莉子 日本赤十字豊田看護大学3年生

グローリアセブの活動に参加し、子ども達やその家族との触れ合いを通して、人の繋がりには言葉の壁など関係が無いこと、また、日々の自分自身の環境や生活に感謝を忘れてはいけないこと、余裕がない中でも優しい気持ちを持つことの素晴らしさを関わったすべての人々から学びました。

そして、医療の発達の面からは、これまで学んできた十分な医療が受けられる体制や環境が出来ていない現実を肌で感じることが出来、将来自分自身に出来ることはないかを考える機会になりました。

私は、英語が話せないため、参加するにあたって、子ども達とコミュニケーションが取れるのか、子ども達は言葉が通じない私に心を許してくれるのだろうかと不安な気持ちがありました。

しかし実際に活動が始まると、言葉が通じない私にもすごくフレンドリーにスキンシップをとってくれたり、自己紹介をしてくれたり、私の拙い言葉を一生懸命聞き取ろうとしてくれたりと、私自身が作ってしまっていた言葉の壁を子ども達が壊してくれました。

もっと英語を身につけ、子ども、達とさらにコミュニケーションを取れるようになりたいと思うと同時に、人と人との繋がりには言葉の壁など無く、言葉よりも、笑顔や向き合おうとする気持ちが大切であることを実感しました。

活動では、墓地や、川の上、山村に暮らすスラムやゴミ山に訪問し、自分自身が想像していたよりもずっと過酷な環境を目の当たりにしました。

しかし、そのような環境であっても子ども達やその家族は誰1人として暗い顔せず、訪問する私たちを優しい笑顔で迎え入れてくれました。

私は、そのような環境であっても文句一つ言わず明るく、強く生きていく人達を見て、日々の生活の中で当たり前に水が使えて、ご飯が食べられて、学校に行けて、好きな事に取り組み、そして欲しいものはある程度手に入るこの生活を当たり前のように感じて、感謝の気持ちを感じることができていなかったことに、不甲斐なさを感じました。

そして、今のように生活が送れていることに感謝を忘れず、そしてそれだけでなく、今回訪問したような環境で暮らす人々がいることを忘れてはいけないと考えました。

食事の配給では、子ども達が誰1人と負けず劣らず食事を求める姿を見て、生活の苦しさや、日々の生活の貧しさを実感しました。

しかし、その中で何より印象に残ったのは、自分自身の生活に余裕がない中で、自分よりも小さい子どもや、兄弟、姉妹の食事を優先している姿や配給された食事を家族に分け共に食事をする子ども達の姿でした。

私はこれまで、人に優しくなるには自分自身に余裕がなければいけない、自分に余裕がない時には人に優しく出来なくても仕方ながないのかもしれないと考えていた。

しかし、活動時に出会った子ども達は自分自身の生活にも余裕があるわけでは無いのに、自分よりも周りの人や家族を優先出来る優しさを持っており、その姿を目の当たりにして、自分に余裕がある、ない、関係なく人に優しく出来ることが、本当の意味で「優しさを持っている」事なんだと学ぶことができました。

医療の普及については、これまで学校での学びから、ある程度の医療の普及があっても日本で私たちが当たり前に受けられているような十分で確実な医療が受けられていない人々がいることについては把握していました。

しかし、実際に話を聞いてみると医療費の問題の裏には、医療保険の普及が無いことが浮き彫りになり、また、生活する環境から、救急車両が手配できない事などといったように、簡単に解決できるような問題でないことを実感した。

また、実際に生活環境を目にして、衛生面や清潔面と言った観点から必要な学びが受けられていないのではないかと実感しました。

私はこのような現実を知り、将来自分自身が看護師としてこのような環境に暮らす人々の命や笑顔を守る活動に貢献出来たらいいなと思いました。

この活動を通して、ボランティアという形で参加した私自身が、逆に子ども達やその家族からこれまでに述べたような多くのことを学び、とても貴重な時間となりました。

ここでの経験や学びを必ず今後の自分自身の生き方や考え方に生かしていきたいです。

2023年9月

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