フィリピンの子ども

フィリピン人は子どもが大好き

フィリピンは子どもに優しい国と言われています。
親や親せきに限らず市民社会が子どもを大切にし他人の子でも面倒を見たり心配したり。

特に赤ちゃんに対しては子どもも大人も国民全員が面倒を見ていると言っても過言ではありません。
母親が赤ちゃんを抱いていればみんなが寄ってくる。

公共施設やレストランで赤ちゃんが泣き出しても誰もいやな顔はせず、それどころか心配して声をかけてきます。

そこから母親と会話が弾む。
赤ちゃんの鳴き声より煩くなることも。

大人だけではなく子どもも赤ちゃんが大好き。
自分の兄弟ではなくても、赤ん坊を抱っこしてあやしている10代の女の子を良く見かけます。

まるで自分の子のように。

子どもは社会の救世主

カトリック信者が国民の大半を占めるフィリピンでは子どもは神から祝福された者、そして救世主と考えられています。

子どもは親だけの者ではなく社会の宝。

だから国民は他人の子どもでも大切にし健全に育つことを願っています。

計算上は子どもが増えれば家計も苦しくなりますが、そんなことは構わず40歳代の女性でも出産するケースも。

家族には5~7人の子ども。
下は0歳児の赤ちゃんから上は20歳代と言う家庭も珍しくありません。

両親が子どもを育てきれなければ誰かが引き取り面倒を見てくれる。

家計への負担や両親の人生設計のことを考えて出産をためらう日本とは考え方が大きく異なります。

フィリピンの子ども

知らないと怖い子どもの保護政策

人身売買や子どもに対する犯罪が日本より多いフィリピンでは、子どもを保護する法律や条例が厳しく、外国人から見たらどこが犯罪、と思うちょっとした行動でも法に触れてしまう場合も。

例えば
・親の了解を得て子どもと一緒にビーチに遊びに行く
・子どもを近くの飲食店に連れていき食事をご馳走する

これらは違反になります。

18才未満の子どもをどこかへ連れていく場合は親が一緒であること。
たとえ好意でも犯罪になる可能性があります。

子どもがいる場所で遊んだり食事やお菓子を配ったりする行為は大丈夫。

フィリピンは外国人による子どもに対する犯罪が多い国なのです。

貧困と裕福では異なる境遇

貧困に生まれた子も裕福な家庭の子も家族や社会から愛されてはいますが、その境遇は異なります。

お金持ちの家に生まれた子は家族からも周りからも大切に育てられ、不自由なく人生を送る。

スラムや路上で生まれた子どもは10才ぐらいになれば大人同様の扱いを受け、家族のために働く。
タバコやシンナーに手を出す子、スリをする子も珍しくありません。

犯罪に巻き込まれるリスクが高いのも貧困の子どもたち。

裕福層の子は衣食住なにひとつ不自由なく過ごします。

住まいはヴェレッジと呼ばれる高級住宅街か郊外の一軒家。
幼稚園から私立に通い学校までは車で送迎。
食事は毎日ご馳走。

高等教育を受けているので日常は英語で会話しています。

義務教育の高校を卒業したら国立か学費の高い一流の私立大学へ。
大卒後は高給の企業か親が営む会社へ就職。

裕福な家庭に生まれた時点で将来が約束されます。

子どもは自分の環境を選べない

貧困の子は幼少期から親から怒鳴られ、蹴とばされながら育っています。

教育も受けていない子どもたちは社会も道徳も知らずとにかく今日食べていくために何でもする。
それが悪いことか良いことかの判断はつきません。

原因は親にあります。
経済力もないのに10代から何人もの子どもを出産する。
我が子を躾けることも十分な栄養を与えることもできない。

貧困に生まれた子どもは自分で生きていかなければならないのです。

では貧困の子が社会から見放されているかと言うとそうでもなく、食事を配給したりクリスマスにはプレゼントを配るなど現地の企業や大学がボランティアで支援の手を差し伸べています。

個人でもパン屋や惣菜店で買い物をしていて子供が寄ってきたら食べ物を買い与える。

国民はカトリックの分かち合いと助け合いの精神を持っているので貧困も裕福も分け隔てなく子供には優しく接します。

でもそれは一過性の支援。
毎日食べていくためには貧困の子どもは結局物売りや物乞いで日銭を稼かなければなりません。

フィリピンでは貧富に関係なく子どもは大切にされています。
但しその境遇には大きな差が。

裕福な家庭に生まれれば将来が約束され、貧困の親の子は犯罪者になってしまう可能性も。

子どもは生まれてくる環境を自分では選べません。

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