フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

倫子 関西学院大学 修士2年
 
小学校から中学校の間の8年間、フィリピンのマニラに住んでいたことにより、貧富の差を間近で見る機会が多くあったことから、貧困を減らす手伝いをしたいと思う様になった。
 
そして、大学・大学院で貧困について学び、大学院の修士論文のテーマにしたことにより、今回、グローリアセブが行うボランティア活動に参加させてもらうことになった。
 
 
私自信、間近で貧富の差を見てはきたが、実際その人たちと関わることがなかったので、関わらずして何を学ぶことができるだろうと思うい、貧困地域に住む子供やゴミ山に住む人々との関わる時間を持つことを決めた。
 
どのぐらい過酷かはメディアやインターネット、文献などで描写されており、そのほとんどが、「劣悪な環境に住む子供達」「教育を受けずにスカベンジャーとして暮らす子供たち」など、表面的な状況しか流していないことが今回の活動を通して感じた。
 
 
実際現地に行って現状を見るだけでなく、話を聞き、関わることで、ようやく少しわかるようになる。
 
もしかしたら、分かった気になっているだけかもしれないし、恐らく、分かった気でいるのだと思う。
 
しかし、想像しかできなかったことが、現地に行って気づいたことがあり、それをどう活かすか考えることが今回の活動で大切なことであると思った。
 
 
ボランティア活動に参加する前は、何かしなくてはいけない、何ができるだろう、どう関わればいいのだろうと、自分が「何かしてあげなくては」というスタンスでいたが、実際全然違った。
 
初日から最終日まで訪問した先々の方々はすごく歓迎してくださり、笑顔で話しかけてくれ、言語は違えど、全く壁を感じることはなく、楽しい時間を過ごすことができた。
 
 
「何かしてあげなくては」という考え方は不自由なくしきた平和ボケした考え方だと、この期間を通して感じた。
 
彼らは彼らの生活があり、幸せか幸せでないかは私たちがそもそも測れる物ではない。
 
幸せか幸せでないかは本人の価値観であるので、私たちの感じる価値観を押し付けるのは自己満足になりかねないと思った。
 
 
「貧困=不幸」というのは日本や先進国に住む私たちの勝手な思い込みであり、私たちはもう一度途上国に住む人たちの考え方を改める必要があると思った。
 
 
ボランティア活動では、山や海沿いにある貧困地域や青空教室、ゴミ山に行って食事の配給や、インタビューだけでなく、子供達と遊ぶ時間があった。
 
どの活動も私にとってとても衝撃的で、どの活動も私の人生の価値観が変わった。
 
 
実際に初めてスラム街の光景を見たとき、なんとも形容しがたい状況で、何と言い表したらいいのかわからなかったのが正直な感想。
 
しかし、車から降りたら、すぐ子供達が寄ってきて、手を引っ張ったり、連れてってくれて、話しかけてくれて、その瞬間不安は一気になくなり、楽しく過ごすことができた。
 
 
私自身学ぶことが多くあったが、違和感も感じた。
子供達は私たちとの活動の間、一緒に遊び、楽しくしている様子を見たけど、普段はどの様な生活を送っているのだろうか。
 
子供たちへの支援が主な活動内容だったが、大人への支援はどうなっているのだろうか。
 
ドロップアウトしてしまった子供は一体何をするのだろうか。
など様々な違和感と疑問が生まれた。
 
 
今回生まれたこの疑問や違和感を日本に持っていき、どう解決できるのか、まず解決できるのか、これからの課題である。
 
 
今まで見て見ぬふりをしていたが、実際関わったことによって見て見ぬふりすることができなくなってしまい、今まで漠然と貧困から人々を助けてあげたいと思っていたが、今は今回の訪問した地域のような場所で暮らす人々の求めるものに何か、どのような問題を抱えているのかを彼らと真剣に寄り添いながら知り、解決できたらと思う。
 
 
私たちの理想を押し付けることなく、自己満足な支援をするのではなく、彼らの暮らしを尊重した、彼らに合った支援ができるように、今回のボランティア活動を通して活かしていきたい

 
 
2022年9月
 
 

 
 

 
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