フィリピン セブ ソーシャルボランティア体験談

えり 福岡大学 2年

グローリアセブのボランティアに参加して、色んな初めての世界を目にすることができました。
活動する上でマスコミでは報じきれない貧しい暮らしの現実にショックを受けました。

また、スラム街によってもその地域が出来た理由や生活様式は様々で大きく異なっていました。

最初に訪れたのは墓地に住む子供達でした。
墓地に建てられた家はとても限られたスペースにあり、少し異臭もしたように感じました。

靴を配る際、それぞれの子供達に欲しい種類や色のものがあったようでしたが、それでも奪い合ったりする様子は全くなく、また貰えなかった子は次回で良いと潔く諦める様子が印象的でした。

その日の午後に訪れた山村部の地域では、入り組んだ場所にそれぞれ簡単な家がありました。

ただ、その前に行った墓地に比べると子供達が遊べるスペースは広く伸び伸びと遊べるのかなと思いました。

二日目の最初に訪れたスラム街はとても大きく、初めの方はしっかりとした頑丈な建物だったものの、奥に進む程、段々簡単な家の作りになっていきました。

午後には川の上に建っている地域に行きました。
迷路のように複雑で、子供が歩くには危険な通り道をそこに住んでいる子供たちは2歳から歩くようになるそうです。

そこでトイレを使うには2ペソを都度払わないといけないという点には驚きました。

その日はその2つの地域で6人の奨学金を貰い学校に通っている子供達の家を訪問しました。

子供達はそれぞれ境遇や環境は違うものの、みんな目標を持って努力していてその上とてもポジティブでした。

また、一人のボランティアのメンバーがどの家でも「何をしている時が一番幸せか。」と尋ねていたのですが、全ての子供達が「家族といるとき」と答えていて家族のつながりを凄く大切にしているのだなと思いました。

三日目に訪れたのはガラスの収集を生業にする地域とゴミ山が生活の主である地域でしたが、以前訪れていた地域より、より貧しい地域だと感じました。

両地域で子供達には虫歯が目立ち、虫が集まっていたため衛生環境も非常に悪いと思いました。

また、一か所目の地域では他に訪れた地域より英語を話せる子が少なく、あまりしっかり学校に通えていないのかなと思いました。

今回様々な貧しい地域の子供達と関わり、それぞれの地域の貧困問題や教育問題がありましたが、どの地域にも共通することは、どこの子供達も明るく素直で無邪気であるということです。

将来がどうなるかはその子たちの意志や行動次第ではあると思いますが、生れた国や地域が違うだけで受けられる教育や選択肢の幅にこんなにも差が生まれることに、改めて世の中の不平等さを痛感しました。

私は別のボランティア団体の活動で紛争地における教育課題についての活動をしているのですが、紛争地域における問題は突発的な貧困と教育環境再建の緊急性です。

対してセブ島では貧しさはいつも存在し、教育課題はより複雑で様々な理由があります。

そのため、一言で“貧困問題”や“教育の向上”といっても改善方法はその国、状況により全然違うものが必要であるため単純ではないことに気が付きました。

故に解決するためには、それぞれの場所の事を良く知る事が欠かせないと思います。

セブの貧困問題も完全に解決するにはかなりの時間とお金を費やす必要があると思いますが、できるだけ早く全ての子供が普通に学校に通えて不自由なく暮らせる日が来るよう、他人事のようですが願っています。

2023年2月

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