日本と異なる途上国の奨学金制度
グローリアセブでは貧困家庭に育った子どもでも、やる気のある子は学校でしっかりと義務教育を受けられるよう奨学金で教育支援をしています。
奨学金は優秀な子が家庭の貧困のために大学に進学できない、勉強を続けられないと言った場合に政府から貸付のかたちで支給されるのが一般的ですが、途上国の奨学金制度は異なります。
フィリピンをはじめ東南アジアやアフリカの途上国には貧困層が多いため、たとえ学費が無料でも通学費や食事代が支払えない、学校から指定された文具や制服が買えないなどの理由で教育を受けられない子どもが大勢います。
グローリアセブでがフィリピンで奨学金を支給している子は成績優秀者ではありませんが、教育を受けたいと親子で願っている家庭の子どもたち。
貧困家庭の子どもにお金を貸し付けても返済の見込みなどありません。
よって奨学金の返済は不要です。
奨学生の選び方
フィリピンにボランティアに参加される方々から良く「どんに基準で奨学生を決めているのですか?」と質問されます。
親が定職に就いていない
片親の家庭
兄弟が多い
基本的な目安はありますが、わが子に教育を受けさせたいと親が強く願っているのが大切です。
子どもが学校に行きたいと思っていても親が教育に熱心ではなく、将来よりも今日の収入を重視してしまうと子どもの通学は長続きせず、児童労働者として親に使われてしまいます。
奨学生を決めるときは保護者との面談を行い家庭環境、仕事、収入から子どもに対する考えや希望をヒアリングし支援の可否を決めます。
また奨学生になった後も月に一度保護者会を開催し教育を受けることの大切さを説明し続けます。
奨学金で学校に通うようになっても、いつの間にかその奨学金で米などを買ってしまい必要な文具が買えずドロップアウトしてしまうケースも多いからです。
奨学金の支給方法
貧困層はお金をもらうとすぐに使ってしまいますので、学校に通うために必要なものは現物支給、そして通学費や食費は月々に分けて支払っています。
フィリピンの学校は6月が新学期ですので、5月には制服、靴、カバンなどを買い与えます。
子どもの成長は早いので制服や靴は毎年新調します。
学校がはじまると担任の先生から授業に必要な文房具のリストが渡されます。
科目ごとのノート。筆記用具、定規、クリアファイル、コピー用紙などそのアイテムは30種類ほど。
必要な学用品はすべて購入し奨学生に支給しています。
通学費や食事代、文房具の補充などは毎月一定額の現金を親に渡します。
但し無条件で支給するのではなく。学校に通い一定の成績を収めている場合のみ渡し、欠席が多かったりテストの点数が悪い場合はその学期の奨学金は支払われません。
フィリピンは4学期制で各学期の終了後には通信簿が配られます。
通信簿には出欠と点数が記載されていますので、通信簿をもとに判断します。
欠席が多い場合は親と話し合い、点数が著しく悪いときは担任の先生に話を聞きに行く場合も。
奨学金だけではないグローリアセブの教育支援
奨学金だけではなく、学校に通っていない子が学校へ戻れるよう基礎教育を行うフリースクール、路上で物売りをしている子に道徳を教える青空教室を毎週開催しています。
途上国では年齢と学年が一致していない子も珍しくありません。
これは小学校に入学はしたけど家庭が貧困で続かず途中でドロップアウトしてしまい、また学校に復学する生徒も多いのが原因です。
例えば小学2年生まで学校に通い3年から行かなくなった。
そして数年後にまた小学校へ復学した場合は3年生からはじまるのです。
フィリピンは幼稚園から義務教育ですので7~8歳の子でも幼稚園に通っていなければ幼稚園から。
フリースクールでは家庭の事情で学校に行けていない子どもが復学したときに、授業についていけるようアルファベットや計算など基礎的な教育を行っています。
英語と道徳教育を行う青空教室
家計を助けるために働いている子どもたちを対象とした青空教室には小学生から高校生までが通っています。
毎週土曜日に開催する青空教室では英語と道徳教育に力を入れています。
なぜ英語と道徳なのか。
英語ができれば将来の職業選択の幅が広がります。
フィリピンでは英語は公用語ですが日常生活ではあまり使われていません。
しかし、大人になって就職する際には語学能力が問われます。
英語ができれば接客業、観光業はもちろん海外で働くことも夢ではありません。
社会常識を教える道徳も大切。
貧困の子どもは親から社会のルールやマナーなど適切な教育を受けず自由奔放に育っています。
このまま成長すれば社会人としては失格。
人との接し方や態度
言葉遣い
公共でのマナー
教えることはたくさん。
忍耐力や落ち着きのない子どもたちですので、英語も道徳も楽しくわかりやすく教えるのがポイントです。
支援の悩み、それでもいなくなる子ども
奨学金を支給している子の家庭やフリースクールの子どもの家庭は貧しく、親と離れ離れに暮らす子もいます。
貧困地域に不法居住している家族は、いつ家が取り壊されるかもわかりません。
路上で生活している家族は警察に収容されることも。
スラムや路上で暮らしている奨学生はこのような理由から急にいなくなってしまうケースがあります。
携帯電話も使えないので事前の連絡はできません。
毎日子どもや家族と会っていれば事前に状況を把握できますが、何か所ものスラムで活動をしていると毎日同じ子どもに会うことができず、先週までいたのに急にいなくなっていたと言う家族もいます。
不法居住者が強制的に移住をさせられる地区はリロケーションサイドと言い、たいていは山岳地帯です。
支援している子どもと家族がいなくなったときはリロケーションサイドまで探しに行くのですが、山岳地域から学校までは遠く、グローリアセブの目が行き届かなくなりますので支援の継続は困難です。
子どもの教育を支援する里親とボランティア
グローリアセブは途上国フィリピンの貧困の子どもの里親を募集しています。
教育を受けたい、学校に通いたいと親子で願っている貧困家庭の子どもの奨学金を支援する里親です。
また、青空教室に参加して子どもと触れ合うセブ島ボランティアの参加者も募集しています。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
途上国に生まれた子どもが人並に学校教育を受けるために。
グローリアセブは里親やボランティアさんと、途上国の貧困の子どもたちとの橋渡しをする役目も担っています。
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