セブごみ山の子ども
フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

晴奈 岡山大学2年

 

スラム、ごみ山、ストリートチルドレン、青空教室。
 
これらの言葉は以前から授業やテレビで耳にしていました。
 

特に、スラムやごみ山、ストリートチルドレンには、辛い顔をしていそうだとか関わっては行けないだとかあまり良い印象を持ってはいませんでした。

 

また、その子たちがどうしてそうしているのかというようなことを全く知りませんでした。
 
しかし、今回のソーシャルボランティアに参加したことで、それらの印象は全て変わりました。
 
 
一番に飛び込んできたのは子どもたちの溢れんばかりの笑顔でした。
 
私は初め驚いてしまいました。
 
 
食糧も十分になくて住む場所も家とは言いがたいようなもので、靴を履いていない子もいて、服はぶかぶかだったり汚れていたりして、私だったらと置き換えて考えることもできないような環境の中でどうして笑っていられるんだろうと不覚にも思ってしまいました。

 

 

スラムの人に「幸せ?」と聞くと、「家族がいるから幸せ」と言います。
 
普段、あーだこーだと言っている自分が恥ずかしくなり、また当たり前でない環境を当たり前と思い込んでいる自分に気付かされ、1つひとつのことに感謝しようと思うことができました。
 
 
数多くの体験をさせていただいて、一番心に残っているのはストリートチルドレンとの出来事です。
 
私はボランティア中とボランティア後に2回ストリートチルドレンに会いました。
 
彼らは私たち観光客を思われる人を見つけると一目散に群がってきます。
 
そして日本人だと分かると、「セブのお土産かわいーよー」「買ってー」「安いよ」と日本語で売り込んできます。
 
 
私は外国の言葉を覚えてまで売らないと生きていけない現実を突きつけられたような気持ちになりました。
 
タクシーを乗るまで手を黙って差し出してくる子や、タクシーに乗り込むと物欲しそうな目をしてはり付いてくる子、
 
「No Thank you」と断っても尚追いかけてくる子、
 
普段プライベートを充実させるためにバイトしている私とは違って、彼らは今日の晩ご飯などをかけて必死で働いていることを知りました。
 
 

一番驚いたのはごみ山に行ったときでした。
 
見たこともないハエの数に言葉を失いました。
 
しかしそのようなハエを全く気にせず笑顔で踊る子どもたちに元気を貰いました。
 
しかし、気にしていないように見えて、小さい新生児が寝ているところにははえが寄りつかないようにしていたりという工夫、愛情が見える部分もありました。
 
ごみ山での死亡原因が下痢だという事実から、衛生環境の悪さやごみとなっていた物を食べたという原因があることを知り、言葉にできない耐えられない気持ちになりました。
 
 
斉藤さんが言われていた、ごみ拾いで生きてきた親に育てられた子はごみを拾って生きていく生き方しか知らないという話を聞いて、抜け出せない階層社会の仕組みを理解すると共に、私たちは努力次第で何にでもなれる可能性があるということに気づき、どうして生まれた国が違うだけでここまで変わるんだろうと思いました。
 
 
いろいろなスラムも歩き見させてもらって、もう2度とできないかもしれない貴重な体験をしました。
 
スラムは想像以上に狭い木の板をつなぎ合わせた道やごみの上を歩く道など過酷な道や造りがたくさんありました。
 
 
川にできたスラムの人は火事が起こると狭すぎて消防のホースが通らないため全焼してしまうという危険や雨が降ると浸水してしまうという危険と隣り合わせで常に恐れていると言っていて、恐ろしいなと思った。
 

ココアと米を混ぜたご飯を求めて、皿を持って笑顔で走ってくる姿を見たときは、もしかして役に立ててる?と思うと嬉しくて忘れられません。
 
 

この一週間、決して普段は見られないようなものを見て感じられて、本当に良い経験となりました。
 
出来ることはないかと自分自身に問いかけてみたり、何度も友達と話し合ったりしましたが名案は浮かびませんでした。

 

だから、まずは自分がこの事実や思いを忘れないようにし、周りに伝えていけるようになりたいと思います。
 
 
たくさんの経験をさせていただいたセブ島のボランティアでした。
 
 

2017年9月7日~9月13日
 
 
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