フィリピンの家族

フィリピンの貧困家庭は大家族

フィリピンでは沢山の子どもを持つ家族が珍しくありません。
ひとつの家族に5~7人の子ども、父親と母親を含めると10人近い家族で暮らしています。

貧困家庭ほど子どもの人数が多いです。

なぜフィリピンでは貧困家族に子どもが多いのか。
それはふたつの理由があります。

カトリックは避妊ができない

フィリピン国民の80%を占めるカトリック。
フィリピン人は敬虔なクリスチャンです。

カトリックの教えでは避妊と中絶ができません。

これは国の法律ではありませんが、国民に対して法律よりも影響力が強いのが宗教で、カトリックの教えや道徳感はフィリピンでは絶対的。
避妊も中絶も許されなければ子どもが多くなるのは必然です。

貧困でも聡明な母親がいる家庭では家族計画を立て、一人っ子または二人ぐらいの子どもにセーブする家族もありますがそれは稀で、貧困ほど子だくさんです。

子どもは労働力と言う考え

子どもは労働力になります。
ある程度の年齢になれば親の仕事を手伝ったり、物売りなどしたりして収入をえることが可能。
そのため貧困家庭の子どもは例外なく、7歳ぐらいから何かの仕事に従事しています。

子どもが多いほど労働力が増える。
でも、多ければ子どもの食費や衣服費、教育費もかさみ貧困家庭の家計を圧迫します。

では貧困家庭では子どもをどのように育てているのでしょうか。

フィリピンの家族

すべては家族の将来のために

貧困家庭の場合、子どもの中で一番優秀な子を見極め家族の将来をその子に託します。

選ばれた子は学校に通い一生懸命勉強し、卒業後は定職に就き親兄弟の暮らしを楽にしようと考えます。
親から選ばれなかった子は小学校卒業前後には親の仕事の手伝いや子どもでもできる仕事を見つけ、収入を得て家族の家計を支える。

選ばれた子もそうでない子もいがみ合いなどなく、言ってみれば家族のための分業制。
だから分母、つまり子どもの数は多いほど良いのです。

もし一人っ子だったらその子の学力や能力にかかわらず、家族はその子どもに託すしかありません。
沢山いれば選ぶことができる。

日本人にとっては非情な現実だと思いますが、途上国では当たり前の現実。

子どもだって家の生活が苦しいのはわかっています。
家族の将来のために自分ができることを一生懸命行う。

そこには悲壮感など一切なく、責任感と充実感のみ存在します。

裕福な日本人から見ればそれは児童労働や虐待に見えるでしょう。
でも途上国ではそれは親孝行。

途上国の子どもはプライドと責任感を持って、毎日勉強や労働に従事しています。

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