フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
慶一郎 神戸大学 3年
グローリアセブのボランティアプログラムに参加させて頂く上で、自分の中で以下の2つの目標を立てていました。
1.自分の知らない世界を見ることで、自分になかった価値観を生むこと
2.ボランティア活動を通して現地の人を笑顔にすること
価値観を生むことは達成できたと感じています。
初めて貧困地域の暮らしを目の当たりにしたことは、村がゴミで溢れかえっていたり、汚染水が垂れ流しになっていたりなど、悪い面ばかりに目がいきました。
しかし現地での食事配給や子供たちとの交流を通して、次第に良い面が浮かび上がってきました。
特に素晴らしいと感じたのは、人間同士の交流の深さと家族のあたたかみでした。
貧困地域においては、隣近所との付き合いや助け合いなしでは、あの暮らしは乗り越えることはできないだろうと感じました。
また、小さな子供でも年上の兄姉が年下の弟や妹のことの面倒を常に見ていて、家族愛の深さを感じました。
もう1つ印象に残ったのは、フィリピンの子供たちの勉強に対する熱心さでした。
フィリピンでは雇用が少なく、家族を養うためには勉強して競争に勝ち抜くしかないという事実を知り自分自身を見つめ直すことができました。
日本と海外の生活を比較できる視点を持つことができたこと、そして、日本にもそれぞれ良い面があることを知ることができたのは、自分にとって大きなプラスとなりました。
フィリピンの人たちを笑顔にすることは子供たちとの交流を通して幾分達成できたものの、逆に子供たちに笑顔にさせられることが多かったです。
現地のビサヤ語を教えてくれた際には、こちらが覚えるまで一生懸命教えてくれ、話せるようになった時には一緒になって喜んでくれました。
また、追いかけっこをした際に汗をかいていたら、涼しいように仰いでくれたり、服の汚れを払ってくれたりして、その優しさと笑顔にこみ上げるものがありました。
子供たちはとても人懐っこく、僕のことをベストフレンドと呼んでくれたり、別れ際には、大切に持っていた折り紙をくれたりして、非常に嬉しかったのを覚えています。
この1週間、自分は今、そして将来、この子供たちに何をしてあげられるのかを一生懸命考えました。
この問題は単に物質面での支援や資金面での援助で改善されることではなく、解決するためには、もっと根本的なことが関係していると感じます。
子供たちが日本のように資金面や生活面で満たされた場合、生活が便利になる一方で、本来そこにあった人同士のつながり、家族のあたたかみなどが損なわれてしまう可能性があるからです。
自分は何ができるのかということはこれからも考え続けますが、このセブ島ソーシャルボランティアを通して、日本人が忘れかけていたもの、教育のありがたみや家族のあたたかみなどを、再確認できたと考えています。
一緒に参加したメンバーもそれぞれ自分の考え方や価値観を持っていて、非常に刺激されました。
将来的に自分の考え方に幅が生まれ、また、フィリピンの貧困の現状を知ることができ、挑戦して良かったと感じています。
2017年3月2日~8日