フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

あかね 明治学院大学
 
初めての海外ボランティア、親がいない状況下、そしてあまり印象の良くないスラムへの視察。
すべて不安で行くのを辞めようと思ったこともあった。
 

しかし、ある友人に「実際に見ないと分からないことがたくさんある」と助言してもらいこのプロジェクトに参加することに決めた。
 
 
 
私が以前からスラムに抱いていた印象は暗い、かわいそう、光がないといったネガティヴなものばかりだった。
 
でも2日目からの印象は大きく変化したのだ。
見知らぬ、国籍もちがう私たちに笑顔で出むかえてくれたのだ。
 
その子供たちと日々触れ合う中で教えてくれたことが3つある。
 
 
 
1つ目は『自分のことより他人を想う』ということだ。
 
このことを私に伝えてくれたのは食事配給の時であった。
食事がだんだんなくなった時、私が小学生くらいの子供からお皿を受け取ろうとしたら、私より先にこの子に入れてとより小さい子のお皿を渡してきたのだ。
 
 
そういった光景は1回だけでなくどの食事配給でも見られたのだ。
 
私が小学生だったら、そんなことできただろうか。
できなかっただろう。
 
そんな彼女たちの姿をみて、自分のわがままさを強く思い知らされた。
 
 
 
2つ目は『私が普通だと思っていることが世界共通ではない』ということだ。
 
私がフィリピンに来る前に抱いていた印象は全て自国と比較した上でのことだった。
しかし実際に訪れてみると、みんなで食事を囲む姿、テレビをみること、友達と口げんかしてしまうこと、何もかもが私たちと一緒だった。
 
だからこそ考えてきた質問が失礼に値してしまうのではないかと怖くなった。
 
しかし失礼なのかも、と考えることが失礼であり自分の価値観と偏見なのである。
 
日本という国に住んでいるからこそ何1つ不自由なく暮らせている。
その水準に合わせなきゃいけない、そのために支援をするのだと今思えばかなり冷徹な考えをしていた。
 
 
自分の考えを押し付けるのではなく、互いの違いを理解し合うことが大切なのだと思えた。
 
 
 
3つ目は、『自分の幸せは自分で決める』ということだ。
 
日本にいる頃は、他人の方が幸せにいつもみえて劣等感ばかり抱く自分も大学も嫌いだった。
 
けれど、スラムで生活している子供たちは、家族のことが大好きで自分が幸せだと胸を張って言っていた。
 
 
明日、今日を生きることで精一杯であると教えてもらったのにも関わらず、みんながそう言えるのはなぜなのか疑問に思っていたがその答えは最終日に出た。
 

彼女たちは自分自身で決めているのだ。
他人と比較するのではなく、自分の中に答えがあった。
 
1つ1つを幸せだと、かみしめることは難しくても幸せのパーセントが大きくなるように過ごしていきたい。
 
 
 
最後に今後フィリピンという国がどのようになっていくかは私には予想がつかないけれど、彼女たちが幸せだと思うこと、夢、大切なもの・人を絶対にうばわないで欲しいと強く願う。
 
そして彼女たちがこれからも笑っていられることを願う。
 
 
しかしどんな場所でもどんな環境でも私たちは一緒だ。
なぜなら、自分の幸せの方向性のカギもハンドルも自分で握っているからだ。
 
 
 
この1週間、感じたことは大学の授業では教わらないことだった。
衝撃も受け、自分の心と何度も向き合った。
 
この気持ちを忘れることはない。
 
 
SNSを利用し多くの人にこの感情を伝えたいし、より、この国を知りたいと思えた。
 
 
プロジェクトに参加して良かったと心の底から思えた上に感謝を伝えたい人が増えた。
 
自分が一歩、成長することができた気がする。
 
 
自分と関わってくれた全てのフィリピンの方、一緒に行動を共にした10人、日本で待ってくれている家族、そして何よりもこの場を作ってくださった斉藤さんに心からありがとうを伝えたい。

 

 
 

2019年2月21日~27日
 
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