海外ボランティアを躊躇う理由は、ほとんどの場合、事前の情報不足が原因です。
特に海外初心者の大学生なら、参加を決める前に知りたいことや心配になることが多いハズ。
この記事では、フィリピンでのボランティア活動に実際に参加した大学生への調査を基に、彼らが参加前に抱えていた心配事、そして現地ではどのような苦労や困りごとがあったのかを解説していきます。
どれも、ウェブサイトやボランティアの資料には載っていない貴重な情報です。
セブでのオリエンテーションの様子
1.海外ボランティアに参加した大学生の動機
グローリアセブのボランティアプログラムには年間で150名以上の人が参加していますが、その内訳と参加の動機は下記の通りです。
大学生 76%
社会人 22%
その他 2%
女性 73%
男性 27%
海外ボランティア経験
あり 6%
なし 94%
ザックリ言うと、海外ボランティアに初めて参加する女性が約8割を占めています。
この内訳はフィリピンに限らず他国でのボランティアでも大差ないと思います。
また、全体の7割がひとり参加です。
大学生の海外ボランティア参加の動機
- 大学で国際協力について勉強しているから
- テレビで世界の貧困を知り興味を持ったから
- 普通の旅行では体験できない刺激が欲しかった
- 友だちに誘われたから
- 英語に触れられるから
2.ボランティアで苦労したのはコミュニケーション
ボランティアで楽しかったことは人との交流と異文化体験。
現地の子どもたちやボランティア仲間との交流、
そして旅行では体験できない現地の人たちの暮らしを見たり、日本では食べることのできない食事かできたこと。
苦労したのは現地の人たちとのコミュニケーション。
ちょっと聞いてみたい質問がスムーズに話せなくて、聞いているだけになってしまった。
もう少し自分が英語が話せれば、コミュニケーションできたのに。
英語が喋れなくて活動に支障があったのではなく、喋れればもっと楽しかった、と言う意味です。
私は英語は簡単なものしか話せないし、子どもたちもいつも使っているのはフィリピン語。
でも、テンションや反応やジェスチャーでコミュニケーションをとることができ、通じ合え、仲良くなれたのがすごくいい経験でした。
未来海外でのボランティアに参加する前の私は、“そんなに英語が得意じゃないのに、どうやって子どもたちと仲良くなればいいのだろう…?”という不安でいっぱいでした。
しかし、言葉ではお互いの意思疎通がはかれなくても、遊びを通して、“今あの子はこう考えているじゃないだろうか”となんとなく予想が出来るようになり、それからは上手く意思疎通をはかれるようになりました。
優香英語全然喋れない私だったけど、そんなの関係なく子供たちとの絆ができたように感じます。
ただでも、もう少し英語が出来たらもっといいものになったと思う!ので日本に帰ったら英語を勉強したいと思いました。
梨沙
英語が喋れないことを理由に参加を躊躇う大学生が多いのですが、この二つに該当しなければ英語が苦手な大学生でも大丈夫です。
・介護や教員など専門職系のプログラム
・欧米での活動
その詳しい理由は英語が喋れないと海外ボランティアはできないのかを見てください。
家庭訪問の様子
3.旅行もボランティアも注意することは同じ
受け入れ先がしっかりした団体であればボランティアだからと言って過剰に危険を心配することはありません。
海外ボランティアの危険性が高いなら、そもそもどこも募集などしません。
しっかりした受け入れ先とは
・現地にスタッフが常駐している事務所があり、現地事情に詳しい
・何か起きたときは現地スタッフが24時間サポートしてくれる体制がある
・日本人スタッフが現地にいる など
海外での危険リスクはボランティアだから高く、旅行だと低いわけではありません。
その理由は、トラブルは自由行動の時間に起きやすいから。
語学留学の方が安全と思う大学生もいるかもしれませんが答えはNoです。
繰り返しになりますが、もしもなにかのトラブルが起きるとしたら、それはほとんどが自由行動の時間なんです。
旅行もボランティアも留学もリスクは同じです。
訪問する国に関係なく、自由時間もいつも集団行動を心がけておくと良いでしょう。
4.できることはセブに来てから考えればオッケー
参加前から自分にはなにができるのか、なんて悩まないでください。
極端に言えば、できることやすべきことは現地に行ってから考えればいいのです。
大学生の多くは専門的な知識もスキルも持っていません。
興味があったから参加した人。
活動のプログラムは決まっていますが、これができなきゃダメなどと言うプログラムはありません。
もしあったら事前に説明されているハズです。
現地に行って決められた活動をこなし色々なことを見聞していく中で、自分にできること、やってみたいことが見つかったらチャレンジしてください。
短期ボランティアだと時間はアッと言う間に過ぎてしまいますが、帰国してからでもできることはあります。
・あなたの経験したことを情報発信する
・寄付する物資を集める
・参加した団体の活動にインターンで参加してみる
海外ボランティア初心者の大学生なら、現地での役立ちよりも、まず経験して知識を得ることを考えると良いと思います。
5.海外ボランティアは現地集合が基本
海外への渡航自体が初めて、と言う大学生も少なくありません。
現地の空港に到着後、入国手続きや荷物の受け取りでわからないことが起きても英語で上手く伝えられないし。
迎えに来てくれる人と会えるのか心配。
だから、日本から同行してくれる人がいるプログラムを希望。
海外ボランティアで日本から同行してくれるスタッフがいるプログラムは、ほぼありません。
でも心配は不要です。
日本からの直行便を利用すれば乗客も日本人が多いでしょう。
現地の空港に到着後、わからないことがあったら気兼ねなく聞けば大丈夫。
また、空港スタッフもわかりやすく説明してくれます。
海外が初心者の大学生には、乗継便の利用はおすすめしません。
集合は空港内の所定の場所か、ホテルなど宿泊先のどちらか。
空港集合の場合は迎えに来てくれた人があなたを探してくれるので目立つ場所にいるようにしてください。
宿泊先集合の場合は、タクシーなどで自力で行かなければならないのでちょっとハードルは高め。
事前に行き方など良く確認しておいてください。
どうしても不安な人はお友だちと一緒に参加するのも良いでしょう。
6.ボランティアへの参加を親に反対されたときの対処
申し込みをした後、親に反対されたらどうするか。
親が子どもの安全を心配するのは当たり前。
まして、ご自身が経験したことない海外ボランティアならなおのこと。
もし、ご両親に海外ボランティアへの参加を反対されたら、自分の参加したい気持ちや熱意をしっかり伝え、その上でご両親が抱えている不安点を解消する説明をしましょう。
・どんな人たちと一緒になるのか
・宿泊施設は安全な場所なのか
・ひとりになることはないのか
・受け入れ先は信頼できるのか
・何かあったらすぐに連絡が取れるか
今までの経験からご両親が心配する点はこの5つ。
自分でわからないことは受け入れ先に確認してください。
友だちと参加することで、ご両親の不安は少し軽減されるかもしれません。
活動ミーティングの様子
7.大学生のタイプ別 ボランティアプログラム
ボランティアに参加するとして、では、自分にはどんなプログラムが合っているのか。
ここでは目的や動機別に大学生向けのプログラムをアドバイスします。
7-1.スキルアップや専門技術を経験したい学生
看護師や介護福祉関係の仕事を目指している学生は、高齢者福祉施設や障がい者施設でのボランティア。
教職を目指している学生なら小学校や幼稚園での活動がオススメです。
・場所は英語圏または欧州
・1週間から募集しているプログラムあり
・活動は現地では受け入れ先施設の規則に従う
・基本的な英会話力が必要
・書類選考がある場合も
専門職系のプログラムは、ボランティアではなくインターンシップと呼ばれることが多いです。
7-2.国際協力機関で働きたい学生
途上国でのボランティアまたはNGOのインターンスタッフとして仕事をする方法があります。
・活動先は東南アジアやアフリカなど発展途上国
・インターンスタッフの場合は1か月から半年、一年の長期間、現地滞在
・書類や面接での選考あり
・現地での住まいや活動経費は基本的にNGOが支払うから支出は抑えられる
興味のある学生は、日本のNGO団体のホームページで募集記事を探してみてください。
ボランティアプログラムなら一週間程度の短期でも参加可能です。
グローリアセブでは、春休みと夏休みに無料インターンシップを募集しています。
7-3.英語力を向上させたい
海外でのボランティア活動を通して英語力も鍛えたいと考えているなら、語学留学とボランティアを組み合わせたプログラムをおすすめします。
その理由はボランティアだけですと使う英語が限られてしまうから。
はじめに語学学校に入学し英語のレッスンを受け、その後ボランティア活動に参加します。
留学先として人気があるのはアメリカ、カナダ、オーストラリア、フィリピン、イギリス、ニュージーランド、マルタ。
自分がどんなボランティアをしたいかで渡航する国を決めてください。
語学留学とボランティアがセットになったプログラムもあります。
これなら煩わしい手続きは軽減されますね。
グローリアセブでは、ボランティアと語学レッスンを組み合わせたフィリピン ボランティア留学を提供しています。
7-4.なにか自分にできることをしたい
具体的な目的がなく海外ボランティア初心者の大学生なら、子どもと関わるボランティアが良いでしょう。
現地の子どもたちにごはんを配ったり、一緒に遊んだり、勉強の面倒を見たり。
子ども好きの人なら誰もが気軽に参加できます。
候補としてはフィリピンなど東南アジア。
日本から近いので短期で参加できます。
7-5.体力に自信あり! からだを使いたい
植林や農作業など環境系ボランティア、また小学校の建設など現地の人たちと共に汗を流すプログラムはいかがでしょうか。
ホームスティで現地の生活にどっぷり浸かります。
場所はアフリカやインドなどで、活動期間は1か月以上の中長期になります。
以上、タイプ別に5つのプログラムを紹介しましたが、実は、はっきりとした目的を持って海外ボランティアに参加する人は少ないんです。
普通の海外旅行じゃ味わえない体験をしたい
なんか楽しそう
子どもが好きだから
大学生の場合はこのような動機で参加する人が半数以上。
特に目的は持ってなく、海外ボランティアが初めての学生なら、東南アジアの子どもと交流するプログラムが一番おすすめです。
セブ島の子どもたちとの交流の様子
8.まとめ (増えつづける学生ボランティア)
初めて海外ボランティアに参加する大学生が知りたいこと。
特にネットにはあまり出ていない情報を中心に解説しました。
人によっては知りたいことがもっとあると思いますが、あまり細部には拘らず、コレと思ったら行動することが大切だと思います。
海外に行き、ボランティア活動や海外の文化を経験してわかることの方が多いんです。
その経験のすべてが大学生の財産になります。
埼玉大学が平成27年に首都圏の大学生300名を対象に、ボランティア活動に関する興味と関心について調査した結果、23%の大学生が海外ボランティアに関心を持っていると回答。
全17項目のボランティア活動の中で5番目に高い数字でした。
一方で実際に海外ボランティアに参加したことがあると答えた学生は3%にとどまっている。
大学生の海外ボランティア参加者はこれから益々増えて行くでしょう。
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