけの玄関扉も窓もない簡素な造り。
壁がコンクリートやレンガで造られ四方を囲まれた住まいは貧困層にとっては高額の家賃です。

電気代は一か月約1,000円~2,000円。
節約のため昼間は消灯しテレビも時間を決めて観ています。

借家の場合、収入に対して家賃と光熱費の占める割合は3割ほどです。

生活用の水は地下水をポンプでくみ上げて使います。
飲用水は10リットルで約150円。

スラム街や空き地、ゴミ山に勝手に家を建ててしまう貧困家庭も珍しくありません。

廃材を集め自分たちで建てるので建設費はとても安価。
数千円もあれば家を建てられます。

電気も水も通っていませんが寝ることができればそれで充分。

無許可で家を建てるリスクはいつ立ち退き命令を下されるかわからないこと。
勝手に他人や国の土地を借用し暮らしているので文句は言えません。
その理由もあり、簡素で安価な家を建てています。

なぜ家賃を切り詰めるのか

家を借りたり建てたりするとき、その場所を選ぶ基準はそこに仕事があるかどうか。

海や市場の近くなら荷物運び
観光地の近くなら物売り
ゴミ山ではゴミ拾い

一か所で継続的に仕事にありつくのは難しいので貧困層は仕事を求めて街を転々とします。
だから住まいにお金は掛けません。

無駄な家賃にお金を掛けるより、生きていくために絶対に必要な食事代の確保が優先。
手元にお金があれば、まずお米を買う。
次に肉や魚。

それでお金が無くなれば家を出る。
年間を通して気温は低くても20度以上ある常夏の国フィリピンでは、最悪外で寝ても凍死するようなことはありません。

ボランティアで知る貧困の暮らし

あなたがもし貧困の暮らしを自分の目で確かめてみたいと思ったらスラムやゴミ山の家庭訪問を経験してください。

でも一人ではそんな場所に足を踏み入れることは困難ですので海外ボランティアに参加して安全に。
グローリアセブのセブ島ボランティアでは、貧困家庭の家を訪問するだけではなく母親や子供にインタビューを行い、現在の悩みや将来の希望を聞くことができます。

日本人が同行するので海外ボランティアが初めてでも英語が苦手でも大丈夫。
途上国の貧困の暮らしを知りたい方にお薦めです。

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