フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談
かえで 山梨県立大学
グローリアセブのボランティア活動に参加したことで幸せとは何か、幸せな状態でいるために必要なものは何かについて考えさせられた。
この活動に参加する以前までの私であれば、幸せの必須条件に物質的充足は不可欠であると思い込んでいた。
そのため、スラムやゴミ山で暮らす子供たちよりも、先進国の中でも特に便利で豊かな生活を送っている日本社会で暮らす私たち日本人の方が幸せであると決めつけてしまっていた。
しかし、実際にスラム街やゴミ山等で暮らす子ども達と遊びなどを通して関わる中で、テレビ等の伝達物質によって作り上げてしまった自分の中でのストリートチルドレンやスラムに対する偏見が払拭さた。
イメージと現実との大きな差に衝撃を受けるとともに、自分自身がいかに恵まれた環境の中で日々生活しているかに気づかされた。
また、経済的に豊かで欲しいものが何でも手に入る日本社会で暮らす日本人にも、自分たちが「当たり前」だと思い込んでいる何気ない日常がどれほど尊いものか気づいてほしいと強く思った。
最初は、福祉分野を学ぶ学生として日本の貧困だけではなく、世界で暮らす貧しい人々の現状も把握し、自分自身にできることは何か、貧しい人たちのニーズは何かについて考えたいという思いから参加を決意した。
しかし、実際にボランティア活動をする中で、明日生きるか死ぬかの状況の中で懸命に生きる人々や、ゴミ山やスラム街といった劣悪な環境の中でも、夢に向かって勉強に励み、家族のために物売りなどをする子どもたちを目の当たりにし、自分自身の当たり前だと思い込んでいた日々の生活は決して当たり前ではないと気づかされた。
そのような環境にもかかわらず、日々笑顔溢れる生活を送っている子供たちと一緒に過ごす中で、心が満たされるかどうかは物質的豊かさだけでは決まらないと思うようになった。
幸せかどうかは、環境の有無にかかわらず、その中にある些細な幸せに気づき、日々の生活に感謝しながら生きることができるかどうかが重要であると考えるようになった。
今後、このボランティアから得た気づきや学びを糧に自分自身にできることを継続的に行っていきたいと考える。
また、自分自身が今回の経験から得たことを家族や友人等に伝え、もっとみんなにリアルなスラムやストリートチルドレンの情報を共有していきたいと思う。
最後に、最初のうちは初めての海外ボランティアに一人で参加することに対して、不安を抱くこともあったが、勇気を出して一歩踏み出せば、今回の体験のように自分の予想を遥かに超える経験や収穫を得ることができることに気づかされた。
今後も失敗や不安を恐れずに、新しいことや興味、関心のあることに積極的に挑戦していきたい。
2019年8月