フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
なおこ 大学教員
私は海のゴミ問題を解決したいという想いがあり、今回のボランティアに参加しました。
海のゴミは日本も含めた先進国の大量消費社会もおおいに関与していますが、フィリピンなどインフラ軽傷が行き届いていない途上国(先進国や途上国という呼び方は好きではないが)からのゴミや汚水の垂れ流しを止めたいと考えています。
今回、スラムの住居を見せて頂き、その不衛生な環境に言葉を失うこともありましたが、それとは対象的にそこに住む大人たちの優しさや子供の元気な笑顔に心を打たれました。
例え貧しくても家族が一つ屋根の下で暮らし、また、出稼ぎに行かなくてはいけない子供でも家族の絆が強いことで幸せを感じることができました。
日本も貧困問題がありますが、日本の貧困は孤独を伴っていることが多く、成人の孤独死、子供の孤食がときどきニュース等で取り上げられています。
また、現在の日本では小さな子供が働く習慣がないため、お金に余裕がないから結婚しない、子供が作らないとなる。フィリピンなどでは子供も仕事をするため、多産となり人口の増加は地球規模の問題ですが、孤独で苦しむことはないのだと思います。
しかし、家族をもち、子供の幸せを願うのは人間だけではありません。
人間の大きな活動のために、多くの動植物が住むところや食べ物を失い、絶滅してしまいます。スラムのお母さんや子供たちにほしい物を聞いた答えが、住むところや食べ物でしたが、それは他の生き物も同じです。
私が最も関心を持っている海洋ゴミ問題では、ゴミで胃の中がいっぱいになり、死んでいく魚やカメ、マイクロプラスチックを餌と間違えて取り込み、死んでいくサンゴがいるのが現実で、彼らの苦しみを無視して人間の幸せを追求するのは間違っていると思います。
私は日本に帰ったら、同じ問題意識を持つ人々と協力し、先進国、途上国関係なく、みんなが自然を大切にするよう啓蒙活動を行っていきたいです。
そしてみんなが、ゴミだらけの世界を改善したいと考え、自ら行動できるようになることを目指します。
人間社会にとってゴミ問題は身近に感じにくいところがありますが、近い将来、海は魚よりゴミの数が多くなると言われており、セブ島の人々の食料事情にも影響を及ぼす可能性があります。
自然環境の保全は人間の生活を守ることにも繋がるので、目標達成のために頑張りまず。
2019年8月