優奈 東京外国語大学 4年
私はとても恵まれた環境に生まれました。
金銭的にも余裕があり、自分のやりたいことは全て両親がサポートして叶えてくれました。
そんな私は初めてセブを訪れた時をきっかけに、子どもの不就学に問題意識を持つようになりました。
そして今回、グローリアセブのインターンに参加した目的は、実際に現地へ足を運び、ストリートチルドレンの不就学問題に取り組むため、そして日本人として現地で活動するとはどういうことなのかを学ぶためでした。
セブに来る前の子どもたちへのイメージは、貧困ゆえに不幸と感じているわけではないものの、今を生きることに精一杯で、自分の将来を前向きに明るく考えている余裕はないだろうと想像していました。
しかし、実際に現地を訪問して子どもたちと会話をする中で、そのような子には誰一人として出会いませんでした。
みんなそれぞれの夢があり、それは学校を卒業することで叶えられるということも認識していて、さらには将来の夢を叶え、手に職をつけ、家族を支える、というところまで既に子どもたちが考えられていることに、私はとても強く衝撃を受けました。
もしも願うが叶うなら?という質問に対し、多くの子どもが「学校を卒業したい」と答えたこと。
将来が不安かという質問に対し、すぐに全員が首を振り、「学校を卒業すれば夢が叶えられるから不安に思うわけがない」と答えたこと。
これらは全て私の想定外の回答でした。
わたしがここに来て子どもたちとの交流を通じて、将来の夢を一緒に考えた時、なにかプラスの影響を与えられたら…など思っていましたが、既に子どもたちは全て持っていました。
自分の将来のために、自分の家族を楽にするために、未来の人々を助けるために、自ら望んで学校に行き、夢を叶えようとする子どもたちの姿はとてもキラキラして見えました。
そんな子どもたちが貧困の連鎖から抜け出せない理由には、フィリピンの人口に対する雇用の少なさや給料の安さが問題となっていることを知りました。
そうした社会状況が貧困を招き、子どもたちは学校に通えなくなり、親の仕事を手伝う子が増え、その子が大人になった時に同じような状況が繰り返されていってしまう。
こうした現状を目の当たりにしたり、これまでの家庭訪問でのインタビューを通じて、何か特別大きなことをしようとしても、きっとすぐに現状を変えることはできないのだろうということを強く認識させられました。
そしてこの現状を変えていくのは私たちではなく、子どもたち本人であるということも気付きました。
私たちにできることは子どもたちへの支援を続けることだと思います。
どの国の子どもたちも可能性に満ち溢れていることをこの6週間でとても感じました。
彼らが環境に左右されずに自分のやりたいことを叶え、貧困から自立して抜け出せられるような社会を作るために、どのような形になるかはまだわかりませんが、今後も支援に携わりたいと思っています。
最後にインターンに関して、6回分毎週企画を考えることは容易ではありませんでしたが、斉藤さん、フィリピン人スタッフの二人、もう一人のインターン生とよく話し合いを重ね、言葉が通じない中でもどうしたら日本人ボランティア生と子どもたちが一緒に楽しめるかを常に軸として企画を考案してきました。
結果的に子どもたちはいつも楽しそうに積極的に参加してくれて、その笑顔が日々のモチベーションとなり、最後まで頑張れたと思います。
インターンを検討している方がもしこれを見てくださっていたら、Instagram、TIKTOKでインターンの様子も取り上げているのでぜひ見に来て下さい!(@yunfinp)
2024年8月9月