フィリピンの新型コロナウイルスはスラムに集中。理由は3つ

フィリピンの新型コロナウイスル感染症の拡大は、貧困地区やスラム街に集中しています。
 
この記事では、感染症の拡大を防止する政府の対策と、感染に怯える貧困層の現状について説明していきます。
 
今回の記事はYouTubeでもご覧になれます。

 

フィリピンのロックダウン措置

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、フィリピンでは2020年3月からロックダウンの措置が行われています。
 
フィリピンは、アジアで最初にロックダウンを行った国です。
 
 
ロックダウンとはコミュニティー隔離措置のことで、フィリピンの場合、ロックダウンには「強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)」「一般的な隔離(GCQ)」、そして、その中間にあたるMCQと言う3つのランクがあり、ウイルスの拡散状況に応じて、地域ごとに決められます。
 
 
ECQでは食糧や医薬品など、必需品の買い物以外は一切の外出が禁止され、企業やお店も国民の生活に直結する商品やサービスを提供するビジネス以外は営業が停止されます。
 
セブを含むフィリピン全土が、5月15日まで、ECQの措置が取られます。
 
 
5月16日以降、新型コロナウイスルの感染状況によって、地域ごとにGCQまたはMCQへ移行します。
 
GCQでは、ソーシャルディスタンスを保つことを条件に、外出の制限は解除され、企業やお店も、娯楽、観光、レジャーの分野を除き、再開が認められます。
 
 
爆発的な感染がまだ続いている地域はECQを継続するか、またはMCQへ移行します。
MCQ下では、引き続き移動制限は続きますが、企業の一部は人員を半分に削減して、再開が可能になります。
 
 
ドゥテルテ大統領は5月12日、メトロマニラ、ラグナ州、そしてセブ市は5月30日まで引き続きECQ、その他の地域は5月16日からMCQまたはGCQへ移行することを発表しました。
 
セブ島では、セブ市だけがECQが継続されることになったのですが、セブ空港のあるラプラプ市と、日本人が多く住んでいるマンダウエ市も、それぞれの市長の判断でECQを継続することになりました。
 
ロックダウンされたスラム街
写真:ロイター

セブの感染者はスラムに集中

マニラ首都圏と同様、コロナ感染が広がっているセブですが、セブ島全体に感染者が散布しているのではなく、特定のスラム街に集中しています。
 
セブ市だとMambaling(マンバリン)とZapatera(ザパテラ)。
 
また、スラム街だけではなく刑務所内での感染も広がっています。
 
 
貧困住宅密集地区のスラム街では、ひとりの感染者からすぐに大規模感染へとつながっていきます。
 
現在、セブのMambaling、Zapatera、そしてマニラのTondo地区では、トータルロックダウン(完全隔離)措置が行われ、その地域からの一切の出入りが禁止されています。
 

集団感染しやすいスラムの暮らし

スラムで、新型コロナウイルスが広がりやすい理由は3つあります。
 
ひとつめが住まい。
スラムの住人は、空地だった場所に小屋を建てたり、テントを張って生活しています。
家は小さく、隣との幅は20センチほど。
そんな狭い居住環境に、10人ほどの家族が密集して暮らしています。
 
たとえば、トンドは世界で有数の人口密集地帯とされ、人口密度は、1平方キロメートルあたり、約6万5千人
これは、東京都の人口密度の7倍に相当します。
 
 
不衛生で、人が密集したスラムは、感染症が発生しやすく、さらに誰かが発病すれば、すぐに集団感染してしまう危険が高い地域です。
 
 
ふたつめは生活環境。
スラム街では、道路などの共用スペースで、炊事や洗濯が行われています。
周辺住人との共同生活に等しいので、衛生面を気遣うことはほぼ不可能です。
 
また、肉や魚の買い物は、露天のお店を利用します。
テーブルに並べられた生鮮品の前で、マスクをしない人たちがおしゃべりしながら、買い物をしていきます。
 
 
次に、習慣からくるリスクです。
フィリピン人は、スペインやイタリアと同様、おおらかで明るいラテン系の国民です。
 
大きな声でしゃべる
ハグや握手をする
細かなことは気にしない
 
 
せきやくしゃみによって被膜感染する新型コロナウイルスの場合、これらの習慣は、感染を広めてしまうリスクにつながります。
 
 
・密閉空間
・人が多い
・会話が絶えない
 
スラムには、感染が広まる3つの危険が揃っています。
 
セブのスラム

新型コロナウイスルが貧しい人を苦しめる

フィリピン労働雇用省(DOLE)の発表によると、COVID-19の影響で、新たに140万人の失業者が発生しました。
 
しかし、この数字は正規雇用されている人の人数で、個人事業や日雇い労働で生計をたてているスラム街の貧しい人たちは含まれていません。
 
 
貧困層の仕事は、物売りや肉体労働など、日雇いか自営業が中心です。
しかし、コロナによって政府からから外出禁止や、店舗の一時閉鎖の命令が出され、仕事はできません。
 
正規雇用者でしたら、一定の保障やお金が、国から支払われますが、自営業の彼らは収入が完全になくなります。
 
 
また、毎日を200円~300円で暮らしているスラムの貧困層は、たとえ新型コロナウイスルが疑われるような症状が出たとしても、すぐには病院へ行けません。
検査や治療をうければ、高額な費用がかかるからです。
 
なので、感染の疑いがあっても、家で寝ているだけ。
その間に、家族や周辺の人たちに、ウイルスを拡散してしまう可能性があります。
 
 
フィリピン統計局(PSA)によると、基本的な食料と生活必需品が十分ではない貧困層の数は、国民の16.6%に達しています。
 
 
セブのスラム
 
フィリピンでは警察や軍による隔離措置の徹底により、コロナウイスルの封じ込めに努めています。
 
医療現場は、不眠不休で患者の対応にあたっています。
 
行政からは一定の生活保障のお金や物資も配給されています。
 
 
しかし、スラムの住人は、感染のリスクと飢えの恐怖にさらされながらの生活を余儀なくされています。
 
 
セブのボランティア団体 グローリアセブでは、スラムやゴミ山に暮らす人たちへの支援活動を行っています。
 
フィリピンのリアルな情報を、セブ島から発信してます!
「国際協力」や「海外ボランティア」に興味がある方は、ぜひ追加してください。
 

 
 

海外ボランティアなら、日本から近くて安いフィリピン セブ島へ