世界の貧しい子どもたちを救う寄付には、古着や文房具などの物品をはじめ、寄付金やボランティアなど、たくさんの種類があります。
この記事では、開発途上国の子どもたちが必要としている寄付の種類と、寄付の方法について、フィリピンの子どもたちを支援している国際ボランティア団体 グローリアセブが解説。
世界の子どもたちのために、なにか寄付をしたいと考えている方に有益な情報です。
1.寄付の種類
世界の子どもへの寄付の種類は、おもに以下の8つが挙げられます。
- 古着
- 靴
- 学用品
- おもちゃ
- 換金性の高い物品
- 寄付金
- 里親
- ボランティア
1-1.古着
物品の寄付の中で、もっとも一般的なのが古着です。
世界の貧しい人たちは、お金の使い方が、私たち日本人とはちがいます。
僅かでもお金が入れば、生きていくために、まずお米などの食糧を購入します。
その次は、家賃や光熱費など、住まいに関係する支出です。
当然、着るものにお金をかける余裕はなく、兄弟で着まわしたり、誰かのお古をもらって着ています。
古着を寄付する場合は、半そでなど日本の夏物を送るようにしてください。
東南アジアやアフリカなど、開発途上国のほとんどは熱帯地域で、四季がなく一年を通して暑いためです。
長袖でも、薄手のものでしたら需要はあります。
ズボンは長ズボンでも半ズボンでも大丈夫です。
また、貧困家庭ほど子どもが多いので、ベビー服も喜ばれます。
古着を受け取るフィリピンの子ども
1-2.靴
開発途上国の子どもたちは、サンダルか裸足で過ごしています。
足場が悪く、ごみもたくさん落ちているようなスラムでは、ケガをしてしまうリスクがあります。
途上国ではスニーカーは貴重品なんです。
靴を寄付する場合、サイズはそれほどこだわる必要はありません。
途上国では自分の足のサイズにピッタリ合った靴を履いている子はまずいませんし、子どもは成長が早いので、多少大き目ぐらいの方が長く履くことができます。
寄付で送られたスニーカーを履くストリートチルドレン
1-3.学用品
世界には、勉強したくても制服や文房具が用意できず、学校に通えない子どもたちがたくさんいます。
そんな子どもたちが勉強できるよう、学用品や、通学のために必要なバッグの寄付は、子どもの就学に役立ちます。
ノート
多目的に使える罫線だけの大学ノート、または無地のスケッチブックが望ましいです。
キャラクターが描かれたかわいらしいノートは、らくがき帳としてはつかわれますが、学習用のノートとしては不向きです。
ボールペン
フィリピンでは、えんぴつが使われるのは幼稚園まで。
小学生になるとみんなボールペンです。
また、シャープペンシルは替え芯が必要になるため寄付には不向きです。
筆記用具の寄付なら、ボールペンまたはサインペンを選んでください。
但し、幼児向けの寄付でしたら、色鉛筆でも大丈夫です。
ノートを受け取るスラム街の子ども
通学カバン
フィリピンの学校では、教科ごとに異なるノートをつかいますので、生徒は10冊ほどのノートを持ち歩いています。
また、教室を掃除するための清掃用具など、学校から指定される持ち物も多く、たくさんの荷物をバッグに詰め込んで通学しています。
カバンの寄付でしたら、大きめのリュックか、軽めのキャリーバッグが実用的です。
日本のランドセルも喜ばれますが、数人の子どもだけが受け取れるような数でしたら、公平性の観点から寄付としては不向き。
みんながつかっているリュックの方が望ましいです。
フィリピンの小学校の通学風景
白いTシャツ
学用品ではありませんが、制服代わりに着れる、白のTシャツ、またはブラウスも寄付品として有効です。
フィリピンの小学校には制服着用の規則がありますが、制服を買うことができない貧しい家庭の子は、制服の代わりに、男の子なら白のTシャツ、女の子なら白のブラウスの着用が許されています。
1-4.おもちゃ
すでに使わなくなってしまった、おもちゃやぬいぐるみ。
壊れたり破損している訳ではないので、捨てるのはもったいないと考えている方は、世界の子どもたちのために、そのおもちゃを役立てることができます。
おもちゃの寄付を受け付けている団体は、寄付されたおもちゃの使い道によって、ふたつに分類されます。
ひとつは、おもちゃをそのまま途上国の子どもたちへ送る支援。
もうひとつは、集めたおもちゃをリサイクル業者に買い取ってもらい、そのお金を支援金に充てる方法です。
ご自身の考えで、どちらの支援方法を選択するか決めてください。
絵本の寄付を募集している団体もあります。
絵本を寄付する場合は、絵本に書かれている日本語を、英訳した説明を付けてあげると親切です。
1-5.換金性の高い物品
不用品を換金して、そのお金で世界の子どもたちを支援する方法です。
仲介するNPO法人などが不用品を集め、リサイクル業者に販売し、その売り上げを資金に、子どもたちへの支援を行います。
寄付できるアテイムは、使用済みのはがきや切手をはじめ、ゲーム、DVD、家電製品、携帯電話、タブレットなど多岐に渡りますが、換金できる商品であることが条件。
壊れているものや使いかけの消耗品、また、テレビや冷蔵庫など、リサイクル費用が発生する大型家電は寄付できません。
仲介する団体ごとに、引き取り条件や、換金したお金の使途が異なります。
1-6.寄付金
国際協力を行っているNGOやNPOでは、寄付金を受け付けています。
寄付金には、国際協力団体が行っている活動全体を支援する継続的な寄付と、災害や医療など、特定のプロジェクトに対する単発的な寄付の二種類があります。
自分が応援したい団体や、興味のあるプロジェクトを見つけたら、寄付金による支援も、ひとつの選択肢です。
寄付金の送金方法は、銀行振り込み、クレジットカード、PayPalなど団体によって異なります。
また、国や地方公共団体、認定NPO法人、公益社団法人などに寄付した場合は、確定申告を行うことで、所得税が還付される場合があります。
1-7.里親
里親とは、なんらかの事情で家庭で暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れて養育する制度です。
しかし、海外の子どもを支援する里親は、実際に子どもを引き取って面倒を見るのではなく、子どもの就学や生活にかかる費用を寄付する制度です。
たとえば、フィリピンでは、小学校に通うために一年間で約3万円の費用がかかります。
学用品や制服、宿題をするためのインターネット利用料や印刷費です。
里親になるために特別な条件はありませんが、里子が義務教育を終了するまで、継続的に支援することが望ましいです。
里親の支援で学校に通っている子ども
1-8.ボランティア
ボランティアやプロボノは、役務による寄付活動です。
現地に出向いて、子どもたちに食事を配給したり、勉強を教えたり。
一緒に遊ぶことだって、子どもの情操教育に役立ちます。
ボランティア=寄付、というイメージをもっている日本人は少ないかも知れませんが、世界ではボランティアによる支援活動は日常的に行われています。
ボランティアは、だれもができる役務による寄付なんです。
2.寄付の種類別メリットとデメリット
寄付の種類はたくさんありますが、それぞれにメリットやデメリットがあります。
寄付を考えている方のために、物品の寄付、金銭の寄付、そしてボランティアに分けて、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
2-1.物品寄付のメリットとデメリット
物品を寄付するメリットは、使途が検証できることです。
自分が送った古着を着ている子どもの写真や、子どもからのお礼の手紙を、寄付した先のNPOやNGOから受け取れます。
自分の寄付行為が、世界の子どものために役立っていることが実感できますので、充実感や達成感を得ることができるでしょう。
物品を寄付するデメリットは、相手が希望していないものを送ってしまい、ムダになる可能性があることです。
たとえば、誰も着る人がいない冬物のコートやセーターを、南国に送ってしまったり、その国の習慣に合わないものを寄付してしまったり。
これらの問題を防ぐためには、物品を送る前に、現地で求められているもの、つかわれないものをよく確認することが必要です。
食品やお菓子など、国によって送れないものもあります。
また、海外へ物品を送る場合は、国際郵便の送料がかかります。
古着や靴などは嵩張るため、送料は意外と高額になります。
海外へ荷物を送る場合は仲間を募り、送料を分担するなど工夫しましょう。
2-2.金銭寄付のメリットとデメリット
金銭を寄付するメリットは、手間がかからず、現地に届くのも早いという点です。
寄付を受け取る側にとっても、現地の状況に応じて必要な物品を購入できるというメリットがあります。
とくに、災害などの緊急支援の場合、臨機応変につかえる金銭の方が役立ちます。
また、物資は日本で購入するよりも、開発途上国で購入した方が安いですし、地域経済にも貢献できます。
金銭を寄付するデメリットは、寄付金がなににつかわれたかが分からないことです。
たとえば、あなたがあるプロジェクトに1万円のお金を寄付したとします。
プロジェクト全体では100万円集まったとしたら、NGOはその100万円の寄付金でプロジェクトを遂行するための準備をします。
あなたの1万円が、その中のなににつかわれたかはわかりません。
金銭を寄付する場合は、活動状況や成果を、寄付した先に確かめるようにしましょう。
2-3.ボランティアのメリットとデメリット
ボランティアに参加するメリットは、自分自身も貴重な経験が得られる点です。
日本にいたのではわからない世界の状況や、国際協力についての専門的な知識が習得できますので、将来に向けたスキルアップにつながります。
現地の人たちと一緒に行動するボランティアは、物品や金銭の寄付よりも達成感があるでしょう。
ボランティアに参加するするデメリットは、時間とお金がかかることです。
海外ボランティアの場合は、最低でも5日から1週間、長ければ半年一年という時間を費やします。
大学生でしたら、夏休みや春休みを利用して参加できますが、社会人の方は時間の確保がたいへんです。
また、現地までの交通費は自己負担になります。
フィリピンでのボランティアに参加する大学生
3.寄付の方法
世界の子どもたちのために寄付をする方法を、物品、金銭、ボランティアの種類ごとに解説します。
3-1.物品を寄付をする方法
寄付をする先を決める際に知っておきたいことと、物品を用意する方法について説明します。
寄付先を決める
インターネットで検索すると、世界の子どもを支援するための寄付を募っている団体がたくさん見つかり、迷ってしまいますよね。
寄付を募集している団体は、おおきくふたつに分類されます。
ひとつは、現地で実際に支援活動を行っているNGOなどの団体。
もうひとつは、ユニセフや共同募金など、集めた寄付をプールして、個々のNGOやNPOに分配する中間団体です。
直接活動を行っている団体も中間団体も、世界で困難に面している人たちを救うために、あなたの寄付が活用されることに違いありません。
但し、寄付をしたい国が決まっているのでしたら、その国で活動しているNGOなどへ直接寄付するほうが良いでしょう。
寄付を用意する
物品の寄付は、自分の身の回りにある不用品を送る方法と、知り合いを募ったり、大学のサークル単位で物品を集めて送る方法があります。
グローリアセブに送られてくる物品の中には、大学生が地域の自治体と共同でイベントを開催し、寄付を集め、それを送ってくれているケースも少なくありません。
たくさんの人に声をかけることは、多くの物資が集まると言うメリットだけでなく、世界の現状を知ってもらう良い機会になります。
子供服なら、近所の幼稚園や保育園に協力を依頼して、園児の家庭から集めることもできます。
古着を受け取るゴミ山の子供たち
3-2.金銭を寄付する方法
クラウトファンディングやネット基金などを利用して、お金を寄付する方法について説明します。
クラウドファンディング
クラウドファンディングを利用して、寄付金を募っているNGOやNPOが増えています。
寄付する側にとっても、ネットで完結するクラウドファンディングは、手間がかからず便利です。
クラウドファンディングの種類
・購入型
・貸付型
・不動産投資型
・株式投資型
・寄付型
この中で、世界の子どもたちを支援するプロジェクトの募集が行われているのは、「購入型」と「寄付型」のクラウドファンディングです。
商品やサービスのリターンがあるのが購入型で、見返りがないのが寄付型ですが、どちらも寄付に変わりありません。
ネット募金
銀行振り込みをはじめ、クレジットカードやポイントなど、募金の手段が多いのがネット募金の特徴です。
おもなネット募金
国際協力団体の会員
継続的な寄付を考えている方でしたら、NGOやNPOが募集している会員に申し込む方法もあります。
サポーター、またはサポート会員と呼ばれるこの制度は、その団体と共に活動していると言う親近感が生まれます。
現地の情報を定期的に得られたり、説明会などのイベント参加などメリットもたくさん。
会費の支払は団体によって異なり、年単位で収める場合と、毎月の引き落としがあります。
3-3.ボランティアに参加する方法
現地に知り合いがいる場合や、毎年訪問している方などを除き、ボランティアを募集している先のプログラムに参加するのが一般的です。
ボランティアを募集しているところは、それぞれの特徴によって、おおきく3つに分類されます。
エージェント
旅行会社やボランティアエージェントなど、ボランティア希望者と現地で活動している団体とを仲介する会社です。
売上の一部が、国際協力活動につかわれています。
国内のNPO
現地のスタッフを雇用し、普段はそのスタッフが支援活動を行っています。
年に数回、日本人スタッフが現地に赴きます。
現地で活動しているNGO
現地に拠点を置き、現地の人たちと共に支援活動を行っている団体です。
現地の情報を良く知っています。
4.フィリピンの子どもたちへの寄付
グローリアセブは、フィリピン セブ島に拠点を置き、子どもたちの支援を行っているNGOです。
ストリートチルドレンやスラム街の子どもたちが安心して勉強できるよう、奨学金の給付、食事や物資の配給、そして、フリースクールの運営などの活動を行っています。
私たちの活動は、日本から来るボランティアさんの協力をはじめ、寄付金や物資をお送りいただく支援者のみなさんに支えられています。
世界の子どもたちのために、なにかできることをしたいと考えている方は、フィリピンの子どもたちを支援するプログラムに、ぜひご参加ください。
あなたの行動で、フィリピンの子どもたちが救われます。
・ボランティアへの参加
・物資による支援
・寄付金による支援
・子どもの里親
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