スラムの貧困層を悩ませる自然災害

スラムに住む貧困層に悩みを聞けば、最初に答えるのがお金。
そして次は住環境に関する切実な悩みです。

お金の問題は急に起こるのではなく日常的で予期できる。
でも、自然災害は予測ができずいつも怯えながら暮らしている。

熱帯性モンスーン気候のフィリピンでは6月から12月の雨季には毎日のようにスコールが大雨を降らせます。
治水が整備されていないフィリピンは大雨の日は街中でもすぐに膝まで雨水がたまり道路は車が走行できなくなるほど。

川の上や海辺に住むスラムの住人は自然災害の影響を一番に受け、家の中は腰高まで水が溢れ生活することはできなくなります。

雨水だけではなく、水と一緒に運ばれてくるゴミが家を覆いつくのすも悩み。

自然災害のときには近くの小学校や役場に一時避難しますが家に戻ればゴミの山。
スラムから出されたゴミに加え、高台から流れてきたゴミがたまります。

異臭を放ち、家財道具を覆いつくすゴミをかたずけるのは大変な作業。
床上浸水に加えてゴミのたまり場となってしまうことがスラムの貧困層の悩みです。

フィリピンのスラム

暮らしを脅かす火災

スラムには家が密集しています。
木造で作られた簡素な建物は火事が起きると一瞬で燃えつくされる。

もちろん消防署はありますが、幅1メートルにも満たないスラムの道に消防車が入れるわけもなく、近隣で出火すればすぐに自分の家に燃え移り、自然鎮火を待つしかありません。

スラムでの火事は日常的に起こり、家が全焼すれば体育館などの避難所生活がはじまる。

大切なものを失いプライベートもない避難所での生活。
浸水や火事に遭ったスラムの貧困層は公共施設の建物や体育館などで暮らします。

役場のスタッフが被害状況のインタビューを行い、家族分の食事や毛布が支給され数日間は避難所に宿泊できますがその後の保証はない。

避難所から出された貧困層は水浸しになった家や焼け跡でテント暮らしがはじまります。

フィリピンのスラム

心が休まることはない

お金持ちは高台に住み、貧困層は低地に住む。

川沿いや海辺のスラムの貧困層の悩みはいつになっても尽きません。

浸水や火事へ怯え悩みながらも他に行く場所はなく、行政のサポートも予算の関係で短期間。
結局は自力で自分たちの暮らしを守っていくしか方法がありません。

テント暮らしをはじめても、家が密集した低地のスラムなのでいつまた浸水や火事に遭うかもわからない。
心は休まりません。

貧困の悩みを解決するには並大抵ではなく、短期間で悩みを解消できるわけもない。
グローリアセブのような海外のボランティア団体や教会が草の根運動で支援をし、貧困の悩みを少しづつ解決している状況です。

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